宇佐美に抱きかかえられる岡崎 [写真]=瀬藤尚美
文=青山知雄
11日のキリンチャレンジカップ2015で4-0とイラクに大勝した日本代表。ポイントゲッターの岡崎慎司(マインツ/ドイツ)がヴァイッド・ハリルホジッチ監督体制下で3試合連続となるゴールを叩き込んだ。
さすがの勝負強さと決定力だった。32分、中央左からフリーでペナルティエリア内に走り込んだ岡崎は、ドリブルで切れ込んだ宇佐美貴史(ガンバ大阪)からのパスを受けて左足を振り抜くと、GKの左手を弾いてゴール。3月のチュニジア戦(大分)、ウズベキスタン戦(東京)に続く3試合連続ゴールで強烈に存在感をアピールした。
ゴールシーンについて問われた岡崎はまず、チームが目指すサッカーについて言及。「ゴールシーンもそうだけど、選手が前を向いた時に2〜3人がトップスピードでダッシュして、ボールを持った選手が一人交わしたところで数的有利が作れる」と指揮官の打ち出した方向性に手応えをつかんだ様子をうかがわせた。
ただし、自身のゴールシーンに関しては「フリーで余裕を持って逆サイドを狙ったけど、久々に一対一の場面が来てコースが甘かった。ニアを狙えたなとも思いましたね」と苦笑いを浮かべ、「3試合連続ゴールだけど、個人的には決めたゴールよりも、外したシュートのほうが印象に残っている。決定機をモノにできなくて大事な試合で負けている記憶もある」と厳しい姿勢を崩さなかった。
これで日本代表通算44ゴール目。歴代3位のゴール数を積み上げてきた岡崎だが、指揮官からは「ペナルティボックスの中で何ができるかがストライカーとしての勝負。そこにフットボールの真実がある」と深い言葉を投げ掛けられているという。
16日のシンガポール戦(埼玉)から、いよいよロシアに向けた戦いが本格的に始まる。「シンガポールはイラクと違って、どんな相手か分からない。そういう相手は最初に苦戦する印象があるけど、そこでチャレンジしていくことが大事。チームとしても個人としても予選を通じてチャレンジしていきたい」と語る岡崎が、指揮官の言葉を胸に新たなステージへと進み出す。