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セリエA移籍報道を力に飛躍を期す山口蛍、ベテラン・遠藤と連携構築へ

2014.05.23

日本代表合宿で練習に励む山口蛍 [写真]=Getty Images

 ブラジル・ワールドカップに挑む日本代表の指宿合宿も23日で3日目。この日も10時、16時からの2部練習だった。前日発熱のために欠席した酒井高徳(シュトゥットガルト)も復帰。全てのメニューを消化した。一方、シーズンの終わりが遅かったため、合流が遅れていた本田圭佑(ミラン)、長友佑都(インテル)、川島永嗣(スタンダール・リエージュ)は同日夜にはホテル入りしたが、トレーニングには間に合わなかった。

 午前練習は冒頭20分間の公開。2組に分かれて攻撃のビルドアップの確認が主に行われていた。アルベルト・ザッケローニ監督から直々に指導を受けたのは、DF酒井宏樹(ハノーファー)、吉田麻也(サウサンプトン)、今野泰幸ガンバ大阪)、酒井高徳、ボランチ・山口蛍セレッソ大阪)、遠藤保仁(G大阪)、2列目右に齋藤学横浜F・マリノス)、左に香川真司(マンチェスター・U)、トップ下に大久保嘉人(川崎フロンターレ)、FW大迫勇也(1860ミュンヘン)という顔ぶれ。指揮官はサイドで数的優位を作る形を繰り返し選手たちに説明していた。

 午後は15分間の公開で、ビルドアップの精度とスピードを高める練習をハーフコートで実施していた。組分けは午前と全く同じ。やはり大久保は現時点でザッケローニ監督からトップ下要員として位置づけられている様子。本田が加わってどういう使い分けになるかが今後の注目点になりそうだ。

 そんな中、午前午後を通じて遠藤とボランチを組んだ山口は、練習場から最後に引き上げてきた。「喋っていただけです」と本人はいつも通り、淡々としていたが、ここまでの代表招集回数が多くないがゆえに、本番を前にもう1つ、深くチームに入り込もうという姿勢を見せているのだろう。

「ヤットさんとやる時はできるだけ守備の負担を減らすようにはしています。状況を見つつ、自分が行く時は行くっていうのをしっかり判断したい。練習の中で合わせていくのが一番いいですね」と彼は現在、遠藤とボランチを組むイメージを膨らませているようだ。

 確かに彼らが同じピッチに立ったのは、昨年11月のオランダ、ベルギー2連戦など数回しかない。本大会ではこのコンビがボランチの軸になる可能性もあるだけに、2人の意思疎通は極めて重要だ。本番までの限られた時間で最大限、有効活用していくべきである。

 その山口にセリエAのフィオレンティーナなどが興味を示しているという報道がこの日、流れた。

「どこからああいうのが出てきたんかっていうのを、逆に聞きたいくらい」と本人は半信半疑の様子をのぞかせた。その反面で「でも今までそういった話題がなかったんで、興味を持たれることは嬉しいですし。年齢的にこれ以上年を取ったらどこも取ってくれないと思うし、本当にオファーがあるのなら、いろいろ考えたいと思います」と海外移籍への色気も垣間見せていた。

 それを現実にするためにも、ワールドカップでの活躍は必要不可欠。ロンドン五輪全6試合を戦い抜いた無尽蔵のスタミナと走力に、遠藤とのいい絶妙のコンビネーションを追加して、日本のキーマンとして中盤を支えてほしいものだ。

文=元川悦子

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