2013.07.29

“ろう者サッカー女子日本代表”…ギリシャに大勝

PKを蹴るGKの佐藤愛香選手 [写真]=中村和彦

 ブルガリアで開催中の第22回ソフィアデフリンピックで、28日、ろう者サッカー女子日本代表がギリシャ代表と対戦した。勝ち点3は獲得するのはもちろんのこと、グループリーグ突破に望みをつなぐために大量得点が求められる試合となった。

 中1日のハードなスケジュールということもあり第1戦とは5人のメンバーが入れ替えられた。GKは出場停止の芹澤に代わり佐藤。ディフェンスラインに、左から坂田、濱田、大島、大谷。中盤はボランチに井部、右サイドハーフに御園、左に星野、トップ下に寺井。2トップに岩渕と宮田。星野はデフリンピック初出場となった。

 キックオフから日本がギリシャ陣内に攻め込み、ほぼ90分間日本が攻め続ける。ギリシャは1年前に結成たされたばかりのチームであり、はっきり言ってしまえば、これほどレベルの低いチームが国際大会に出場していいのかとさえ思うほどのチーム力しかない。ディフェンスラインは常にペナルティエリア付近に設定され、カウンターでボランチがハーフウェイライン付近まで押し上げても決してラインをあげることはなく防波堤のように待ち構える。思うようなメンバーが集まらないなかでの、監督の「苦肉の策」であろう。しかし日本はその策にはまったのか、攻撃の形をなかなか作れないなか、前半19分、宮田のパスを受けた御園がゴールに流し込み日本が先制点をあげた。日本はその後もシュートを放ち続けるが精度を欠き追加点が奪えない。39分宮田に代え酒井が投入され、3分後の42分、御園の右サイドからのクロスに酒井が合わせ追加点をあげ、前半終了間際には岩渕からのパスを受けた井部がゴールを決め3-0で前半を折り返した。ハーフタイムには「もっとサイドを使え」という指示がだされ、後半、日本は得点を積み上げていく。9分には、左サイドからファーを狙い済ました酒井のシュートが決まり4-0。11分にはCKから星野がシュート、ポストを叩いたこぼれ球を寺井が押し込み5点目。18分には井部。29分にはPKをGKの佐藤が蹴りこみ7点目。その後も濱田、大島、酒井のゴールが決まり、10対0と日本が大勝した。しかし内容は決して良くなかった。状況とは関係なく自分のやりたいプレーに終始する選手も少なくなかった。ゴールから逆算するプレーをもっと工夫すればもっと点は取れたはずだ。

 自力でグループリーグで2位以上に入り準決勝に進出するためには、アメリカに3点差以上の勝利が必要である。あるいはアメリカに1点差ないしは2点差で勝利したうえでポーランドとの得失点差の勝負となる。数字上は引き分けでも可能性が残されているが、ポーランドがギリシャ相手に勝ち点を取りこぼす可能性は低く現実的ではない。

 アメリカは3大会連続金メダルの強豪国である。先を見据えてメンバーを入れ替えてくることも考えられるが、勝利するのは容易ではない。準決勝進出のためには、日本の選手たち全員が120%の力を発揮し、一つのミスもしないことが絶対条件となる。

 グループリーグ最終戦アメリカ戦のキックオフは、30 日午前9時30分(現地時間)。

〇プロフィール
中村 和彦
1960年福岡県生まれ。早稲田大学文学部在学中より、助監督として映画の世界に入る。主な監督作に「棒 Bastoni」(2001年)、「日本代表激闘録AFCアジアカップ カタール2011」(2011年)をはじめとするサッカー関連DVDなど多数。知的障害者サッカー日本代表を追った長編ドキュメンタリー「プライド in ブルー」(2007年)で文化庁映画賞優秀賞受賞。ろう者サッカー女子日本代表を追った「アイ・コンタクト」(2010年)では、山路ふみ子映画福祉賞を受賞。著書に「アイ・コンタクト」(2012年岩波書店刊)がある。

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