2013.07.20

初陣に臨む韓国代表…SNS問題で覆われた重苦しい雰囲気を払拭できるか

韓国代表の復活は新監督ホン・ミョンボの手腕にかかっている[写真]=Getty Images

文/吉崎エイジーニョ

 悪い雰囲気を一新できるか。ブラジルW杯まで1年という時間の中、新監督の下でどんなスタートを切るのか。
 
 20日に開幕する東アジアカップに望む韓国代表には、こんなテーマが課されている。
 
 大会前の17日、新監督のホン・ミョンボは抱負をこう口にした。
「すべてをチェックしたい。戦術的な面、個人的な面を見る。どれほどの精度の戦術を構築してブラジルの本大会に臨めるのか。ある一面だけを見て決めるのではなく、深みのある判断をしたい」
 
 初陣からすべてを見る、という。つまり「時間がない」とも解釈できる。日本でもぼんやりと伝わっているだろう。「韓国は問題を抱えている」と。

 6月のW杯最終予選と前後して、幾多の問題が噴出した。前任のチェ・ガンヒの任期がW杯最終予選までだった点。その影響もあり、大不振に陥った。3位ウズベキスタンと得失点差わずか1での予選通過であり、予選最終戦の対戦国イランとの間にはトラブルも起きた。

 そんな中、新監督にホン・ミョンボが決定し、雰囲気が好転するかに見えたが……今度は主軸のキ・ソンヨン(セルティック)が大問題を起こした。これが新チームを取り囲む雰囲気にも影響を及ぼしている。「代表チームは団結していないのではないか」というイメージも持たれてしまった。今、代表チームの信頼が失墜しきっているという状態だ。
  
 キ・ソンヨン問題の顛末はこうだ。3日、前監督のチェ・ガンヒが「京郷新聞」とのインタビューに応じ、口火を切った。
 
「自分の任期期間中(2011年12月〜13年6月)、海外組の選手は食事の時間に固まるなどして派閥を作っていた。そんな姿を見て、こちらもモチベーションを失った」
 
 チェの言葉は、特に”SNS狂”と言われるほどフェイスブック、ツイッターでさかんに発言をしてきたキ・ソンヨンに向けられていた。キは6月に「リーダーには重みがなければならない」とツイッターで発言していた。それは明らかにチェを攻撃したものだった。
 
 これについてチェ・ガンヒは、「発言するなら堂々とすべき」と強く意見した。年長者からの指摘に対し、反発しては自らの株を下げてしまう。キ・ソンヨンは即刻、「フェイスブック、ツイッターのアカウント削除」を宣言した。
  
 ところが……後日、本人の「闇アカウント」が存在することが発覚。そこでもチェに対する悪口を書き込んでいたのだ。

 キのそこまでのイメージは崩壊した。イケメン(近頃女優と結婚)であり、若くして韓国代表の主軸であり、ロンドン五輪の英雄。出身地のPR広告に起用されるほどの潔白なイメージ。そのすべてが台無しになってしまった。
 
 さらにキへの風当たりが強くなったのが、大韓協会の下した処罰だった。「厳重注意」。なんでも「韓国代表に貢献してきたから、出場停止などの処分は下さない」のだそう。サッカーが上手けりゃなんでも許されるのか。厳しい雰囲気となった結果……ロンドンの恩師でもあるホンが、11日の今大会メンバー発表の際にこう口を開くことになった。

「まず、私の口から聞きたいことがあるでしょう? キ・ソンヨンのことです。こう言いたい。『サッカー選手なら、イエローカードの意味が分かるだろう』と」
 
 18日には、新キャプテンのハ・デソン(ソウル)が「まずひとつのチームになろう」といった主旨の発言をしたほどだ。
 
 そういった重たい雰囲気も払拭すべき今大会。ホン・ミョンボは国内組を15人、日本と中国でプレーする8人を招集した。「40人ほどを横一列に並べ、コンディションのいい選手を選んだ」という。7人が代表初招集となっている。
 
 各紙は早くも、20日の初陣、オーストラリア戦のスターティングラインナップを予想した。ヒントは19日のホン・ミョンボの発言だ。
 
「オーストラリア戦はKリーガーをベースにチームを組む。Jリーグ所属の選手は1〜2名のみ出場させる。直前までJリーグで試合をしていた状態だからだ」
 17日の練習では4-2-3-1の布陣を組み、以下のメンバーが主軸と見える構成でトレーニングが進行した。
 
 GK チョン・ソンリョン(スーウォン)
 DF キム・チャンス(柏)or イ・ヨン(ウルサン)、ホン・ジョンホ(チェジュ)、キム・ヨンクォン(広州)、キム・ミヌ(鳥栖)。
 MF イ・ミョンジュ(ポハン)、パク・ジョンウ(プサン)、コ・ムヨル(ポハン)or コ・ヨハン(ソウル)、ハ・デソン(ソウル)、ヨム・ギフン(警察庁)。
 FW キム・シヌク(ウルサン)or キム・ドンソプ(クァンジュ)。
 
「メンバー選出の基準はたった一つ、ワールドカップで活躍できるかだ」という。『朝鮮日報』は、「一度メンバーから外れるともう戻れないのではないか」と予測するサバイバルの始まりだ。

 ホンはボールを奪いに行く位置をチームで統制し、コンパクトなラインを保つ「韓国型サッカー」を確立したいという。日本との第3戦まで、どんなゲームを展開するだろうか。

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