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初招集の川又と南野が得点して適応力の高さを示す…青山も円熟味あるプレー

2014.04.09

ゴールを挙げた南野拓実(中央) [写真]=瀬藤尚美

文・取材=元川悦子

 5月12日に迫った2014年ブラジル・ワールドカップメンバー23人発表を前に、国内組の当落線上の選手たちを集めて7日から実施していた千葉合宿も9日が最終日。この日は流通経済大との練習試合が行われ、23人のメンバーが最後のサバイバルに意欲を燃やした。

 前半45分間は豊田陽平(鳥栖)、齋藤学(横浜)、高萩洋次郎、青山敏弘(ともに広島)、工藤壮人(柏)ら昨年の東アジアカップ(韓国)経験者が攻撃陣にズラリと並び、守備陣は今井智基(大宮)ら新顔が多かった。このため連携ミスから相手にカウンターを食らう場面がたびたび見受けられたが、攻撃の方は青山の的確なパス出しや豊田のポストプレー、工藤の飛び出しなどからいい形を作った。豊田や工藤らがシュートを外して無得点に終わったのは不完全燃焼感も漂ったが、やはり青山の落ち着きと安定感は目を引いた。「いかに代表のコンセプトに対して体をオートマティックに反応させるかを意識したが、いい面を出せてよかった」と本人も手ごたえを感じた様子。長谷部誠(ニュルンベルク)の長期離脱もあって、ボランチのバックアップ要員は非常に重要なだけに、彼は本大会の23人枠にまた一歩前進したと言っていいだろう。

 後半45分間は、川又堅碁(新潟)、南野拓実(C大阪)、石原直樹(広島)ら初招集組中心の攻撃陣と、鈴木大輔(柏)、槙野智章(浦和)らザックジャパン招集歴のある守備陣の組み合わせだった。相手の疲労が蓄積してきたこともあり、日本代表は頭から主導権を握る。そんな中、約束事を意識しつつ得点への意欲を強く押し出したのが川又。後半30分には右サイドを駆け上がった鈴木のクロスに南野がつぶれ、川又がゴール。目に見える結果でアピールする。この5分後には柴崎岳(鹿島)のパスを南野が決めて2-0に。ザッケローニ監督期待のアタッカー2人が得点したのは、チームにとって朗報だろう。

 特に南野は最初の20分間は左MF、残り25分はトップ下でプレー。左にいる時は外にいったん張ってから中へ動くというザックジャパンの基本戦術をピッチ上で表現しながら積極的にシュートを狙った。中央に移ってからも川又ともに前線からのアグレッシブなプレスを披露。右足首負傷の影響を感じさせなかった。「ゴールに絡めたのはよかったけど、次のステージへ行けるように質にこだわっていくことが大事」と本人も高い意識をのぞかせた。この練習試合を見ていた日本サッカー協会の原博実技術委員長も「適応力が高い」と高評価。19歳の新星がジョーカー枠に名乗りを挙げるのも夢ではなさそうだ。

 これでメンバー発表前最後のサバイバルが終了。この中から何人がブラジル切符をつかむのかが注目される。

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