2013.07.28

ろう者サッカー日本男子代表、ナイジェリアと引き分ける

ろう者サッカー日本男子代表、ナイジェリアと引き分ける [写真]=中村和彦

 第22回ソフィアデフリンピックのサッカー競技は、27日、グループリーグ第2戦が行われ、ろう者サッカー男子日本代表がナイジェリア代表と対戦した。

 サッカー競技男子は、グループリーグの3戦および準々決勝までが中1日で行われる強行日程である。いかに準々決勝にベストコンディディションで臨めるかがメダル獲得への重要な鍵となる。そのことや負傷などを考慮して、第1戦とはスターティングメンバーが9人入れ替えられた。GKは菱岡。ディフェンスラインは、左から毛塚、細見、西浦、村上。ボランチに伊東と中島。2列目左には負傷のため第1戦では大事をとった古島が満を持しての登場、右には白井、トップ下に吉野、1トップには第1戦に続いて綿貫。ゲームキャプテンは第1戦にも先発した細見に託された。

 試合前にはナイジェリアのスピードに注意することが再確認され、ホイッスルとともに主審のフラッグが振り下ろされた。最初のシュートは日本、古島、中島、吉野とテンポよくボールがつながり古島がボレーシュートを放つ。一方のナイジェリアは裏のスペースにボールを放り込み、FWや両サイドの選手が走力をいかして走り込んでくる。日本はディフェンスラインを高くし全体をコンパクトに保つことを意識しゴールを許さない。しかし前半26分、裏に抜けたナイジェリアの選手に対応するためGK菱岡が果敢に飛び出すも無人のゴールにシュートを打たれる。しかし右サイドバックの村上が体を張って止め難を逃れる。最終ラインからはゲームキャプテン細見がマークの甘さなどを指示、選手が自分を見て理解してくれるまで叫び続ける。ろう者サッカーは、声では指示が通らないのだから。そして前半39分、右サイドのコーナフラッグ付近で日本はFKのチャンスを得る。キッカーは古島、ニアに飛び込んだ綿貫が頭でそらしゴールネットをゆらし、日本が先制点をもぎ取った。42分には古島、綿貫、吉野と1タッチでパスがつながり吉野がシュート。惜しくもポストを叩きゴールにはならなかったものの、1対0で前半を終えた。

 後半に入り細見が抜群のラインコントロールと読みを見せ、得点を許さない。そして後半14分、右サイドのスローインからのボールを受けた細見が前線の吉野へ正確なフィード、パスを受けた古島の狙いすましたシュートが決まり日本がナイジェリアを突き放す。しかし27分、ナイジェリアのアクロバティックなボレーシュートが決まり1点差に詰め寄られる。そのわずか2分後にも、右サイドからのグラウンダーのアーリークロスを押し込まれ同点に追いつかれてしまう。36分には綿貫に代え俊足の河野が投入され、勝ち越し点を奪いにいく。その後、日本は応援に駆けつけたご家族や友人たちの思いを背にチャンスを作り出し、GK菱岡もビッグセーブをみせるものの2-2で試合終了。日本は引き分けに持ち込まれ、無念の試合となった。前々回のメルボルン大会以来3大会連続出場の細見にとっては90分での初勝利がするりと手の平からこぼれ落ち、失点の場面を振り返る表情は苦悶に満ちていた。

 ろう者サッカー日本代表は2試合を終えて、グループリーグの4位。ベスト8進出のためには3点差以上の勝利が絶対条件となる。第3戦の相手はアイルランド。キックオフは、29日17時30分(現地時間)。

〇プロフィール
中村 和彦
1960年福岡県生まれ。早稲田大学文学部在学中より、助監督として映画の世界に入る。主な監督作に「棒 Bastoni」(2001年)、「日本代表激闘録AFCアジアカップ カタール2011」(2011年)をはじめとするサッカー関連DVDなど多数。知的障害者サッカー日本代表を追った長編ドキュメンタリー「プライド in ブルー」(2007年)で文化庁映画賞優秀賞受賞。ろう者サッカー女子日本代表を追った「アイ・コンタクト」(2010年)では、山路ふみ子映画福祉賞を受賞。著書に「アイ・コンタクト」(2012年岩波書店刊)がある。

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