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アジア杯、注目選手から見る敵国分析…イラン代表MFジャハンバフシュ『20歳の大器』

2015.01.15

20歳のジャハーンバフシュ(右)は今大会のブレイク候補の一人 [写真]=Getty Images

 バーレーンとの開幕戦を2-0で勝利し、39年ぶりとなる優勝に向け、順調なスタートを切ったイラン。対人戦に自信を持つバーレーンの守備を相手に、前半の終了間際と後半27分にCKかから効率よく得点し、完勝した形だが、流れの中では迫力を欠く部分があり、まだ持ち前の攻撃力が発揮されたわけではない。

 さらなる躍進に向けたイランのキーマンとして期待されるのはアリーレザー・ジャハーンバフシュだ。AFCの公式サイトでは「TOP5 ASIAN CUP YOUNG GUNS」と題し、日本代表の武藤嘉紀や韓国代表のソン・フンミンと並び、アジアカップの注目若手プレーヤーに選出された。バーレーン戦では2点目を決めたショジャエイに代わり、終盤の10分間だけ出場したが、本来の実力を発揮すればイラン代表を躍進に導ける能力を備えている。

 現在オランダのNECでプレーするジャハンバフシュは180センチの長身ながら抜群のスピードとボディバランスを備える気鋭のアタッカーだ。1対1の突破力に加えてカットインからのミドルシュート、ゴール方向を突き進むドリブルなど、アタッキングサードで常に相手ディフェンスの脅威になることができる。

 20歳になったばかりの2013年10月にA代表デビュー。ブラジル・ワールドカップにはイラン代表のメンバー最年少で選出され、全て途中出場ながら3試合に出場した。マンチェスター・ユナイテッドなどが関心を持っており、遠からず大きなリーグやクラブにステップアップを果たすはず。もちろん今大会の活躍次第で市場価値が上がるだろう。

 シンプルにパスを展開するイランのスタイルにあって、2列目のアタッカーの個人能力は得点に直結する。バーレーン戦でトップ下をつとめたマスード・ショジャエイは右ウイングのアシュカン・デジャガは柔軟なテクニックを誇るドリブラーだが、一瞬で相手のディフェンスを切り裂くスピードはない。バーレーン戦で技巧的なハーフボレーのシュートを決めたエフサーン・ハージサフィーも左足のクロスを得意とするタイプだ。

 個の打開力に最も優れるジャハンバフシュは2列目の全ポジションをこなし、2トップなら前線もこなせるだけに、2試合目から先の戦いでどう起用されていくかは気になるところだ。

 イランには他にもスペインのオサスナでプレーする10番のカリム・アンサリファルドや20歳の技巧派FWサルダル・アズムンなどのブレイクが期待されるが、ジャハンバフシュの活躍がイランの躍進に直結しうると同時に、日本代表が対戦する場合は要注意だ。

文=河治良幸

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