2013.07.31

“ろう者サッカー女子日本代表”、3連覇中の王者アメリカに敗れてベスト4進出ならず

試合終了後の濱田梨栄選手 [写真]=中村和彦

 ブルガリアで開催中の第22回ソフィアデフリンピックで、30日、女子サッカー競技のグループリーグ最終戦が行われた。準決勝進出のためには勝つことが最低条件のろう者サッカー女子日本代表の対戦相手は、3大会連続金メダルの強豪国アメリカ。

 日本はアメリカの選手を警戒、これまでとは違った4-3-1-1-1とでも言うべきフォーメーションで試合に臨んだ。GKは出場停止明けの芹澤、DFは左から坂田、濱田、大島、原田。中盤はトリプルボランチとして中央に井部、左に首藤、右に御園の3人をおき、その前に中井。首藤と御園は両サイドバックとともにサイドの要注意人物をマークし、中井は相手のボランチにつきパスの出所を寸断する。トップ下の川畑は攻撃に専念。1トップに岩渕。

 開始早々にアメリカがシュートを放ち日本は終始閉めこまれる展開となるが、策が功を奏しボランチからサイドに素早く展開といったアメリカの得意の形は作らせない。トリプルボランチがディフェンスラインをケアし決して中央でのスペースを与えず、前線の選手や2列目から飛び出してくる選手も自由にはさせない。しかし14分、CKからアメリカの長身DFにヘディングで叩き込まれ先制を許してしまう。22分にはFKからのこぼれ球をアメリカの22番が浮き球で狙いすまして流し込み2点目。流れのなかからの攻撃に対してはなんとか凌いでいた日本だったが、アメリカの個人技術の高さを見せつけられる。38分にはアメリカの10番が右サイドをえぐりクロス、ファーに走りこんだ22番が押し込み3点目。43分には濱田がアメリカの23番にうまく体を入れ替えられ4点目を許し、前半を終えた。

 後半2分にはアメリカの右サイドの10番から逆サイドの22番へ大きく展開され5点目。18分のCKでは日本の選手たちが給水し一瞬目を離している隙を見逃さず、ショートコーナーから6点目。その後もカウンターからゴールを決められ7対0。一方の日本には得点の気配はほとんど漂わない。しかし後半38分、左サイドバックにポジションを移していた濱田か自陣左サイドからのFKを前線の岩渕へ、岩渕はうまく体を入れ替え反転してミドルシュート、惜しくも枠を捉えることはできなかったば惜しい場面であった。試合はそのまま7対0で終了。グループリーグの3試合を終えて1勝2敗、4チーム中3位となり準決勝進出はならなかった。

 大量失点の原因は、圧倒的な個人技術の差、危機察知能力の欠如、集中力の欠如など様々。日本の選手たちは役割を全うしたが、逆にアメリカの底力を見せ付けられサッカーの様々な局面での応用力の違いが浮き出た試合となった。前回大会でロシアと敗れた時とは違い、なすすべもなく敗れたわけではない。課題ははっきりしている。収穫もいくつもあった。濱田は意地を見せたし、坂田も著しい成長を見せてくれた。まだ5位6位決定戦が残されている。相手は前回の銀メダルドイツ。4年後に向けてさらに成長するまたとない機会だ。

 キックオフは、8月1日日午前9時30分(現地時間)。

〇プロフィール
中村 和彦
1960年福岡県生まれ。早稲田大学文学部在学中より、助監督として映画の世界に入る。主な監督作に「棒 Bastoni」(2001年)、「日本代表激闘録AFCアジアカップ カタール2011」(2011年)をはじめとするサッカー関連DVDなど多数。知的障害者サッカー日本代表を追った長編ドキュメンタリー「プライド in ブルー」(2007年)で文化庁映画賞優秀賞受賞。ろう者サッカー女子日本代表を追った「アイ・コンタクト」(2010年)では、山路ふみ子映画福祉賞を受賞。著書に「アイ・コンタクト」(2012年岩波書店刊)がある。

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