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大量失点続く日本代表、9月の連戦に臨む上での守備のポイントとは

代表選手への厚い信頼を明かしたザッケローニ監督 [写真]=Getty Images

 9月の2連戦、グアテマラ戦、ガーナ戦に臨むザックジャパン23名が発表された。ウルグアイ戦からは豊田陽平高橋秀人駒野友一が外れ、東アジアカップで活躍した大迫勇也齋藤学、コンフェデレーションズカップのメンバーから酒井宏樹が復帰した。

 やはり気になるのは、直近4試合で13失点を喫している守備へのテコ入れ策だろう。しかし、DFの顔ぶれに関しては森重真人が引き続き選ばれていること以外に目新しい点はない。ザッケローニ監督は「(失点を)一人の選手やディフェンスラインだけのせいにするのは簡単なこと。他のパートや他選手との絡みを考慮することが大切だと思っている。まずはディフェンスラインのところをよりまとまった状態にすることが大切で、中盤のライン、FWラインといかに連動できるかを注意していきたい」と会見でコメントしている。

 他のパートとの絡み。たとえばFWラインとの絡みが機能している時間帯には、日本の守備は素晴らしいパフォーマンスを発揮している。1トップとトップ下がサイドへボールを追い込み、サイドハーフが厳しいプレッシャーをかけ、余裕を奪ったところで全員がインターセプトをねらって球際へGO。コンフェデのブラジル戦ではコンディションの問題か、個の力を恐れてスペースを空けることを逡巡したのか、あまり積極的にプレスに行けずに相手に好き放題にやらせてしまった試合もあった。しかし、基本的にこのプレッシングがはまっているときの日本代表の守備力は高い。新戦力の大迫勇也齋藤学らをプレッシング戦術の中にフィットさせつつ、パフォーマンスを維持することができれば、後半に本田圭佑香川真司らが疲れてきた時間帯に自信を持って彼らをピッチに送り込むことができる。新戦力がザックジャパンのプレッシング戦術にどこまでフィットできるかは、注目ポイントだ。

 一方、中盤ラインとの絡みを考えたとき、気になるのはバイタルエリア(センターバックの手前のスペース)のカバーだ。ワールドクラスの強豪になればなるほど、バイタルエリアで自由にボールを持たせたときのリスクは看過できないものになる。直近の13失点を振り返ると、ブラジル戦のネイマールのボレーシュート、パウリーニョの反転シュートのように、このスペースを利用されてゴールを許したパターンが多い。遠藤保仁長谷部誠のダブルボランチがこのエリアの守備を良くできているとは言い難い状況だ。彼らの守備に変化が現れるか、それとも、より守備に長けた新戦力が台頭するのか。個人的には高橋秀人に期待していたので落選は驚いたが、それだけザッケローニ監督は山口螢を評価しているのだろう。おそらく、10月の欧州遠征からはより本番に近い緊張感を帯びた戦いになる。そう考えれば、新戦力のアピールタイムはグアテマラ、ガーナとの2連戦が最後になる可能性もある。

 そして、バイタルエリアだけでなく、ディフェンスラインの裏をロングボールで突いてくる攻撃にも注意が必要だ。特にウルグアイ戦はこのパターンで散々にやられた。もちろん、きちんと守れている時間のほうが遥かに長いのだが、サッカーは時間ではなく、スコアで勝負する競技だ。一瞬でも集中を欠いて失点すれば、それは良いDFとは言えない。この辺りのリスクマネージメント、特にキーワードになるのはカバーリングだろう。高いディフェンスラインを敷く以上、何回か裏を取られるのは仕方がない。それを気にしすぎると、今度はバイタルエリアに鋭く寄せられなくなる。ウルグアイ戦などを見ていると、裏に蹴られたときに周囲の足が一瞬止まっており、カバーリングに行くタイミングが決して早いとは言えない。もしも裏へ飛び出されたときに、鋭いカバーリングを効かせることができるか。この点を注視したい。

 さて。記者会見でザッケローニ監督が語った言葉、「ディフェンスラインのメンバーは心の底から信頼しているし、例えば世界中から好きなDFを取っていいよと言われても、そんなに大きくは変えたくないと思わせるほど、信頼しているメンバーばかりとなっている」。これには正直、嬉しくなった。変えるのも勇気なら、変えないのも勇気。改めて選手に対する信頼を明らかにしようとするリーダーの言葉に、胸を打たれた。

 もちろん、ザッケローニ監督がどんなにかばっても、最後の最後、個人のところでミスを犯し、決定的なピンチを招いて失点しているのは事実だ。指揮官に記者会見でここまで言わせたことを、選手たちがどのように受け止めるのか。見守りたい。

文/清水英斗

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