2013.11.20

2013年最後の試合で停滞から復調した日本代表…いよいよ勝負のW杯イヤーへ

日本代表
ベルギー戦に3-2で勝利した日本代表 [写真]=VI-Images via Getty Images

 この勝利は評価していい。現地時間11月19日に行なわれたベルギー戦である。

 ザックことアルベルト・ザッケローニ監督は、16日のオランダ戦に続いてメンバーを入れ替えてきた。中2日のスケジュールに加えて個々のコンディションが考慮されたものだが、それでも先発はいじらないのがこれまでのパターンだった。中3日でセルビア、ベラルーシと対戦した10月の遠征も、スタメンは全く同じである。

 テストマッチとはいえメンバーを固定して結果が出なければ、停滞感、閉塞感、危機感がまとめて押し寄せてくる。オランダ戦を前にしたチームは、どんよりした雲に覆われているようだった。

 それがどうだろう。0-2から追いついたオランダ戦に続いて、ベルギーを3-2で下すとは! しかも逆転勝ちである。

 アジアの枠をこえた戦いに挑んだ2013年は、徹底的なまでに叩きのめされてきた。危険な兆候は5月のブルガリア戦に見えたが、直後のW杯予選突破によって0-2の敗戦は記憶の彼方に流されてしまった。3連敗に終わったコンフェデ杯も、イタリア戦の撃ち合い(3-4)が慰めになった。

 チームを取り巻く空気が黄色い色に染まったのは、8月のウルグアイ戦である。ホームで直面した2-4の完敗は、世界のトップ・オブ・トップとの格差をまざまざと見せつけられたものだった。

 危険を意味するシグナルは、10月の欧州遠征で黄色から赤へ変わる。W杯出場を逃したセルビアとベラルーシ相手に得点をあげられず、連敗を喫してしまったのだ。 

 どちらも弱小国ではない。簡単に勝てるはずがない。とはいえ、W杯で上位進出を目ざすのであれば、敗戦は受け入れがたいものでもある。負の連鎖から抜け出すためには、11月の2試合で結果と内容を両立させる必要があった。

 それだけに、ベルギーからつかんだ勝利は価値がある。前半のうちに同点へ持ち込み、後半に加点してベルギーを突き放した。終盤に1点差に詰め寄られながら、3-2で逃げ切った。

 南アW杯を上回る成績を期待され、選手たちもまた野心を抱きながら、このチームは<拠りどころ>となる試合を持てていなかった。世界的な強豪国相手に善戦したことはあっても、「ギリギリで踏ん張ることができた」とか「苦しんでも勝ち切ることができた」といったゲームは演じていない。苦境に立たされた際の精神的な支えがなかったのである。

 これからは、違う。FIFAランキング5位の強豪国を敵地で、しかも逆転で沈めた11月19日の記憶は、W杯へ向かうチームの推進力となる。

 今遠征の1勝1分けという結果にさらなる付加価値を与えるのは、チームの底上げがなされたことだろう。ベルギー戦では酒井高徳酒井宏樹森重真人がスタメンに名を連ね、山口螢と清武弘嗣が2試合連続で先発出場した。

 また、オランダ戦で得点をあげた大迫勇也に続いて、この日は柿谷曜一朗がネットを揺らした。東アジアカップ以降はゴールに見放されていた背番号11の一発が、酒井宏のアシストから生まれたのも好材料だろう。

 清武に先発を譲った岡崎慎司は、「キヨが良いプレーをしていたので刺激になった」と試合後に話している。「ようやく」という印象はあるものの、ザックの采配がチームを蘇らせたのは事実である。

 次の招集は来年3月になる。レギュラー格の選手は、さらなるレベルアップを自らに課す。今回の2試合でチャンスを得た選手は、定位置取りをモチベーションに所属クラブへ戻る。今回の2試合は負の連鎖を断ち切っただけでなく、チーム全体を活性化させたのだ。

 最後にひとつだけ確認しておきたいのは、ベルギー相手の勝利がW杯での上位進出を保証するものではない、ということだ。2013年の最後に強豪国とも勝負できる手ごたえをつかんだというのが、今遠征の真意である

文●戸塚啓

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