2012.07.31

なでしこ、決勝Tへ向け加速を…守備陣の速さへの対応に注目/南ア戦

 グループの突破順位について気を揉む周囲をよそに、なでしこジャパンは極めて順調にグループリーグ最終戦まで辿り着いた。カナダとの初戦、グループ最大のライバルと見られたスウェーデンとの第2戦を1勝1分けで乗り切ったことで、南アフリカとの試合は決勝トーナメント進出を決めた状態で臨めることに。

 本音は2連勝で勢いを持ってグループ最終戦を迎えたかっただろうが、2試合の中でも内容が向上していったことを考えれば、状態は上向きにあると言える。佐々木則夫監督は、南アフリカ戦に臨むにあたっては、「新たな選手を使い、層を厚くして戦いたい」と選手の入れ替えを明言した。過去2試合で得た勢いを削がないような戦いが求められるが、その点での心配は無用だろう。

参加12カ国中、南アフリカのFIFAランキングは最低となる61位で、今大会もスウェーデンに1−4、カナダに0−3と敗れて既にグループリーグ敗退が決定している。一方、主力の欠場が見込まれるなでしこだが、スウェーデン戦でオリンピック初出場となった田中明日菜や岩渕真奈はこれまでも十分戦力になることを証明し、先発出場が予想される矢野喬子や安藤梢は過去に2度のオリンピックに出場していることからもクオリティが極端に低下する心配はないだろう。「試合に出ることになったら100パーセント以上の力でやりたい」という矢野の言葉からも、既に敗退が決定した南アフリカとのモチベーションの差も明白。過去2試合同様、なでしこが支配する展開が予想される。

その中で、決勝トーナメントを見据えて確かめておきたい部分は守備時の対応になるだろう。過去2試合では、カナダのクリスティン・シンクレア、スウェーデンのロッタ・シェリンと両国のエースをほぼ完全に抑えきった。圧倒的なボール支配率から高いDFラインを取れたことで、ゴールに近いところでプレーをさせなかったことが大きな要因となり、南アフリカ戦でも展開自体は変わらないと見られる。ただ、シンクレアとシェリンが体格面の強さを押し出そうとしてきたことに対し、スピードに優れる南アフリカはDFラインの裏を狙ってくる攻撃を仕掛けてくる予想もあり、過去2試合とは異なった対応が求められるだろう。決勝トーナメントで対戦することになる国々には屈強な体格に速さを加えた選手が揃うだけに、グループリーグでスピードに特長を持つ国と相対しておくことはプラスに働くだろう。

 また、スウェーデン戦後に「オリンピックに入り、2トップが変更され、自分も右サイドになったことで、まだ(昨年の)ワールドカップのように完成していない」と語った主将の宮間あやにとっても、プレッシャーのかからない場面で試合を消化できることは大きい。ポジションを移したことでプレーに多少の戸惑いが見られるが、元来の戦術眼を生かし新たなポジションにフィットできれば、チーム全体を更に高いレベルに押し上げることが可能になる。

 グループリーグ突破が決まったことで、南アフリカ戦では試合を前にして主力選手のリフレッシュや出場機会のなかった選手たちのモチベーションを活性させることができるなど、多くのメリットが得られた。残すはもちろん、決勝トーナメントに向けて勢いを更に加速させる戦いぶりを見せることである。

文:小谷紘友(サッカーキング編集部)

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