2011年、ワールドカップ優勝。2012年、ロンドン・オリンピック銀メダル。2015年、ワールドカップ準優勝――。
なでしこジャパンは世界の女子サッカーを引っ張る存在だったが、2016年のリオデジャネイロ・オリンピックでアジア予選敗退、2019年のワールドカップはベスト16で敗退と、再び挑戦者の立ち位置となった。
けん引する活躍が期待されるのは “次代のエース”として世界一となった舞台に立っていた岩渕真奈だ。チーム最年少の18歳だった彼女も3月で27歳になった。
「自分のプレーをとにかく見せたい」若手選手から、「チームとして勝利することを第一に考えるようになった」と話すようになった大黒柱に、なでしこジャパンについて聞いた。
インタビュー=小松春生
取材協力=アディダス
※2020年2月上旬にインタビュー実施
―――ワールドカップ敗退後、代表チームに変化はありましたか?
岩渕 悔しい負け方をして、世界の厳しさを全員が経験した中で、東京オリンピックを控え、危機感と言いますか、オリンピックへの気持ちがピッチの中で全面に出るようになりました。チームとして雰囲気も良く、いい関係で全員がやれていると思います。
―――危機感とはどういった点でしょうか。
岩渕 優勝を目指していた中でベスト16という結果に終わり、本当に悔しい大会でした。次にその借りを返せる場所が東京なので、みんなが結果を意識して臨める大会ですし、そこに向けて「このままではダメだ」という危機感が生まれたと思います。
―――このチームのストロングポイントを一つ挙げると何でしょうか。
岩渕 過去のチームもそうかもしれませんが、誰が出ても個人個人が持っている力を100%出せるチーム、臆することなくぶつかれるチームだと思います。
―――一方で改善点を一つ挙げるとすれば。
岩渕 その個人個人の持っている力を高めることは最低限、絶対に必要なことですが、日本の良さはやはりチームとしてどう戦うかだと思います。スタメン11人だけでなく出場登録される選手、今いる代表のメンバーが共通の意識を持って、いいチームになれるようにやっていきたいです。
―――岩渕選手は経験豊富な選手として、その経験や姿勢を他の代表選手に示さないといけない立場になりました。
岩渕 まず、自分がピッチの中で100%の力を出さなければいけませんし、若い選手たちには、持っているものを出してもらいたいので、声掛けや雰囲気作りで助けにつながることは意識しています。
監督が代わり、チームもガラッと変わったので、以前のチームと比較はできませんが、いろいろな経験をしてきているので、自覚を持ってやらなければいけないと思っています。
―――岩渕選手は以前、「点をとにかく取る」とコメントすることが多かったですが、今は「まずはチームの勝利のため」と常々口にされています。チームでの立ち位置の変化があると思いますが、そのきっかけはありましたか?
岩渕 以前は得点の必要な場面で起用されることが多かったので、自分が得意なプレーだけをやって、とにかくゴールを意識していました。でも、先発で出場するようになり、チームも変わって、改めて結果が大事だと気付かされました。リオデジャネイロ・オリンピックでは予選で負け、なでしこジャパンという存在や評価が落ちてしまった中、もう一度、上を目指すには結果が大事だと感じたので、とにかく結果を意識するようになったのは、その辺りからです。
予選敗退をきっかけに、なでしこジャパンに対する周りの見方も変わった中で、やっぱり「なでしこジャパンで試合に出たい」という気持ちを強く持っていたので、自分がやらなければと強く思うようになったのは、リオがきっかけになったと思います。
―――3月18日には27歳になりました。どういった一年にしたいですか?
岩渕 今までで一番いい一年にできるようにしたいです。サッカーでも、プライベートでも笑顔でいられる一年にできたらいいですね。
■岩渕真奈のオンとオフ
―――岩渕選手が、選手としてスイッチが入る瞬間はどんな時でしょう。
岩渕 勝ち負けが関わってくると、やっぱり負けたくないですし、その瞬間にスイッチが入ります。ピッチに立つ瞬間、試合になったら当然ですし、勝負が関わるとさらにオンになりますね。
―――オフの岩渕選手はいかがですか? SNSなどを拝見しているとアクティブに活動されている印象です。
岩渕 普通ですよ(笑)。いろいろな人に会い、いろいろなヒントをもらえたら、サッカーの部分でも、人としての部分でもプラスになると思うので。正直、サッカーのことを考えるのは、グラウンドに入ってから出るまでだけだと思うので、それ以外はゆっくりして、美味しいものを食べることが一番のリラックス方法です。サッカーをする時間が続けばオフは嬉しいですけど、オフが続くとサッカーをしたくなるので、今はいいリズムで生活できています。
―――ファッションはいかがでしょう。アディダスのアイテムを普段使いされていますよね。
岩渕 かわいいですし、かっこいいですね。練習に行く時、リュックを使っているんですけど、ポケットがいっぱいあって使いやすいし、背負いやすいんです。
adidas×moussy のコラボ!!!
オーバーサイズのジャケット
可愛くてとってもお気に入りです😊💕#adidasmoussyインスタのストーリーで質問コーナーやってます🕺🏻
量が物凄いので全てには答えられないですがどしどし質問してください!! pic.twitter.com/QXHNhgT9Cp— Mana Iwabuchi 岩渕真奈 (@buchi_mana) March 17, 2020
―――普段着でポイントはありますか?
岩渕 ないんです(笑)。デニムを着ることが多いかもしれないです。こだわりがない分、気軽にパッと出かけられるものがいいですね。
―――今回は新作のトレーニングウェアを着用しました。
岩渕 かわいくないですか?(笑) それに本当に軽いので、運動をしていて気にならないです。気持ち良さをすごく感じます。
―――トレーニングウェアのこだわりはありますか?
岩渕 かわいくて、かっこいい見た目もそうですし、このウェアも汗をかいたときや、体が熱を持ったときに冷却作用があるので、特に外でのスポーツは、より汗をかくので、助けてもらえることが嬉しいですね。シューズの履き心地も良いですし、このシューズも軽いけどしっかりしています。
今回の新作はシルエットも女性らしいですし、かわいい形をしていて、色もピンク。それでいて機能も充実しているので、ぜひ買ってください(笑)。
■岩渕着用のアディダスNewアイテム『HEAT. RDY(ヒートレディ)』
『HEAT. RDY』とはアスリートが真夏の過酷な環境下でもベストなパフォーマンスを発揮できるようにすることを目的に開発されたウェア。新しい全天候対応型テクノロジー『READY(レディ)』の1つである、 製品と同名の冷却機能『HEAT. RDY』が搭載されている。新素材と新しい設計コンセプトによって通気性・速乾性・冷却性を促し、パフォーマンスの前後および最中に体温が上昇するアスリートの状態を快適に導く。
■全天候対応テクノロジー『READY』は全4種類
全天候対応テクノロジー 『READY』は環境に合わせた全4種で構成される。『HEAT. RDY』を皮切りに、2020年秋冬には寒い日でも暖かさを持続する『COLD. RDY(コールド レディ)』、アスリートを風から守る『WIND. RDY(ウィンド レディ)』、雨でもドライな状態をキープする『RAIN. RDY(レイン レディ)』が順次発売される。
By 小松春生
Web『サッカーキング』編集長