佐々木則夫女子委員長[写真]=Getty Images
なでしこジャパン(日本女子代表)は28日、パリオリンピック2024 女子サッカーアジア最終予選第2戦の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)女子代表戦に2-1で勝利し、パリオリンピック2024出場権を獲得した。試合後、日本サッカー協会(JFA)で女子委員長を務めている佐々木則夫氏が取材に応えた。
ホームアンドアウェーで行われた最終予選。北朝鮮ホームとなった第1戦では、アジアサッカー連盟(AFC)による開催地の選定が難航し、試合3日前になってようやく中立地のサウジアラビアで開催されることが決定。帰国便の調整を含め、極めてタイトなスケジュールで準備を強いられることになった。
佐々木委員長は、準備期間について「逆にそういう状況だったから、現場のスタッフも選手も気を引き締めることにつながった。プラス思考に捉えてスタッフもやってくれたし、いろいろな状況を踏まえて、献身的に作業してくれた。力を合わさった中で勝ち得た(出場権だ)と思う」とポジティブに語りつつも、調整は非常に難しかったと振り返る。
ただ、それでも「裏方の人たちが本当によくやってくれた。昔からそうだが、言い訳せずにいろいろなことを力に変えたり、結束したりできる部分は、なでしこジャパンの良いところだと思う」と語り、「我々も待つしかない状況だと腹をくくった。(スタッフが)焦ってしまうと選手も敏感に感じてしまうので、裏方のスタッフも粛々と受け入れながらやるスタイルでやってくれた。チーム内は冷静に受け入れながらやってくれた」と、スタッフのサポート体制をあらためて称えていた。
北朝鮮女子代表との最終予選を制し、パリ五輪への出場を決めたなでしこジャパン。7月の開幕に向けた準備について佐々木委員長は、「マッチメイクのイメージはもうある。この最終予選は勝ち抜く前提でもう準備している」と回答。
そして、本大会に向けて「FIFA女子ワールドカップにおいても、皆さんの期待はベスト8ではなく、ベスト4以上だったと思う。今のWEリーグの状況においても、素材のいい選手たちがいるにも関わらず、なでしこジャパンが世界で活躍しないと、まだまだ盛り上がりが足らない」と危機感を語り、「こうやって多くの皆さんに盛り上げてくださった中で、さらにここで結果を残さないといけない。女子サッカーは一つひとつ大きな大会が勝負になる」と気を引き締めた。
つづけて、試合後に選手がパリ五輪での金メダル獲得を目標に掲げていたことを踏まえ、本大会での目標をあらためて問われた佐々木委員長は、「まだまだ力的にはやらなければいけないことがたくさんあるけれど、(優勝する)可能性はないことはないと思う」と語り、「このあいだのFIFA女子ワールドカップにおいても、手応えがありつつも、結果としてベスト8どまりだったし、チーム全体が反省して帰ってきた大会になった。もう一回ステップアップするために、あと約半年だが、オリンピックにしっかり照準を合わせて、池田監督を筆頭に頑張ってもらいたい」と話していた。
パリ五輪の女子サッカーには12カ国が参加。7月25日(木)に開幕し、決勝戦は8月10日(土)に行われる。
By サッカーキング編集部
サッカー総合情報サイト