3月の代表戦に出場した内田篤人 [写真]=Getty Images
文=青山知雄
日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督が11日、翌日から千葉県内で行われる日本代表候補合宿スタートを前にメディア対応を実施。ヨーロッパ視察の成果について語った。
4月18日から約3週間にわたるヨーロッパ視察で、「ドイツでプレーするほとんどの代表選手と会うことができた。会食には吉田麻也(サウサンプトン)や川島永嗣(スタンダール・リエージュ)も来てくれた。高いワインを2本も空けてしまったので、試合に勝って返してくれるはず」と笑いを誘ったハリルホジッチ監督だったが、「けがの治療で参加することができなかった」という内田篤人(シャルケ)に関する話題には声のトーンが落ちた。
「内田に関しては少し心配している。パリのドクターとコンタクトを取って客観的な意見を聞くように依頼しているが、シャルケがなかなかOKしてくれない」
所属のシャルケでは右ひざ負傷でベンチ外が続いている内田。シャルケでベンチ入りに留まっていた状況ながら3月の日本代表合宿に参加し、同27日のチュニジア戦で実戦復帰したが、ドイツへ戻ったあとに古傷が悪化。日本のドクターが手術を勧める一方、クラブ側は保存療法を選択しており、代表チームとシャルケの間で治療方針に相違が生じている。
「長い時間を掛けてスタッフと話をしてきたが、最後は彼が自分で決めると思う」としたハリルホジッチ監督。ドイツ・ブンデスリーガで世界の屈強な選手たちと互角以上に渡り合ってきた選手だけに、指揮官の構想でも重要な位置を占めることは間違いない。シャルケ側とのコミュニケーションを深めることも平行して必要となるかもしれない。今はとにかく日本が誇る右サイドバックの回復が待たれるばかりだ。