2013.05.16

フットサル日本女子代表が国内で初強化試合…アジアインドアゲームズに向けて順調な仕上がり/フットサル日本女子代表

中島詩織
キャプテン、エースとして奮起した中島詩織 [写真]=本田好伸

 15日、フットサル日本女子代表の強化試合が国立代々木競技場第一体育館で行われた。フットサルの女子代表が国内で公式に強化試合を行うのは初めてのこと。男子のアルゼンチン代表との親善試合の前座に組まれ、Fリーグの女子下部組織から選出された混成チームSelecao “F”Feminina(Fリーグ女子選抜)と対戦した。

 フットサル日本女子代表が組織されたのは2007年。初結成して臨んだ第2回アジアインドアゲームズで見事優勝を果たした。その後09年の同大会でも連覇を達成し、以降は年に一度、国際大会に出場し経験を積んできた。しかしサッカーやフットサルの男子代表とは比較にならないほど少ない活動回数で、継続しての強化とは言い難い環境だった。結成から6年、ようやく実現した国内での強化試合は、試合に臨む選手にとっても未知の経験。「思った以上に(多くの1005人の)観客の方に来ていただき、緊張もあった。点を取らなきゃいけないという気持ちと、女子フットサルを知ってもらいたい、自分たちもこんなにできるんだということを見てもらいたいという気持ちが強過ぎた」(中島詩織)と、試合への意気込みが裏目に出でしまい、立ち上がりからプレーには堅さが見られた。

 ミスの目立つ女子代表の隙を突きチャンスを作ったのはFリーグ女子選抜。再三に渡ってゴール前にボールを運ぶと、8分に和泉沙季が先制点を挙げる。女子代表は早いタイミングで選手を入れ替え流れを呼び込もうとするが、なかなか好転しないまま試合は後半へと突入した。

 女子代表にゴールが生まれたのは22分。スペインでプレーするキャプテンの中島がキックインから中央でパスを受けると、豪快なシュートでネットに突き刺した。「ハーフタイム中に在原監督から『1点入れば流れが変わるから、まずは1点いこう』という話があった」(中島)と、これでリズムをつかんだ女子代表は徐々にらしさを取り戻しチャンスを生み出す。30分には右サイドの吉林千景が中央へと切り込み逆転弾。さらに36分、弱冠14歳の北川夏奈がゴール前での反転シュートからネットを揺らした。

 ちなみに2012年にJFAエリートプログラム女子U-14にも招集された北川は、女子サッカーの将来を担う逸材。在原監督も「(所属チームの丸岡RUCK Ladiesで)バーモントカップ(全日本少年フットサル大会)に出場し、こうやってフル代表まで上がって活躍できているのは、日本の未来の一つ(の姿)かなと思いますし、サッカーとフットサルの両方を続けてほしいと思う」と期待を寄せている存在だ。

 試合は、Fリーグ女子選抜の最後の猛攻を凌ぎ切った女子代表が3-1で勝利。6月26日から韓国で行われる第5回アジアインドア・マーシャルアーツゲームズ(第4回は大会中止)での3連覇達成に向けて、記念すべき強化試合で順調な仕上がりをアピールした。

 かつてのなでしこジャパンがそうだったように、女子フットサルもこれから発展していくカテゴリー。07年から招集され続けているメンバーは中島とGKの本多さかえの2人だけであり、現在は新世代の選手を中心に組織されているが、代表活動はおろか、代表自体が続くのかも分からないという不遇の時代を過ごしてきた。そして迎えた国内で初の強化試合(非公式には過去に数回、壮行試合、お披露目試合が行われている)は、「夢なんじゃないかと思うぐらい、本当にうれしかった」(中島)という大きな出来事だった。アジアインドアゲームズで連覇を達成した時でさえも大きく扱われることはなかっただけに、多くの観客が訪れたこの試合は「女子フットサルも盛り上がっているんだというメッセージになったと思う」(在原正明監督)と、今後の革新が期待される。

「この試合が実現したのは私たちの力だけではなく、歴代の選手たちがアジアインドアゲームズで連覇したり、一歩ずつ積み重ねてきた結果のものです。選ばれていない選手ももちろんいるんですけど……」。取材中、中島の言葉が詰まり、感極まって涙を見せる一幕があった。「……すみません。(歴代の代表選手、選ばれていない選手が)どれだけがんばってきたかは自分も見てきたし知っているので、それで今日、自分たちがこうやって戦えたことに感謝の気持ちでいっぱいです」。24歳にしてすでに10年以上フットサルを続けている中島だからこそ、背負っている思いも大きい。大きな一歩を踏み出したフットサル女子代表は、この先、さらに歩みを続けていく。

文=本田好伸

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