2012.08.01

金メダルへの“挑戦者”、2位通過で明確になったなでしこの立ち位置/南ア戦

南アフリカ戦でのドローで、2位通過となったなでしこジャパン

 過去2試合と先発メンバー7人を入れ替えた結果、登録18選手全員をピッチに送り出した。主将の宮間あやが試合後に「全員が(オリンピックの)ピッチに 立てたことが素晴らしい。いつも出ているメンバーと違って難しかったが、それぞれが長所を出すことにトライできていた」と語ったように、主力を欠きスコアレスドローに終わった試合でも確かな収穫はあった。

「私のアピールチャンスはこの試合だった」と語った矢野喬子は、左サイドバックで先発出場すると安定した守備とともに攻撃参加でも、過去2試合に出場した鮫島彩と遜色ないプレーを見せた。実に代表戦5年半ぶりのスタメンとなった丸山桂里奈も、正確なポストプレーで攻撃の起点として十分に機能し、コンディションの高さを窺わせた。

 普段出場機会の少ないメンバーが自身の持ち味をしっかり出したことは、今後も計算して起用できるという点でプラスとなったと言える。2試合連続で無得点に終わった結果に関しても、佐々木則夫監督が試合途中にドロー狙いを伝えていたこともあり、さほど気にすることではない。

 グループ2位で突破した点には様々な意見が飛び交っているが、中2日で行われるブラジルとの準々決勝を南アフリカ戦と同じカーディフで行えることは、確実にアドバンテージである。引き分けを狙ったプレーに関しても、佐々木監督が「選手たちは過去にないくらい指示通りやってくれた」と語るとともに、「戦略の指示を出したので申し訳ないと思っている」と全責任を負う意思を公言していることから、試合内容を追求するのは無粋だろう。

 昨年の女子ワールドカップにおいてパスサッカーで初優勝を飾ったなでしこは、フィジカル優勢の女子サッカー界に一石を投じた。しかし、新たな流れを生み出した功績は間違いないが、主流ではなく細流ということも今回で確かとなっている。佐々木監督の「我々はオリンピックでは挑戦者」という言葉が表すように、グループ2位通過を狙ったという事実は、なでしこの現在の立ち位置を冷静に判断できる1つの指標ではないか。

 南アフリカ戦は、決勝トーナメント進出を決めた状態で大幅にメンバーを入れ替えて臨んだグループ最下位相手との戦いだった。しかし、すべての手段を講じた上でようやく金メダルに手が届く可能性があるという実情を改めて喚起させる一戦にもなった。

文:小谷紘友(サッカーキング編集部)

 

[写真]=Getty Images

 

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