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アギーレ監督、告発後初会見で八百長疑惑を否定…会見要旨

2014.12.27

記者会見に出席したハビエル・アギーレ監督 [写真]=Getty Images

 日本代表を率いるハビエル・アギーレ監督が27日、都内で記者会見を行い、自身がスペインのレアル・サラゴサを率いていた2011年にあったとされる八百長問題について言及した。

 12月、スペインの検察から八百長問題に関与した疑いで告発をされたアギーレ監督。告発後、初めて公の場に登場し、同問題について触れた。

 以下、会見の要旨。

「本日まで皆さんの前でコメントすることがなかったのは、正式なものが何もなかったからです。このたび、訴状が提出されたということで、私の意見を申し上げたいと思っております」

「そして私の弁護士から聞きましたが、スペインあるいはヨーロッパのリーグや大会などで450試合指揮を執りましたが、そのうちの1試合が調査されているということでした。調査されている試合に関わった36人の選手、サラゴサの5人、法人としてのサラゴサがこれから調査される。それが1月になるということです。そこで41人の個人が証言します。この証言が終わったところで裁判官が裁判を始めるかどうかを決定します。本格的な調査は1月に入ってからになると思います。その調査がどのくらいの期間に及ぶのかは誰にも分かりません。調査が終わったところでこの件が終了するのか、裁判に発展するのかもまだ誰にも分かりません。私はスペインサッカーの正直さとクリーンなところを信じていると申し上げたいと思います」

「12年間スペインのサッカーにいましたが、倫理やプロフェッショナリズムに反するものは認知しておりません。試合に勝つための唯一の手段は努力です。私は誰にも、何もプレゼントされていないし、望んではいません。私はスペイン当局に協力し、最後まで見守りたいと思っております」

「私に対するサポートを表明してくれた選手、幹部、家族や友人に感謝したいと思います。そしてサポーターの皆さんには落ち着いてくださいと言いたい。サポータの力がアジアカップ連覇のためには必要です。私は、日本がもう一度、アジアカップを制覇できるよう集中して準備していくだけだと思います。本日はお越しくださいましてありがとうございます。答えられない質問もあります。それはご了承いただいきたい。スペインにいる弁護士からの進言で、裁判官の前でのみ証言したいと思います」

(以下、質疑応答)

――監督は「何もプレゼントされていないし、何も望んでいない」とおっしゃっていました。ただ、スペインでは口座にボーナスが振り込まれて、そのお金が相手チームに渡ったという報道が一部でありました。自身では口座の確認はしたのか?

「司法当局に対してお答えしたい。ご理解ください。そちらで答えればメディアに載るので、それをお待ちください」

――サッカー、日本代表ファンとしては信じていいんですね?

「もちろんです。プロサッカーにかかわって39年。スペイン、メキシコ、アメリカ、日本で仕事をしています。その39年間の中に汚点は全くありません。その点は信じてもらいたいと思います」

――予審の開始が1月になるだろうとおっしゃっていましたが、アジアカップ中に捜査の要求があった場合はどうされますか?

「弁護士からの話によると、仕事には影響しないところで呼んでいただけるとのことです。アジアカップ中は、大会で優勝するため以外の仕事には全く力を注ぐつもりはありません。今日の会見が終わってから100パーセント、アジアカップに向けた状態になります」

――アジアカップ後、日本代表の強化に影響する可能性があることについては?合宿が始まる選手たちへの接し方は?

「選手たちには全く同じ説明をしようと思っています。私は落ち着いていますし、長いキャリアがある中でスペインのサッカーがクリーンであることを確信しております。私は監督ですから、現場で仕事をすることに集中しています。私が発言していることを裏付けるためにも、皆さんには私のキャリアの39年間を見てもらいたいと思います。今後、証言しなければならない状況が出てくると思いますが、あらゆる形で証言できる。代表監督の業務に影響することは100パーセントない。それは断言できます」

――起訴されるかどうかの見通しがわからない中で、JFA(日本サッカー協会)もあらゆる対応を想定しています。監督自身は次のワールドカップまで4年間、指揮を執れるという確信があるでしょうか。

「もちろんです。この問題で監督としての仕事に影響があったり、睡眠時間が削られることは全くありません。私自身もメディアを通じてこの件を知りました。私は39年間、毎週末戦ってきて、1000試合以上になります。こういった状況は私自身にとっても新たな状況です。問題になっている試合に私が関わっておりましたので、こういう状況になっております。ただ、今は日本での仕事に集中したい。日本代表にエネルギーを注入してまずはアジアカップ、そしてワールドカップ予選を戦いたいと思います。仕事にも選手にも、サポーターにも協会にも非常に満足している。私の持っているすべてを日本代表に注ぎたい」

――これまでの質疑応答で潔白を主張されていると思いますが、捜査の結果、潔白を主張できないケースもあるかと思います。その場合、自ら身を引くことはあるのでしょうか。

「それは想定の話ですので、お答えすることはできません。39年間、自分から辞任したことはありません。繰り返しますが、今は落ち着いております」

――今の段階では監督の人権は守られなければならないとは思いますが、疑いの段階ですでに代表チームに良くない影響が及んでいるとは考えられないでしょうか。

「そんなことはないと思っております。それまでにも443試合を戦ってきましたし、キャリアでは1000試合戦っています。その試合で私が何か悪いことをしたと考える要素がありません」

――告発は15日でした。今日までの間、どのように過ごされていたのか。29日から始まる代表合宿で大仁(邦彌)会長が選手たちに説明するとのことですが、その内容について要望はあるか。

「15日からは協会の弁護士、私のスペインの弁護士と話をしていました。その結果、落ち着いていていいという話を聞きました。私自身も落ち着いておりましたし、自分のキャリアを考えても全く問題ないと思っておりますので、試合の映像を見たり、練習のことを考えていました。大仁会長は協会の立場として選手たちに話しをするのだと思います。選手たちにもこの件について説明があるほうがいいと思います。これから調査が始まる段階で、調査の結果、裁判が始まるかどうかは分かりません。私は努力して練習に臨みたいと思います」

――口座に85000ユーロを二度に分けて振り込まれた痕跡があるという情報が入っています。そのお金は認識していたのか、引き出されたとしたらどう使ったのか。

「そこは弁護士の指示でお話することはできません。司法当局から話を聞かれた場合は落ち着いて答えられる状況です。全く自分を疑うことはありません。その日、何が起こったのかは自分の中でしっかり把握しておりますので」

――後任をリストアップしているということについてはどうお考えでしょうか。

「初耳です。お答えすることはできません。私は私で、アジアカップに向けて準備していくだけです」

――なぜこの問題が監督自身に降りかかったのか。自身はどうお考えでしょうか。

「私が指揮を執った450試合のうち1試合がこの試合で、その現場にいたからです。時間の経過とともに、すべてが明らかになることを希望しています。私自身も皆さんと同じく、この件について驚いております」

――サラゴサが残留を決めた試合の印象をお答えいただけますでしょうか。

「他の試合と同じく勝ちにいった試合です。勝つための準備をして、勝つための交代をしました。非常に密度の高い試合で、相手GKが素晴らしいセーブをしました。こちらの得点もGKが止めることのできない素晴らしい得点でした。その後、1点を押し込まれて終盤まで危ない状況でしたが、昨日のことのように鮮明に覚えております。両チームとも勝つために戦い、サラゴサのサポーターがバレンシアまで12000人も駆けつけました。苦しんだけれども、最後に勝利をつかむことができた。そういう試合だったと記憶しております。就任してから長い道のりでした。最下位のチームをそこまでもっていくことができました」

――根拠は言えない状況ではありますが、選手やサポーターたちに説明するために自分なりの努力をしているのか。アジアカップ後をどう考えているのか。

「私の努力、エネルギーはすべてアジアカップに注ぎます。サッカー以外のところで1分たりともムダにしたくはありません。アジアカップが終わったら新しい目標があります。そこへ向かって進んでいきたい。メキシコのクラブ、代表、スペインのクラブ、そしてアメリカのクラブにおいて契約の途中で投げ出すことは一度もありませんでした。私はプロフェッショナルです。これまで一緒に戦った協会、クラブに聞いていただければわかると思います。唯一の真実が“日々の努力”であることがわかると思います。それが試合に勝つための唯一の秘訣です」

――繰り返しになりますが、振り込まれたお金は返した、知らなかったなど、当時の経緯でお答えいただけることは。

「これも繰り返しお答えしますが、それに関しては司法当局にお答えしたいと思います。『繰り返しになりますが』とおっしゃっていましたが、皆さんは3カ月しか私のことを知らない。30年間私のことを知っていれば、そういう質問はしないと思います」

――事実無根とおっしゃっていますが、日本で大騒動になっていることについてはどう思っているか。逆に名誉毀損で訴えることは考えていないのか。

「3シーズン前の1試合が調査されている段階です。そこに関わっていた36人の選手と監督の私、クラブ関係者。相手の監督はベンチ入り停止だったので調査されていません。まだ日本では、あまり私のことが知られていないということで、このような会見を設けることになりましたが、私自身は非常に落ち着いております。このあとは調査の経過を待ちたいと思います。試合には関わっておりましたので、どのようなことが起こっていたのかを私の視点で説明するだけです。そのために日本代表の活動に影響することはありません。あとは時間が経過するのを待つだけです」

――実際に潔白かどうかは別にして、日本代表サポーター、スポンサーなどに申し訳ないという気持ちはあるのでしょうか。

「これが大騒動だとは私は思っておりませんでした。スペインでもメキシコでもアメリカでもスキャンダルになっていないのに、日本では問題になっているということです。私にとっては非常にクリアな状況です。試合に関わっていた36人が呼ばれて話を聞かれるだけです。その時を待てばすべてが明らかになるので、慌ててそこを憶測で話してしまうのは良くないと思います。スポンサーの方々、サポーター、選手は一丸となってアジアカップを戦いましょうと言いたい。それ以外の部分は時間が経過するのを待つしかありません」

――真実が明らかになるまで、かなりの時間を要すると思うのですが、それまでの間、謹慎することは考えていないのでしょうか。

「選手たちは試合で戦います。この試合に関わった選手たちは、今でも通常通り毎週末戦っておりますし、サラゴサの幹部も今までどおり仕事を続けております。レフェリーも続けております。なぜ彼らと同じように私も仕事を続けることができないのか。有罪が確定するまで仕事をする権利がある。推定無罪は確保されている。例えば私の財布がなくなったとして、見つかるまで誰も部屋を出るなとは言えないでしょう。この試合に出場していた選手でチャンピオンズリーグを戦っている選手もいる。家で引きこもっている必要はない。私も後悔することは何もない。このまま仕事を続けたいと思います」

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