2013.08.14

日本代表を新たなステージに…新戦力台頭で本格化するチーム内競争

代表デビューした東アジアカップで得点王に輝いた柿谷曜一朗 [写真]=Getty Images

 ブラジル・ワールドカップに向けた本格的なサバイバルが、ついに始まる。

 ウルグアイ戦に向けた日本代表には、東アジアカップの優勝メンバーから10人が加わった。その内、森重真人、青山敏弘、山口螢、豊田陽平、工藤壮人、柿谷曜一朗の6人は東アジアカップで代表デビューを飾った。

 今回は中村憲剛や乾貴士、前田遼一らの常連組が外れたこともあり、代表メンバーの約4分の1が入れ替わることになった。新戦力の加入について、アルベルト・ザッケローニ監督はウルグアイ戦の前日会見で自身の考えを語った。

「これからワールドカップに向けて、フレンドリーマッチしか我々は戦えないわけだから、こういうニューフェイスがチームに入ってくるということに関しては、チーム全体として慣れていかないといけなのではないかと思う」

 日本代表は既にブラジル・ワールドカップの出場権を決め、アジア最終予選も全日程を終えているために、次の公式戦は来年のワールドカップ本番となる。他大陸と比べ、予選の消化が早いことや世界最速で出場権を手にしたこともあり、他国よりワールドカップを見据えたアプローチが可能となった。反面、他大陸の国々がワールドカップ予選の佳境を迎えている間、1年近く親善試合のみで強化を図ることは多少なりとも懸念材料になるのではないか。

 だからこそ、ウルグアイ戦では少なくない選手の入れ替えを行ったのだろう。メンバー発表会見でザッケローニ監督も言及していたポイントである。

「これまでチームを率いてきたが、いくつかの期間、ステージを設けてきた。その都度の目標を掲げてきたと言える。1つ目はワールドカップ予選を突破するため、戦うということが一番最初の目標だった。その目標を達成したグループでコンフェデレーションズカップまで戦い抜こうと決めていた。ここまでは当然結果を求められる戦いがずっと続いてきたが、ここからワールドカップ本大会までの1年間はやはりそこに向けていかに準備ができるかということがかかってくると思うので、また新しいステージに入る」

 メンバーが硬直化しているという指摘も少なくなかったが、ザッケローニ監督の言葉を聞くと、計画通りの感もある。失敗の許されないワールドカップ予選では、固定したグループで勝ち抜くことで出場権獲得とともに成熟度の深化を図った。公式戦のない残り1年では、本番に向けたメンバー選考を激化させることで、チーム内の競争力を保とうとしているのではないか。

 ザッケローニ体制でチーム得点王の岡崎慎司も、「競争意識が出てくれば、日本自体が上にいけると思うので楽しいし、嬉しい」と語り、長友佑都も新戦力の加入を歓迎した。

「モチベーションも高いのは彼らを見ていて分かりますし、また代表にいい意味新しい風が吹くかなと。だから僕らもずっといる代表メンバーもうかうかしてられないし、常に危機感を持ってやっていかないと。すごいモチベーション高く、能力も高い選手が来ているんでね。すごいいいことだなと思います」

 主力選手が危機感を感じる一方、新戦力の側である選手のモチベーションはもちろん高い。東アジアカップで得点王になり、ウルグアイ戦でもメンバー入りを果たした柿谷曜一朗が語る。

「ワントップで出るチャンスがあれば、ホンマにチャンスというか、強いところには勝ちたいですし、出る人出ない人関係なく勝ちたいと思います。出た時には自分もしっかり活躍したいですし、チームコンセプトというのがあるので、徹底して代表の時は自分の頭に叩き込むというのがあると思うし、その上で勝ちたいですね」

 ザッケローニ監督はメンバーが固定化されているきらいがあるとされてきたが、実際にはこれまでも大津祐樹や宇佐美貴史、宮市亮らを招集してきた過去がある。ただ、彼らは負傷やチーム事情も重なったこともあり、代表の常連にはなることができなかった。監督は新戦力を継続的に招集してきた一方、シビアな一面も持ち合わせ、無条件で招集し続けることはしてこなかった。あくまでも、選手自らでチャンスを掴むことを望んだ。

 清武弘嗣はちょうど2年前、代表デビュー戦となった韓国との試合で途中出場して2アシストの活躍を見せた。自身でチャンスをものにしてきたからこそ、今や代表に欠かせない存在となった。

 その清武も、当然ながら競争意識は衰えていない。

「今回試合に出られるかわからないですけど、これから1試合1試合がすごく勝負だと思う」

 ザッケローニ監督はメンバー発表会見で、残り1年を切った本番に向けての目標を語った。

「ワールドカップで相手にできるだけ的を絞られないような、相手に読まれないような意外性のあるプレーをするチームというのを作っていきたい。今後もその目的のためにもしかしたら今後の招集メンバーをいじっていくかもしれないし、そのためにJリーグで活躍している選手であったり、いいパフォーマンスを見せている選手に対しては、代表でも試してみたいという思いがある」

 今後は、今回は招集が見送られた常連組も当然ながら選考に入ってくる。ワールドカップ開幕まで残り302日で迎えるウルグアイ戦。南米王者をホームに迎える一戦は、ワールドカップのメンバーへの生き残りをかけた本当の意味でのスタートになるはずである。

文●小谷紘友

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