ミランで背番号「10」を背負いプレーする本田 [写真]=Getty Images
文=赤星敬子
セリエA第26節が2日に行われ、日本代表MF本田圭佑の所属するミランとユヴェントスが対戦。フェルナンド・ジョレンテとカルロス・テベスの得点により、ユヴェントスが2-0で勝利した。
同試合で本田は71分から途中出場。ボランチでの起用となった。現地紙『コリエレ・デッロ・スポルト』で、約28年間ミランを担当しているフリオ・フェデーレ記者は本田について、「フィジカル面でのコンディションが他の選手に比べて遅れている」と問題点を指摘する一方、「セードルフ監督は『彼はよくトレーニングし、熱心に練習をしている。彼だけでなく、彼の周囲の人間、特に日本人が辛抱強く慣れるのを待ってあげてほしい』と言っていた。その通りだ」と続け、適応に時間を要するとのクラレンス・セードルフ監督の意見に同調している。
また、「ロシアに比べ、食べ物や環境などを考慮すると、イタリアの方が日本から来た人間にはなじみやすいはずなのだが…」と、CSKAモスクワ時代との比較から疑問を感じるとも。
「(チームと連帯感のない)試合後の行動や振る舞いについて? 英語はよく話せるようだがチームメート、審判の言葉、サポーターからのブーイングなどが全てイタリア語というのもストレスにはなっているだろう。それは仕方がない。しかし頭をヨーロッパモードに切り替える必要がある」と、加入当初から言われていた言葉の重要性を指摘している。
ユヴェントス戦ではボランチとして試合途中からの起用となった本田。それまでは『4-2-3-1』の右サイドハーフとして起用されているが、「マッシミリアーノ・アッレグリ前監督やマウロ・タソッティ暫定監督時代には、トレクァルティスタ(トップ下、この場面では『4-3-2-1』の『2』)としてスペースがあった時には、よく動けていた。しかし、プレースタイルに変化を持たせる必要がある。左右の動きではなく前後、特に前に上がっていくプレーを身につけなればならない」と、サイドハーフのポジションでの課題を示した。
ユヴェントス戦ではアンドレア・ポーリが司令塔の位置で起用されたが、「ポーリは、ディフェンス面でもチームに貢献できる。以前、チームの緊急事態の際(1月15日のコッパ・イタリア準々決勝スペツィア戦、『4-3-2-1』で『3』の右サイドでプレー)、守備的MFをこなした。もちろん、右サイドハーフもできる。また、24歳と本田より若く、本田が60分としたらポーリは90分フルでプレーできる」と、守備面での貢献度や体力面での違いに触れ、本田と比較している。