2013.10.12

セルビアに敗戦の日本…内容評価も求められるは決定力と明確な打開策

本田圭佑
敗戦に肩を落とす本田 [写真]=兼子愼一郎

 スコアほど、両チームに力の差があったわけではない。

 日本代表は11日に行われた国際親善試合で、セルビア代表と対戦して0-2で敗れた。敵地で完封負けを喫した格好となったが、試合後の会見でアルベルト・ザッケローニ監督は手応えを口にした。

「セルビアは、ヨーロッパレベルでは非常に強豪チームに入ると思うし、才能のある選手がいて、攻撃力に溢れ、フィジカルにも技術的にも優れている。実力のあるチーム相手に内容で上回ったというところは、ポジティブに思っている」

 指揮官の言葉通り、日本が主導権を握る展開だったことは紛れもない事実である。過去数試合で課題だった攻守のバランスに関しても前線からのプレッシングが機能して、日本のペースに持ち込む1つの要因となっていた。

 セルビアのシニシャ・ミハイロヴィッチ監督も、「前半は特に苦戦して、我々の方が日本よりもスピードがなかった。後半はスピードが出たかもしれないが、特に前半については良いサッカーができなかったと思う」と語り、苦戦とともに日本の出来の良さを認めている。

「私たちの方に良い結果が出たことは幸運だったと思う。実際に日本のほうが内容では上回っていたし、非常に日本の選手がよくやっていた」

 前半終了間際には、日本にボールを持たれている自国の代表に対して、サポーターたちがブーイングによって不満を表していたことからも、ミハイロヴィッチ監督の言葉は社交辞令ではないと言えるはずだ。セルビアもフルメンバーを招集できなかったとは言え、ホームで日本に圧倒されることは、当然ながら許されない。それだけに、敵地でも主導権を握れたことは評価されるべき点だろう。

 ただ、守勢に回ったセルビアが、日本のフィニッシュワークに関しては、ほぼ完璧に封じ込めてきたことも事実である。

ザッケローニ監督は、「ボールポゼッションやボール回しにせよ、サイドや中央での攻防、球際でも全てで我々の方が上回っていたという内容での敗戦」と表現したが、一方でセルビア側からすれば、名を捨てて実を取ることに成功したとも言える。

 中盤での攻防で後手を踏むことになったが、ブラニスラヴ・イヴァノヴィッチとマティヤ・ナスタシッチらを中心とした頑強な守備で、最後の一線だけは踏み込ませないような戦いぶりを見せ、試合の主導権を日本に渡しながらも、不格好でも勝利を掴みに来た。意表を突いたセットプレーからドゥシャン・バスタのボールを、ゴール前で冷静にトラップして得点に繋げたドゥシャン・タディッチの先制点は、その好例とも言えるだろう。

 試合後に香川真司も、「やっぱり最後に何かアクションというか、アイディアがなければ崩せないのかなというのをやりながらすごく感じていた」と語るとともに、フィニッシュワークでの課題を口にしている。

「ただ単にクロスボールを放り込んでも厳しいというのは目に見えていて、そういう意味ではカウンターからのチャンスであったり、そういうところでもっと精度を高めたり、何かアクションを加えないと。ブロックを敷かれた状況で、なかなか攻撃の糸口というのは正直、見つからなかった」

 試合での収穫を語った指揮官も、「自分たちのやっていかなければならないこと、高めていかなければいけないところがはっきりした。少ないチャンスの中でもゴールを決めていくというところを高めていかなければいけない」と課題について言及している。決定力向上については、個々人の能力アップが最も有効な手段になるだろうが、それはあくまでも選手個人の問題となる。チームとして取り組めることで言えば、チャンスの絶対数を多くすることになるだろう。

 セルビア戦からも、日本が既に敵地で為す術なく敗れるようなレベルでないことは、明白な事実と言える。そして、アウェーでも実力国を相手に主導権を握る展開に持ち込むことも不可能ではない。

 一方、サッカーでの所謂内容の良さは、そのまま結果に直結するわけでもなく、あくまでも試合を形作る要素の1つに過ぎない。

 これまでも、ペースを握っている中で得点できず、一瞬の隙を突かれて敗戦を喫することは度々あった。悪癖とも表現される現象ではあったが、実際は勝利のみに執着するような戦いに持ち込まれた場合、明確な打開策を見出だせていない日本の現在地を如実に表していたのではないか。

 ザッケローニ監督は課題の修正について、「本大会に向けては自分達がやらないといけないことも明確に出てきて、それに対して方向性は決まっているからひとつずつ解消していきたい」と、意気込んだ。攻守のバランスも整いつつあり、アウェーでの戦いぶりにも改善は見られて、確かに歩を進めている印象はある。一方、本大会まで残り8カ月となった。世界とのギャップを埋める道のりも、待ったなしとなっている。

文●小谷紘友

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