2013.06.05

専門誌編集長が分析するオーストラリア戦「背番号4は日本代表に最も不可欠」

本田圭佑
PKを決めて駆け出す本田圭佑 [写真]=兼子愼一郎

 6月4日に行われたワールドカップ・アジア最終予選で日本代表はオーストラリア代表と1-1の引き分け。勝ち点1を積み上げて5大会連続となる5度目のワールドカップ出場を1試合残して決めた。辛くもブラジルへの切符を手にした日本代表をサッカー専門誌の編集長はどのように捉えているのか。日本サッカーに徹底フォーカスしたJリーグ専門誌『Jリーグサッカーキング』編集長の青山知雄、ニュースサイト『サッカーキング』のプロデューサー、岡田康宏に話を聞いた。

■最低目標をクリアし、「世界を驚かせる」と語る指揮官の決断に注目

 5大会連続のワールドカップ本大会出場をホームで決められるかどうか。このオーストラリア戦で第一に求められたものは結果だった。最低限クリアすべきハードルを考えれば、日本代表には及第点を与えるべきだろう。ホームの大観衆はもちろん後押しになるが、その一方で当然ながらプレッシャーにも変わる。本田圭佑がPKを蹴る際の心境を「結構、緊張した。皆さんがかなりプレッシャーを掛けてくれたんでね」と語っていたように、強心臓の大黒柱でさえ、難しい状況だったことが想像される。

 その本田はさすがの出来だった。キックオフ直後にオーストラリアが一気呵成に出てきたところで冷静にボールをキープして試合を落ち着かせ、一瞬にして流れを引き寄せた。AFCが発表した日本のポゼッション率は57.3%。前線から中盤でポイントを作ることができたのは間違いなく彼の存在が大きい。本田を欠いたブルガリア戦で決定機を作りきれなかった攻撃陣だが、前半は合流したばかりの彼を中心にゴール前で迫力を見せた。遠藤保仁が「チームとしてもっと攻撃を熟成していきたい。(フランス、ブラジルと対戦した)欧州遠征でもそうだったけど、パスを回した後、フィニッシュに持ち込むまでの形をレベルアップしたい」と話していたが、今日のサッカーを見る限り、やはり背番号4は日本代表に最も不可欠な存在のように思う。

 ただし、世界と対戦する上での課題は記しておきたい。79分、前田遼一に代えてパワープレー対策としてセンターバックの栗原勇蔵を投入。記者席からは今野泰幸を左サイドバックに移し、長友佑都を左MFに上げたように見えたが、試合後に内田篤人は「4バック」、長友は「3バック」と語っている。直後の失点はクロスボールが流れるアンラッキーな部分もあったものの、その裏で最終ラインで若干の混乱が見受けられた。先制を許したことでハーフナー・マイクを投入して再びポジションを変更したが、アルベルト・ザッケローニ監督が戦前に「わずかな部分が勝敗を分けるかもしれない」と語っていただけに、一歩間違えば致命傷となっていた可能性もある。指揮官には刻々と移り変わる試合展開を冷静に分析し、すぐさま的確な手を打つことが求められる。試合前の準備とともに、試合中の対応も重要。終盤の失点からマイクを投入するまで5分を要したが、試合最終盤ではスコアが動いた瞬間に判断するだけの準備も必要だ。

 また、メンバーの固定化も気がかりだ。こちらも今後は様々な議論が沸き起こってくるだろう。3-4-3へのこだわりも気になるところだ。ザッケローニ監督は試合後の会見で「これからは世界を驚かせる仕事をする」と語った。就任時に掲げた最低限の目標をクリアし、ブラジル行きの扉を開いたことで、果たして指揮官はどんな決断を下していくのか。しばらくはその動向を楽しみに見ていきたいと思う。

Jリーグサッカーキング編集長 青山知雄

■予選突破を決めたことで、チームが劇的に変わる可能性が

 オーストラリア戦の結果を10点満点で評価するなら10点です。なぜなら、この試合はW杯本大会の出場権を獲得できるかどうかが全てと言って良い試合だったからです。最近のザックジャパンは、メンバーを固定化したことでチームとしての活力を失い、なかなか勝ち切れない、良くない流れの中にいましたが、監督の立場からすれば、一刻も早く予選突破を決めて本大会出場を確定させたい、そのためには計算できるメンバー優先で、と考えるのも無理はありません。

 これでW杯本大会の出場権は獲得したので、明日からはもう来年、ブラジルでの本大会に向けた準備に入れます。そうするとチームをいじったり、新戦力を試す機会も増えてくることでしょう。試合後のインタビューで本田は、あまり期待していないかもしれませんが、コンフェデも優勝するつもりで行きます、と語っていました。僕はそれは本心だと思います。日本の場合、予選と本大会では対戦相手との力関係があまりに違うため、それぞれ全く違った戦い方が求められます。そして予選の重苦しい戦いはもう終わりました。これを機にチームが劇的に活力を取り戻す可能性は充分にあると思っています。

サッカーキング 岡田康宏

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