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「そのための23人」…一丸で手にした勝利、世界切符へU-19日本代表“あと一つ”

2014.10.14

ベスト8進出が決まり、喜ぶU-19日本代表の選手たち [写真]=佐藤博之

 AFC U-19選手権グループCの最終戦で日本の前に立ちはだかったのは、宿敵・韓国。引き分けで突破の決まる韓国に対して、日本の突破条件は勝利のみ。シンプルに割り切るしかないシチュエーションで、鈴木政一監督は大きな博打に出た。ベトナムとの第2戦から先発5人を入れ替え。初先発4名を含むフレッシュ極まる陣容で、韓国との“デスマッチ”に臨んだ。

「あっちはほぼ同じメンバーだったからね」

 試合後、会心の笑顔を浮かべたのは、内山篤コーチだった。常に控え組の指導を担当し、時に叱咤しながら見守ってきた参謀役は、「そのために、この23人を選んでいるんだ」と前日練習の時点でその抜擢を示唆していた。

 試合は立ち上がりから日本ペース。「みんな本当に球際で戦っていた」とDF中谷進之介が振り返ったように、立ち上がりからハイテンションを維持して接触プレーでも韓国に対抗する。抜擢された控え選手たちも奮い立たないはずがないし、悔しい思いを抱えながら練習に励んでいた彼らのそんな姿は、レギュラー選手たちにも刺激になった。体力面を考慮してのターンオーバーという面に加え、心理面のリフレッシュという面でも先発の大幅入れ替えは総じてポジティブに作用した。

 日本の流れで始まった試合をエースが結果に結び付ける。13分、右サイドでスローインを受けた南野拓実が単独突破。寄せるDFを弾き飛ばして抜け出すと、右足でGKのニアサイドを破ってゴールの天井へ突き刺さる見事なシュートを叩き込んだ。

 だが、韓国もそう簡単に勝たせてくれるチームではない。29分にはCKの2次攻撃からFWキム・グンヒにゴールを許して同点に追い付かれてしまう。ペースを握っていただけに悔やまれる失点ではあったが、チームの動揺は小さかった。元より1点で勝てる相手だとは誰も思っていなかったからだ。

 後半が始まる前には、南野が中心となって「声を出し続けるぞ」と一喝。中谷、MF川辺駿といった選手もそれに呼応して「声を途切れさせるなよ」と、最後まで集中して戦い抜くことを再確認した。もっとも、そのおかげで「試合でこんなにノドがかれたのは初めて」(中谷)という状態になってしまったようだが。

 高い強度を保つ日本は後半も試合のペースを握る。初戦とは見違えるような動きを見せるMF金子翔太が左サイドから切り崩せば、今大会のキーマンになりつつあるMF井手口陽介が弾丸FKで韓国ゴールを脅かす。

 そして迎えた65分だった。相手のロングボールにCB中谷が完璧に競り勝ち、そのこぼれ球を拾った流れから始まった日本の攻撃。FW北川航也が落としたボールを蹴り込んだのは、やはりエースだった。「本当に南野様々ですよ」(中谷)という一撃が再びゴールネットを揺らし、日本が再び勝ち越した。

 残り25分。逃げ切りを図るには早すぎるタイミングでのリードを奪った日本は、ここから難しい時間を過ごすこととなった。74分に裏を狙えるタイプのFW越智大和を投入してカウンターを狙いつつ、77分には右サイドハーフへフィジカルが強く、ハートで戦えるタイプのMF高木大輔を投入。チームの強度を付け足す用兵で、韓国の猛襲に備える。

 そこからはまさに時計との戦いだった。ロングボールが増えて、ボールを捨てるようなクリアも増加。コーナーでのキープも試みた。少々不格好だったかもしれないが、しかし全員一丸でとにかく勝利を目指すという、ひたむきさを強烈に感じさせるプレーぶりだった。

 結局、スコアは2-1のまま動かず。「限界を突破する、一歩先へ行くのを一人ひとりが見せることができた」(中谷)日本が、韓国を撃墜。大逆転でのグループ1位で決勝トーナメント進出を決め、世界切符奪還まで「あと一つ」の位置に立った。

文=川端暁彦

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