合同自主トレに参加した海外組メンバー
21日から始まるブラジル・ワールドカップ本大会に向けた鹿児島県指宿市での第1次直前合宿を前に、いち早く帰国している欧州組の自主トレが16日から東京都内でスタートしている。初日は長谷部誠(ニュルンベルク)、内田篤人(シャルケ)、吉田麻也(サウサンプトン)、香川真司(マンチェスター・U)の4人のみの参加だったが、2日目の17日は岡崎慎司(マインツ)、清武弘嗣(ニュルンベルク)、大迫勇也(1860ミュンヘン)、酒井宏樹(ハノーファー)、酒井高徳(シュトゥットガルト)の5人も合流。現時点で日本にいる9人全員が顔を揃えた。
負傷を抱えている酒井宏樹を除く8人がサーキットトレーニングやパス交換などを通したフィジカル強化、ピッチ全体を使ったダッシュ&ストップ、インターバルトレーニングなど約1時間半のメニューを全て消化した。今季最終戦で復帰を果たした長谷部、リーグ戦での復帰がかなわなかった吉田、内田も順調な回復ぶりを見せているようだ。
練習後には内田、香川、吉田が報道陣の取材に答え、守備陣の要として期待される吉田が「ロンドン五輪の時より軽傷だったし、五輪の時はテーピングを巻いてプレーしていたけど、今はなしでできている。ここから暑さに慣れ、コンディションを上げて、大会を乗り切れる状態に高めていきたい」と意欲を示した。
その吉田には日本守備陣の中で唯一、高さのある選手として重責が課せられる。
「空中戦についてはやるだけ。日本人に高さが足りないのはしょうがないことだし、自分が日本に帰ってきてもやっぱり周りがちっちゃく感じる。だけど高さがあるからドログバ(ガラタサライ)に全て勝てるわけじゃない。いかにクロスを蹴らせないか、セカンドボールを拾うかが大事だと思う。セカンドのところは日本の一番の強み。そこで勝負していかないといけない」と彼は高さ不足を違う部分でカバーしていく必要性を強調した。
そしてこの4年間、一度も一緒にプレーしたことのないベテランFW大久保嘉人(川崎フロンターレ)の招集については「いい選手だし、経験のある選手。いい意味でチームをかき乱してほしい」と熱望した。彼が名古屋グランパスに所属していた時にはやられた経験が何度もあるようで「裏に抜けるスピードといやらしい動きは脅威」と敵に回したら非常に怖い存在であることに太鼓判を押していた。
そういう新戦力とともにブラジルへ挑む吉田ら欧州組。彼らのここからの確実な仕上がりに期待を寄せたい。
文・取材=元川悦子