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44年ぶりの4強入りへ、千載一遇のチャンスをものにできるか/エジプト戦

44年ぶりの4強入りを目指す日本

 44年の長きに渡って閉ざされてきた扉をこじ開ける準備は整った。シドニー・オリンピック以来、3大会ぶりとなる決勝トーナメント進出を決めたことで、準々決勝でエジプト相手に勝利を収めれば、実に1968年のメキシコ・オリンピック以来のベスト4入りが決定する。

 状況は、まさに千載一遇という言葉が適している。既に決勝トーナメント進出を決めていたことで、グループ最終戦のホンジュラス戦では過去2試合で先発出場していたメンバーに休息を与えられたとともに、グループDを1位突破したことで優勝候補筆頭のブラジルとの対戦を回避できた。

 メキシコ大会以来の決勝トーナメント進出だったシドニー大会では、突破が決まっていなかったことでグループ第3戦のブラジル戦にも主力メンバーを先発させる必要があり、結果としても2位通過だった。単純に日本の状況だけで比較すれば、44年間で最もベスト4に近い状態となっている。

 また、ホンジュラス戦で宇佐美貴史らこれまでに出番のなかった選手達に出場機会を与えられたことは非常に大きい。久しぶりで試合勘が鈍っていたこともあってか、過去2試合で先発出場した選手を脅かすようなパフォーマンスを披露できたとは言えないものの、決勝トーナメントを先発メンバーだけで戦うことは、当然ながら現実的ではない。一発勝負になる以上、得点が必要になる状況に直面した際の交代カードの重要性は言うまでもなく高くなる。GK安藤駿介以外の全選手がピッチに立ったことで、各選手が緊迫した局面での大会初出場という事態がなくなったことは、選手はもちろん采配を振るう関塚隆監督にとっても重要なことだった。

 ただ、対するエジプトが相当に手強いことも確かである。2011年の8月に行われたホームでの戦いでは2-1で勝利しているが、5月のトゥーロン国際大会では宇佐美の2ゴールで食い下がったものの、2-3で敗れた。日本がここまで一戦一戦自信をふくらませて成長してきたことを思えば、過去の対戦成績は大した参考にはならないだろう。ただ、今大会で対戦国の大きな脅威になっている永井謙佑のスピードを、エジプトは2011年の段階で既に体感していることも忘れてはならない。想像以上の速さに驚くことはないだろうし、対戦時に得点を許していることもあり対策は入念にとってくるはず。これまで同様の威力を発揮できるかは未知数である。また、グループリーグ初戦のブラジル戦の敗戦から盛り返して2位通過を果たした地力や勢いは、当然ながら無視できない。

 さらには、グループリーグとは異なり、日本は全くのアドバンテージがない状態でエジプトと対戦することになる。日本はスペイン戦の前半で先制して以降、常に有利な状況で戦うことができた。リードしたスペイン戦はもちろん、以後の2試合でもグループ首位に立ったことで、負けなければよいという状態で試合に臨むことができたのだ。勝たなければならない相手国が攻撃に出てくることでカウンターの威力も鋭さを増していたが、イーブンな状態で戦う決勝トーナメントでは効果が半減する可能性もある。

 12年前、黄金世代と謳われた選手たちも跳ね返されたベスト8の壁に、大会前の壮行試合でブーイングを受けた選手たちが挑もうとしている。中田英寿や中村俊輔が跳ね返され、小野伸二や本田圭佑が届かなかった舞台である。日本サッカー界の歴史を塗り替える条件は揃った。あとは、自らの力を証明するだけである。

文:小谷紘友(サッカーキング編集部)

 

[写真]=Getty Images

 

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