2019.10.25

2023年女子W杯招致目指し…スタジアムをピンクに染め、なでしこを全力サポート

[写真]=金田慎平
海外サッカー専門誌の編集を務めた後にフリーとなり、ライター、エディター、スペイン語の翻訳&通訳、フォトグラファーとマルチに活動を展開中。

 2019年6月~7月にフランスで開催されたFIFA女子ワールドカップ2019はアメリカの2連覇で幕を閉じた。本大会において、日本女子代表(なでしこJAPAN)はベスト16という結果に終わった。大会を通じては、欧米諸国を中心とした女子サッカーの熱量の高さと今後の可能性を感じさせられる大会だった。

 現在女子サッカー界は大きな転換期を迎えている。欧州リーグでは男子クラブの女子チーム保持が促進され、FIFAに続きUEFAは「Women‘s Football Strategy 2019-
24(欧州の女子サッカーとサッカーにおける女性の地位の向上を目指す戦略)」を発表した。中国ではアリペイ財団が女子サッカーへ10年で150億円の投資を発表し、アルゼンチンでは国内リーグのプロ化が発表された。日本同様、FIFA女子ワールドカップ2023に手を挙げている南アフリカでもプロリーグが発足するなど、世界規模で女子サッカーを取り巻くムーブメントが高まる中、10月6日、IAIスタジアム日本平において、なでしこJAPANとカナダ女子代表の国際親善試合が行われた。日本サッカー協会(JFA)はこの一戦をベスト16に終わったW杯後の“リスタート”と位置付け、2つの施策を講じた。

 1つ目に女子サッカーの発展を目的に策定された「なでしこvision」に掲げる「女性が輝く社会の実現」に向けた活動の一環として、10月が強化月間となる「ピンクリボン運動」に賛同する意を表すために、ピンク色のリボンをバッグに付けて活動に臨んだ。

 2つ目にスタジアムをなでしこカラーである「ピンク」に染めようと呼びかけた。試合当日、スタジアムに入るとまず目を引いたのはピンク色に染まった広告看板だ。海外のスタジアムを思わせる光景は、日本サッカー界において初めての試みだろう。スポンサー各社もともに女子サッカーを盛り上げようとしている意気込みを感じることができた。

[写真]=金田慎平

[写真]=金田慎平

[写真]=金田慎平

 選手入場時、なでしこJAPANの選手たちは「FIFA女子ワールドカップ2023招致」を謳ったピンク色のTシャツを着用して入場した。スタジアムには「2023年、FIFA女子ワールドカップを日本で!」と書いた横断幕も掲げられた。また選手たちはナンバーと名前のローマ字表記がピンク色に染められた特別仕様のユニフォームを着用しピッチ上でもなでしこカラーをまとって試合を盛り上げた。

 サポーターたちに向けても、JFAだけでなく、選手たちも個人のSNSなどを通じてピンク色のアイテムを身に着けての来場を呼び掛け、多くのサポーターが様々なグッズを持参してスタジアムを訪れ、選手入場の際にはそれらを掲げてエールを送った。

 試合前に何組かの来場者に話を聞いたところ、「ツイッターの告知を見たので、ピンク色のものを探してきました」という方や、「ピンクのシャツを買いそろえました」という声を聞くことができた。ピッチの看板に対しても「目立つピンクだから明るくていいですね」という感想が上がり、また遠藤純選手の友人だという4人組は「ピンクは“なでしこの色”というイメージがあるし、かわいいですね。試合が楽しみ」と言って観客席へと向かっていった。

[写真]=金田慎平

[写真]=金田慎平

[写真]=金田慎平

 ピンク色の看板は選手の目にもしっかり届いていたようで、ボランチのポジションで先発フル出場した杉田妃和は試合後の取材で「普段の試合ではピンク色の看板をあまり見ないので、新鮮な景色でした」と感想を語ってくれた。

 ハーフタイムには日本代表公式マスコットの「カラッペ」と「カララ」がこの日限定販売のピンク色のタオルマフラーを身につけて登場。このタオルマフラーは試合開始前に完売となった。

 試合は岩渕真奈、長谷川唯、籾木結花、小林里歌子がゴールを奪い、4-0でなでしこJAPANが勝利。日本のゴールが決まった際には、ピンク色のタオルマフラーを掲げて歓声を送るサポーターの姿もあった。

 前述した招致Tシャツをはじめ、この日のイベントは、なでしこJAPANの象徴ともいえるピンクで試合会場を染め、大会誘致に向けて一体になってアピールする意味合いも込められていた。

[写真]=金田慎平

[写真]=金田慎平

[写真]=金田慎平

 試合後のフラッシュインタビューでは、岩渕が「FIFA女子ワールドカップ2023の招致活動をしているので、皆さんに会場に足を運んでいただいて、力を貸していただけたらと思います」とアピール。その後、選手たちは再びピンク色のTシャツに袖を通し、FIFA女子ワールドカップ2023の日本誘致の横断幕を持って場内を一周した。

 女子W杯が日本で開催されれば史上初となるが、ファンからは「日本で開催されれば盛り上がると思います」、「ぜひ見に行きたい」という声も。また、JFAはなでしこリーグのプロ化に向けての準備もスタートさせている。これについてファンに話を聞くと、「(プロ化は)楽しみ。女子も盛り上げてほしいし、お友達のお嬢さんでサッカーを頑張っている子がいるので、プロリーグができたらうれしいなと思います」という声もあった。

 ピンク色に染まったスタジアムで多くのサポーターがなでしこJAPANの快勝を見届けるとともに、FIFA女子ワールドカップ2023の日本誘致をはじめとする日本の女子サッカー発展に向けて最高の“リスタートを切った”。

 なでしこJAPANは11月10日(日)に北九州スタジアムで開催されるMS&ADカップで南アフリカ女子代表と対戦する。国内では年内最後となる強化試合として、結果だけでなく、会場の盛り上がりにも大いに期待していきたい。

取材・文=池田敏明
写真=金田慎平

■なでしこジャパン試合情報
MS&ADカップ2019
なでしこジャパン vs 南アフリカ女子代表
2019年11月10日(日)12:45kick off / 北九州スタジアム
日本テレビ系列にて全国生中継

サイト人気記事ランキング

Jリーグ順位表

横浜FM
70pt
FC東京
64pt
鹿島アントラーズ
63pt
Jリーグ順位をもっと見る
柏レイソル
84pt
横浜FC
79pt
大宮
75pt
Jリーグ順位をもっと見る
北九州
66pt
群馬
63pt
藤枝
63pt
Jリーグ順位をもっと見る

日本人気記事ランキング