2013.06.19

最大の正念場で母国イタリアとの対戦…ザックジャパンの命運は

ザッケローニ
試合前日、ザッケローニ監督は「普通の試合ではない」と前置きをしつつも、普段通り選手への信頼を口にした。 [写真]=Getty Images

 巡り合わせとは、奇妙なものである。

 母国との対戦を前にアルベルト・ザッケローニ監督は、「イタリアと重要な大会での対戦は想定していなかった」と語ったが、昨年12月の組み合わせ抽選会で対戦が決まった時とは、状況が大きく変わってきている。欧州遠征直後の当時は、敵地でフランスを下し、ブラジルとの対戦でも手応えを得た状態だった。ところが、現在はワールドカップの出場権こそ手に入れたが、煮え切らない戦いが続いて15日のコンフェデレーションズカップ開幕戦では、ブラジルに0-3と完膚なきままに叩きのめされた。

 イタリア戦に敗れれば、直前に行われるブラジルとメキシコの一戦の結果次第で、グループリーグ敗退が決定する。大きな期待とともに迎えた大会なだけに、敗れた際の反動が大きいことは想像がつく。2試合を終えた時点での敗退となれば、停滞感が漂っている戦いぶりからも解任論が噴出することは、避けられないだろう。要するに、母国との対戦が背水の陣となった形である。

 ただ、ザッケローニ監督自ら「普通の試合ではない」と語った一戦を控えても、前日会見では普段通り選手への信頼を口にした。

 母国メディアから日本での指導について問われた際、「『私が就任して良くなった』と言う人がいるが、必ずしもそうではなくて日本の選手が素晴らしいから。私がやったことは、選手の特徴を見出して最大限に引き出すことで、強いチームと戦えるようにした。私にとって日本の監督になることは、非常に見返りの大きいことだと思っている」と語った。

 監督はこれまでも、常に選手へ信頼を寄せ、惨敗を喫したブラジル戦直後にも「もっとできるチームであり、それがわかっているだけに悔しい」と、試合を振り返っている。メンバーの固定化が懸念される中でもチームをいじらなかった理由には、ワールドカップ予選でのリスク回避という面とともに、選手への信頼感という部分もあっただろう。

 もちろん、選手も監督の思いに応えたい気持ちは大きい。イタリアのインテルに所属する長友佑都は言う。

「やはり、監督を男にしたいという気持ちもあるし、3年間ぐらい一緒にやってきて、日本のこともすごい好きで、僕らのことも信頼してくれている。その監督に対して僕らはピッチで恩返しをしたい」

 2010年8月の就任以来、破竹の勢いで快進撃を続けてきた要因には、監督と選手の厚い信頼関係が間違いなくあった。ザッケローニ監督は母国との初対戦を控え、「日本に敬意を表する意味でも、イタリア国歌を歌うつもりはない」と言い切った。

 大げさではなく現体制で最大の正念場となった一戦を前にしても、監督の姿勢は変わらなかった。チームの命運は、信頼されてピッチに送り出される選手達にかかっている。

文●小谷紘友

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