2012.11.15

“積み重ね”に見る日本代表、敵地での劇的勝利の要因は/オマーン戦

負傷から復帰した岡崎は、試合終了間際に決勝点を挙げた

 遡ること9日前にアルベルト・ザッケローニ監督が語っていた言葉が、結果的に当たる形となった。

 日本代表は14日に行われたアジア最終予選で、オマーンを敵地で2-1と下した。4勝1分けで勝ち点を13まで伸ばしたことで、来年3月に行われるアウェーでのヨルダン戦に勝利すれば、5大会連続5回目のワールドカップ本大会出場が決まる。

 香川真司や内田篤人といった主力選手が負傷で選外になったことや35度を超える気候という条件に加え、先制しながらも追いつかれた苦しい試合展開などから、ザッケローニ監督自身も「いつものオフ・ザ・ボールで仕掛けるような日本の良さが出しづらかった」と、苦戦を素直に認めた。それでも主将の長谷部誠が試合後、「気候とかそういうところで厳しかった部分は確かにあったが、そういう苦しい中で勝てたことは一番大きい」と語ったように、本大会出場が大きく近づくとともに、3次予選からホームで無敗を誇っていた難敵を過酷な条件下で破ったことは非常に価値のあるものだった。

 一方で、厳しい条件とともに89分に生まれた決勝点など、勝利を一層ドラマティックなものに掻き立てる要素が揃ったため、苦戦を跳ね返せた勝因も覆い隠されてしまった感は否めない。

 ただ、ザッケローニ監督が「今まで積み重ねてきたことを復習して臨むぐらいの時間しかないかなと思っている」と、5日に行われたメンバー発表の際に語っていた言葉を思い返せば、勝利の一因を浮き上がらせることはできるのではないか。実際に決勝点は、「今まで積み重ねてきたこと」を象徴するようなゴールでもあった。

 岡崎慎司がゴール前に飛び込んで挙げた決勝点は、途中出場していた酒井高徳の左サイドでの仕掛けから遠藤保仁が繋いだことで生まれた。多くの選手が絡んだ一連の流れを見ても素晴らしいゴールであったが、酒井高徳がクロスを上げた際に、ペナルティエリア内に遠藤と岡崎を含めて4人が入り込んでいたところを注目したい。

 チャンスの際にペナルティエリア内に多くの選手が走り込んでいる光景は、歴代代表チームと比較してもザッケローニ監督就任後は、飛躍的に増えている。10月に行われて1-0で勝利したフランス戦でも、決勝点はカウンターから一気に日本選手が相手ペナルティエリアに雪崩れ込んで奪った。時間帯も今回は89分、フランス戦でも88分と試合終盤の最も苦しい中でのゴールだった。

 今回のオマーン戦で言えば、何よりも追いついたことで勢いが増している相手が、早めのロングボールやミドルシュートで攻めを急いでいたことを目の当たりにしたことで、試合終盤まで実直にゴール前に走り込む動きを繰り返すことは一朝一夕では身につかず、それこそ「積み重ね」による賜物だとは容易に想像がつく。

 メンバー全員が揃って練習したのは前日練習のみと連携面でも不安があったオマーン戦は、ワールドカップ予選は厳しい戦いだと、周囲に再び喚起したと言える。そして同時に、地力や拠り所も鮮明に浮かび上がったことで、現在のチームの頼もしさを改めて確認できた一戦だったのではないか。

文=小谷紘友 写真=Getty Images

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