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戦うなでしこジャパンが復活…粘り強く守り抜き、W杯初戦を白星で飾る

2015.06.09

スイス女子代表に勝利したなでしこジャパン [写真]=Getty Images

文=江橋よしのり

 FIFA女子ワールドカップ・カナダ2015に出場しているなでしこジャパンが、日本時間9日、大会初戦となるスイス戦に登場。

 前日の記者会見で「GKのレギュラーを固定化せず、試合によって使い分ける」という異例のプランを明かした佐々木則夫監督がこの初戦で起用したのは、W杯初出場の山根恵里奈だった。その他、右DFには有吉佐織、右MFには大野忍が起用され、DF近賀ゆかりとMF川澄奈穂美がベンチスタートとなった。

 なでしこは、大柄な相手にひるまず体を寄せる守備から大会に入った。攻撃でも、相手のプレスを逆手に取るようにMF澤穂希阪口夢穂宮間あやがポジションをずらしながらパスを回す。そして前を向いた状態の選手から、相手のDFラインの背後にタイミングよく勝負のパスを送り込んだ。

 その攻撃が実を結んだのは27分。DF宇津木瑠美からFW大儀見優季、FW安藤梢とボールが渡ると、相手GKの反則でPKを獲得する。安藤はこのアクシデントで負傷交代を余儀なくされたものの、宮間がPKを決めて先制点を奪った。

 後半の立ち上がりにも、右サイドでリズムよくパスをつなぎながら相手の守備の穴をつき、中央の宮間を経由して途中出場のFW菅澤優衣香がシュート。菅澤は68分にも決定機を迎えたが、いずれも彼女のW杯初ゴールにはならなかった。

 後半も残り半分になると、なでしこは防戦一方となる。スイスのFWバッハマンは、なでしこの守備陣をなぎ倒すような評判どおりのドリブルを見せてゴールに迫ったが、シュートが枠を逸れるなどして、なでしこは命拾いした。そうするうちに、宮間が冷静に相手の崩しの意図を理解し、カバーリングのコースと深さを変えた。また宇津木も、相手の突進をしっかりと止めて跳ね返した。

 結局スコアは1-0のまま、試合が終了。苦しくても粘り強く守り抜く、戦うなでしこの復活を印象づけ、大会初戦をものにした。佐々木監督は試合後、W杯初出場の山根と有吉について「期待どおり。今日の試合のポイントになったと思う」と手応えを語った。

 なでしこは次に中3日でカメルーンと対戦。カメルーンに勝てば、なでしこジャパンのグループリーグ突破が確定する。

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