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20年前と隔世の感…充実の選手層で大一番への弾みを/カナダ戦

カナダ戦に向けてのトレーニングに励む日本代表 [写真]=Getty Images

 まさに、隔世の感という言葉がピッタリ当てはまる状況である。20年前、奇しくも同じカタールのドーハでワールドカップの最終予選を戦っていた日本代表は、左サイドバックの都並敏史の負傷離脱を埋めるべく四苦八苦していた。

 翻って、現在である。今回も同様に左サイドバックを負傷で欠くことになるが、インテルに所属する長友佑都の穴を埋めるべく、シュトゥットガルトに在籍する酒井高徳と磐田に所属する駒野友一がポジションを争っている。トップ下でもCSKAモスクワに所属する本田圭佑がけがの影響で招集外となったが、代わりにポジションに入るのは、マンチェスター・Uの香川真司か川崎の中村憲剛が濃厚となっている。選手の所属先が世界中に広がる一方、国内に在籍する選手達も負けずに存在感を発揮している。大黒柱の負傷欠場が選手層の厚さとともに、改めて日本サッカーの発展ぶりを印象付ける結果となった。

 日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督は、22日に行われるカナダ代表との親善試合について、「ヨルダン戦への準備や対策というよりも、選手のコンディションを高い精度で把握したいと考えている。ヨルダン戦でコンディションのいい選手をピッチに送りたい」と語っている。勝利すればワールドカップの本大会出場が決まるアジア最終予選のヨルダン戦への、最終チューニングとも言えるだろう。

 大一番を控えてのカナダ戦では、欠場者の穴を誰が埋めるかに注目が集まっているが、ザッケローニ監督は特に問題視しているように見えない。本田と長友という大黒柱の欠場は、当然ながら大きな打撃となる。しかし、体調不良でカナダ戦の欠場が決定した今野泰幸を含め、各選手の不在は既に経験済みである。

 ザッケローニ監督は招集メンバーについては、「これまでも呼んでいて、代表チームの戦い方にも慣れている選手たち。ピッチの上での役割をしっかり把握しているメンバーを招集した」と信頼を語るとともに、選手の起用法について、「コンディションを見極めながら決めていきたい」と繰り返した。欠場選手のことは割り切り、新たなテストをすることもなく、純粋に試合での選手の調子からヨルダン戦に送り込むメンバーを決める腹づもりだろう。

 直前合宿地のカタールからヨルダンへの移動も残すため、カナダ戦では大きな負担をかけないことも求められ、試合での負傷も避けたい。ただ、留意すべきことを挙げ続け、がんじがらめになってしまっては、本末転倒である。

 ザッケローニ監督は、「個人的には常にポジティブ思考だが、チームの中の雰囲気を見てメンバーの構成、また選手が作ってくれた代表チームの雰囲気を考えると今回もやってくれるのではないかと思っている」と語った。多くの積み重ねがあり、大きな発展を遂げた日本サッカーである。普段通りのプレーを行えば、大一番への弾みも自ずとついてくるのではないか。

文=小谷紘友 写真=Getty Images

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