2013.07.27

“ろう者サッカー女子日本代表”男子に続き開幕…4年前からは飛躍的な成長を遂げたが

ポーランド戦試合前の“ろう者サッカー女子日本代表” [写真]=中村和彦

 ブルガリアで開催中の第22回ソフィアデフリンピックで、26日、男子サッカーに引き続き女子サッカーのグループリーグも始まり、ろう者サッカー女子日本代表がポーランド代表と対戦した。

 前回大会で初出場を果たした、ろう者サッカー女子日本代表チームが4年間の成長の証しを見せる重要な初戦。いい意味での緊張感と集中力に包まれた雰囲気のなか、午前9時30分に主審の旗が振り下ろされた。日本は、GK芹澤。ディフェンスラインに、左から濱田、首藤、大島、大谷。中盤はボランチに井部、右サイドハーフに仲宗根、左に寺井、トップ下に川畑のダイヤモンド型。FWはキャプテンの中井と岩渕という4-4-2の布陣で初戦に臨んだ。大谷と岩渕の2人は今大会が初出場、初先発となった。

 日本は、国内合宿では課題であったセンターバックのチャレンジ&カバーや中盤の守備などもことごとく改善され、高い集中力で試合に入っていく。攻撃面では左サイドで濱田や岩渕がチャンスを作り出すものの、なかなかシュートまで持ち込むことが出来ない。一進一退の攻防が続くなか、21分のポーランドの強烈なシュートはGK芹澤の素晴らしい反応で難を逃れる。しかし2分後、ディフェンスラインのミスからポーランドがボールを奪いループシュートを放ち、ポーランドが先制。0-1となった。勢いに乗ったポーランドが次々に攻め込むが、日本は大島、首藤のセンターバック陣などを中心に踏みとどまる。28分、「右サイドを活性化させるため」に、仲宗根に代えて御園を投入、1枚目のカードを切る

 1点を追う展開となった後半8分、岩渕が足の甲を痛め酒井と交代。酒井はデフリンピックの初出場となった。12分には疲れのみえる寺井に代え、初出場の坂田が投入され左サイドバックに入り、濱田がセンタバックへ、首藤が左サイドハーフにまわった。前線で基点となっていた岩渕がいなくなったこともあり、その後、日本はなかなかチャンスを作り出すことができない。酒井も得意のドリブルで再三突破を図るものの、ポーランドの選手の長い足でカットされてしまう。そして迎えた後半21分、裏に抜けたポーランドのシュートを阻止しようと飛び出した芹澤が相手を倒してしまい退場。10人での戦いを余儀なくされた。3人の交代枠を使い切っていた日本は濱田がGKに入る。濱田は急造GKとは思えないような好守を見せたが、後半29分、ポーランドの右サイドからのロングシュートが濱田の頭上を越え2点のリードを許してしまう。37分には酒井が裏に抜け出すが、シュートを放つことができず、0対2で試合終了。日本は黒星スタートとなった。

 グループリーグ1番の実力を持つロシアに敗れた男子とは違い、最低でも勝ち点1が必要であった試合を落としてしまい、第2戦は内容よりも結果が、絶対的に勝利が必要な試合となった。準決勝進出に望みをつなぐためであることはもちろん、ろう者サッカー女子日本代表の運命をも左右する重要な試合となる。結果の出せないチームが次回大会に派遣されるという保障はどこにもないからだ。

 第2戦の相手はギリシャ。キックオフは、28日午前9時30分(現地時間)。

〇プロフィール
中村 和彦
1960年福岡県生まれ。早稲田大学文学部在学中より、助監督として映画の世界に入る。主な監督作に「棒 Bastoni」(2001年)、「日本代表激闘録AFCアジアカップ カタール2011」(2011年)をはじめとするサッカー関連DVDなど多数。知的障害者サッカー日本代表を追った長編ドキュメンタリー「プライド in ブルー」(2007年)で文化庁映画賞優秀賞受賞。ろう者サッカー女子日本代表を追った「アイ・コンタクト」(2010年)では、山路ふみ子映画福祉賞を受賞。著書に「アイ・コンタクト」(2012年岩波書店刊)がある。

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