2012.08.07

若き日本代表は“聖地”で日本サッカー史に新たな金字塔を打ち建てられるか/メキシコ戦

大会前の親善試合では、日本が2-1でメキシコから勝利を収めている

 “サッカーの聖地”と称されるウェンブリー・スタジアムで、タイトルを懸けてプレーできることは、極めて特権的なことである。1966年のワールドカップや1996年のユーロ、あるいは1948年のオリンピックなど、各国代表チームとっては限られた大会でなければその幸運にはありつけない。

 若き日本代表は、誰もが憧れる舞台で、メキシコと初の決勝進出を懸けて争うことになる。

 準々決勝でエジプト相手に3-0と快勝を収めた日本だが、不安材料は少なくない。エジプト戦で先制点を決めた永井謙佑は、得点したプレーの流れの中で相手選手と接触し、負傷交代。後半には東慶悟も足の負傷から交代を余儀なくされている。両選手は今大会で世界から注目を集めるとともに、日本の躍進を生んでいる前線からのハイプレッシャーの急先鋒に立ち、カウンターサッカーの大きな鍵となっている。彼らが負傷欠場となれば、攻守両面においての影響は避けられない。

 もっとも、欠場を強いられた場合でも、日本の戦い方に変化はないだろう。メキシコには大会直前の親善試合で2-1と競り勝っているが、終始押し込まれる展開だった。日本も対戦時とは比較にならないほどの自信をつけているが、ここまで4試合で無失点と、大会通じてチームに安定をもたらしている守備を中心とした戦いがベースになることは間違いない。

 その上でキーポイントとなるのが、パスを回してくる相手に日本がどれだけ運動量で上回れるかになる。今大会3ゴールを挙げているジョバニ・ドス・サントスら前線にタレントを揃えるメキシコに対しては、後方で構えて守るよりも、スペイン戦やエジプト戦の立ち上がりに見せたような前線から高い圧力をかけてボールを奪いにいくほうが、相手のリズムも崩れやすいはずだ。

 ただ、メキシコには準々決勝で延長戦までもつれる熱戦を演じた一方で、同じロンドンで戦う利点もある。日本が準々決勝後にマンチェスターから移動してきたことを考慮すると、疲労回復に関するアドバンテージは見込めない。運動量が低下して劣勢に立たされる時間帯も予想される中、ここまで相手国の脅威となってきたカウンターを永井らが欠場した場合でも成立させられるかが、勝敗の大きな分かれ目となる。

 似通ったプレースタイルを持っていながら、親善試合で押し込まれたことを考えると、純粋な実力ではメキシコのほうが一枚上手だろう。それでも、両者に横たわる差は僅かなもので、スペイン戦をはじめ、戦い方次第で実力と結果を逆転できることは、日本がプレーで実証してきた。

 聖地と言われるウェンブリー・スタジアムで、オリンピックのメダルを懸けた試合を行えることは、世界中のサッカー選手が羨む状況である。大舞台でプレーする幸せ。歴史に挑める喜び。全ては自力でつかみ取った権利である。相手にも、舞台にも不足はない。

 世界を驚かせ続けたチームが、日本サッカー史に新たな金字塔を打ち立てるには、あと1勝をつかむだけである。

文=小谷絋友(サッカーキング編集部)

 

[写真]=Akio Hayakawa/ Photoraid.uk

 

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