2013.07.29

柿谷曜一朗の「決める力」…自身が分析する「ゴールへの最短距離」とは

柿谷曜一朗
東アジアカップ、出場2試合で3ゴールを決め得点王となった柿谷 [写真]=Getty Images

 大会初制覇とともに“新戦力発掘”が最大のテーマとなった東アジアカップ。この大会において2試合3得点という結果を残し、最も大きな輝きを放ったのが、セレッソ大阪柿谷曜一朗だった。今シーズン、リーグ戦17試合で10得点を記録するなど、周囲から代表選出を期待されてきたストライカーが、初招集でしっかりと結果を出し、アルベルト・ザッケローニ監督に強烈な印象を残すことに成功した。

 柿谷は中国との初戦で日本代表デビュー戦ゴールを決めると、韓国との第3戦ではシュート2本で2ゴールをマークする決定力の高さを披露した。以前から「決定力不足」や「勝負弱さ」が指摘されてきた日本サッカー界において、少ないチャンスをしっかりと決め切る彼は極めて稀有な存在と言える。では、その決定力はどこから来るのだろうか。

「(一番は)ゴール前の駆け引き、ペナルティーエリア内での勝負ですね。トラップももちろんですけど、シュートを打つタイミング、ボールをもらうタイミング……。FWなのでそこで勝負しています。(トラップに関しては)もう僕自身が、そこで売っている感じですよね」

 発売中の『サムライサッカーキング8月号』掲載のインタビューで、柿谷は一番のストロングポイントに関してこう自己分析している。

 事実、Jリーグでも日本代表でも、柿谷はゴールへの最短距離で勝負しているように見える。最大の武器は、本人が語っているとおり何よりも正確なトラップ。トップスピードに乗った状態でも次のプレーを想定したトラップをすることができるため、スムーズに、いい形でシュートを放つことができる。鋭い飛び出し、正確なトラップ、そしてシュートを打つまでの流れるような動きが彼の高い得点力を生み出しているのだ。

 韓国戦で決めた先制ゴールは、青山敏弘サンフレッチェ広島)からのロングボールに対して韓国の高い最終ラインを切り裂くようにフリーで飛び出し、最短距離でゴールに向かうべくヘディングでボールを前方へ運びながら、ゴールの位置、相手GKが飛び出すタイミング、そしてボールのバウンドを確認して冷静に右足で決めた。また、後半アディショナルタイムの決勝点はペナルティーエリア内で一定方向に流れてくる相手選手の動きを読み、シュートの瞬間には空いていなかったはずのコースへ、左足でダイレクトシュートを蹴り込んでいる。

 本人は同誌のインタビューで自らの課題について「ゴール前でもっとGKの位置を見て、落ち着いてシュートを打たなアカン。もっと集中して、もっと落ち着いてシュートを打てれば、倍くらいは入っていると思う」と話していたが、どちらのゴールも彼の良さが存分に出たプレーであり、さらに自身の課題をクリアした形でもあった。2点目のシーンに関しては「心臓、バクバクでした。頼む、入ってくれ!って感じで」とコメントしているが、勝負どころでシュートを叩き込むことができたのは決して偶然ではないだろう。

 所属のC大阪では日本代表と同じ4-2-3-1の1トップに入っているが、C大阪が同システムを採用し始めたのは6月末のヤマザキナビスコカップ準々決勝から。日本代表選出の前日、舞洲グラウンドで1トップでのプレーについて聞いた際、「どこまで(自陣に)戻ってボールを受けるのかとか、細かな判断はまだこれから。やりながらですね」と話していた。

 彼の頭は、すでにC大阪でのプレーに切り替えられている。韓国戦直後にも「落としのところでミスも多かったし、この出来じゃまだまだ。Jリーグでそのミスをもっと減らして、もしまた呼ばれた時にはもっと成長した自分を見せられたらと思う」と話しているとおり、Jリーグで結果を残すことが日本代表への近道になることも理解している。

 一人の選手としても、1トップとしても、柿谷はさらに大きく伸びていくことだろう。ヨーロッパからの獲得オファーを断って残留したC大阪でのタイトル獲得に懸ける思いも強い。「タイトルをトルためには一戦一戦が落とせない。自分が決めてやるという気持ちを強く持っていきたい」とも口にする。

 ヒーローになった韓国戦から中2日、柿谷はセレッソ大阪の8番を背負って、再びJリーグの舞台に立つ。会場は東北電力ビッグスワンスタジアム、アルビレックス新潟が相手だ。桜の8番がJリーグで遂げる進化を、見逃す手はない。

文=青山知雄(Jリーグサッカーキング編集長)

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