2013.09.10

攻守バランスの最適解を探す日本、主力不在のガーナ戦が試金石に

日本代表
6日に行われたグアテマラで先発した日本代表 [写真]=Getty Images

 ガーナ代表を率いるジェームズ・アッピア監督は、マイケル・エッシェンやケヴィン・プリンス・ボアテングといった名だたる選手達が外れたことを指摘されると、悪びれる様子もなく、平然と言い放った。

「連れてきた選手は、みんなトップのプロ選手なので、来年のワールドカップに必ず出る選手達。是非とも甘く見ないで頂きたい」

 実際には、エッシェンは6日にザンビア代表と対戦したワールドカップ予選の4日前に父親を亡くし、ボアテングは試合自体に出場していない。欠場しても致し方なしと思う一方で、ザンビア戦に出場していたアンドレ・アイェウやアサモアー・ギャンは来日していないことからも、メンバーを落としてきたことは否めない。

 ただ、主力メンバーの一部が外れたことで試合の趣旨が様変わりするかといえば、そうではない。アルベルト・ザッケローニ監督は言う。

「ガーナは、フレンドリーマッチをフレンドリーマッチと捉えない。メンタル面でのアプローチが得意で、フレンドリーマッチでもかなりいい成績を残している」

 ピッチに立つ選手も、指揮官の意見に同調する。内田篤人は、「代わりの選手たちは絶対アピールしたい気持ちがあると思うので、モチベーションはそんなに落ちていないと思う」と語り、若い選手が多いと問われた今野泰幸も「ガーナ代表ですからね。力はあると思いますよ」と気を引き締めた。

 前線の名の通った選手こそ来日を見送ったが、守備陣に目を移せばジョナサン・メンサーをはじめ、ザンビア戦に出場したメンバーが揃っている。「こういう素晴らしい相手に自分たちがどれだけ主導権を握って攻撃の時間を長くできるか。攻撃は最大の防御ではないけど、それをいかにできるか非常に楽しみ」と語った長谷部誠の言葉通り、能動的なプレーを打ち出すのならば、対戦相手に不足を感じることも少ないのではないか。

 大量失点を騒がれた日本代表だが、攻撃面を考えればコンフェデレーションズカップのイタリア代表戦では3点を奪い、先月のウルグアイ代表戦でも2ゴールを記録した。注目点は、攻撃力を維持したまま、いかに守備の意識を高められるかだろう。

 長谷部も、「カウンターで2列目、3列目から飛び出してくるスピードは間違いなく世界トップクラスだけど、それを怖がりすぎてラインを下げすぎると、自分たちのやろうとしていることとは違ってくる」と話しつつも、2日から続いた合宿で指揮官が意図してきたであろうことを説明した。

「攻撃の部分に頭がいくということがあると思うが、攻撃でいい形が沢山作れていることは間違いないので、それは続けていいと思う。それと同じくらいチームとして守るという部分を前の選手に植え付けたいのかなということが、聞いていてある」

 その意味でも、9日間に及んだ合宿の成果を図る上で、ガーナ戦は絶好の試金石になる。岡崎慎司は負傷離脱したことで欠場するが、労を惜しまず守備にも駆けまわる岡崎の不在を感じさせないようならば、指揮官が幾度となく語っていた攻守におけるバランスの修正もひとまず目処が付いたと言えるだろう。

「少し異なるタイプの選手であるから、彼らにあったようなことを探していきたい。そういった意味では裏へのチョイスは減るがコンビネーションの精度は高まる」

 工藤壮人とともに、ザッケローニ監督から名前を挙げられて岡崎のポジションの入ることを示唆された清武弘嗣は言う。

「主力が何人か来てないですけど、そういうことは関係なしにすごく大事な試合だと思う。しっかりチームとしていい戦いができればいいと思いますし、最終的には勝って終わりたい」

 ガーナ戦は、国内で行われる今年最後の代表戦となる見通しである。選手間のサバイバルが、各々の守備意識として表出されるならば、攻守のバランスを修正する上でも打ってつけの一戦になるはずである。

文●小谷紘友

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