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なでしこOB永里亜紗乃がノルウェー戦を総括「U-20世代の台頭は好材料」と評価…懸念は「間合い」

2018.11.19

なでしこジャパンはノルウェー相手に4-1で快勝。OBの永里亜紗乃氏が好材料と課題について語った 写真=Getty Images

 サッカー女子日本代表“なでしこジャパン”は、11月11日に鳥取市のとりぎんバードスタジアムでノルウェーと対戦。横山久美、籾木結花、岩渕真奈の2ゴールで欧州の強豪を4-1で下し、年内最後の試合を白星で終えた。

 なでしこジャパンとして11試合1得点の記録を持ち、現在女子サッカーの解説や指導者として活躍する永里亜紗乃氏にノルウェー戦について話を聞いた。

「ノルウェー代表は主力メンバーが不在で、若返りを図っているように見えました。高さを武器に攻めてきた過去のノルウェーに比べて、そこまで怖さは感じませんでした」と対戦相手の印象を語り「FIFAランキングで下の相手との対戦だったとはいえ、セットプレー、流れの中から、個人技と多くのパターンで得点できた点は今後に向けて、自信に繋がったのではないでしょうか」と話し、快勝したチームを称えた。

 4ゴールを決めて勝利した一方で課題もあったと言う。

「攻撃のスイッチが入った時に、人数を掛けて崩しにかかる時のパススピード、スプリントスピード、判断・反応スピードはいずれもスピーディーでした。ノルウェーとしては、次々に人が増えてきて誰をマークすればいいのか、どのエリアをケアすればいいのか、混乱しているように見えました」

「ただ、8月のアメリカ遠征ではアメリカ、ブラジル、オーストラリア相手に力負け。高倉監督が率いるなでしこジャパンの強みはスピーディーな攻撃です。とはいえ、攻撃の出来は個々の調子や閃きが大きな割合を占めているように見えます。ノルウェー戦のような戦いがコンスタントにできるようにならないと、ワールドカップで勝ち上がるのは厳しいのではないでしょうか」

 守備の局面においては「相手選手との間合い」が気になると指摘する。「8月のアメリカ戦では、ほとんどがクロスから失点。パスの出し手へのプレスが甘く、サイドでパスを受ける選手への対応が遅れ、フリーで良いクロスを上がれてしまうシーンが多くありました。ノルウェー戦でも同様です。改善が見られなかった点は残念でしたね」と振り返った。

 年内最終戦で一番の収穫は「U-20代表のメンバーの台頭」だと話す。とりわけでU-20世代で主軸を担ってきた「長野風花は、落ち着いていて、攻撃のユニットに溶け込んでいました。さらになる成長を期待したいです」とコメント。100キャップを達成した鮫島彩、熊谷紗希が持つ経験値との融合にも期待を寄せている。

「改善点は多くありますが、ポジティブに捉えれば、まだ伸び代があるということ。私を含め、女子サッカー界に関わるすべての人が協力して、全体でレベルアップしていくことで世界一奪還に近づくことができるのではないでしょうか」

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