大宮FW杉本健勇 [写真]=J.LEAGUE
2024年はJ3での戦いを強いられながら、1年でJ2に復帰し、今季は開幕から快進撃を見せているRB大宮アルディージャ。ご存じの通り、レッドブルグループの傘下に入り、ライプツィヒやザルツブルクなど、世界トップクラブとのネットワーク構築により、クラブ全体がガラリと変わりつつある。
こうした中、攻撃陣をリードするのが、32歳になった元日本代表FW杉本健勇。長澤徹監督体制ではシャドーのポジションが主戦場となり、幅広いエリアを献身的に動いてチャンスメイクとゴールに絡んでいるが、セレッソ大阪、浦和レッズ、ジュビロ磐田などでは最前線で起用されることが多かった。そんな多彩な仕事ぶりが4月25日の北海道コンサドーレ札幌戦の決勝弾に表れたのだ。
0−0で迎えた後半22分、GK笠原昴史のロングフィードを杉本が収め、登場したばかりの豊川雄太につなぎ、ドリブルで前進。右から上がってきた藤井一志に展開し、クロスが入った。これは一旦札幌DF髙尾瑠が弾いたが、大宮は左から上がってきた下口稚葉が拾って浮き球のクロス。これをが藤井が仕留め、堅牢な札幌守備陣をこじ開けた。この一撃で大宮は1−0で勝利。勝ち点を23に伸ばし、J1自動昇格圏の2位をガッチリとキープしたのである。
「杉本に収められてしまったところがどうだったのかは分析しないといけない」と敵将・岩政大樹監督も悔しさをにじませたが、そこで一瞬のスキを突ける老獪さを持ち合わせているのが、ベテランFWの凄さなのだ。「別に普通のプレーです」と本人は試合後、素っ気なく話を切り出したが、「ああいうところでマイボールにして、一度収めて時間を作ることは大事だなと感じていました」と少しずつ本音を吐露するようになった。
なぜそう感じたのか……。前節のFC今治戦で出場停止になったことが大きかった。外から見て考える機会をもらったことが、マインドの微妙な変化につながったのだ。「大宮に来てからテレビで試合を見る機会もなかったし、チームの戦いを見ながら『自分がいたらこういうことはできていたな』と思いながら見ましたけど、いろいろ感じることが多かったんです。特に『時間を作ってあげるプレーが、この試合で大事になるな』というのは思っていました。それが得点につながったことは良かったですし、みんな魂を込めて戦っていましたからね」と杉本はしみじみと語ったが、サッカー選手は時に自分冷静に客観視することも必要なのだろう。
しかも彼の場合、最近はトップに入る機会が乏しかったため、収めて時間を作るといったターゲットマン的な仕事をほとんどやっていなかった。かつては当たり前にそれを求められたが、大宮では異なる役割を重視されており、感覚的に少し薄れていたところもあったのだろう。「シャドーで出る時は、どっちかというと1トップの選手が収めてくれて、俺はこぼれ球を拾うことが多いんですけど、自分が前をやればいろんなところに顔を出したり、チャンスの時に顔を出してあげるのも大事になってきますよね。今日の終盤は(豊川と2トップ気味で)前の方に入りましたけど、2つのポジションをやるのはすごく楽しいですね」と本人は爽やかな笑顔をのぞかせた。シャドーをメインにしながらも、トップの仕事ができるのは、杉本の大きなストロング。それをこの試合で再認識させてくれたのだ。
こうして時には黒子になりながら、チームを勝たせる存在になっている背番号23。その献身性とハードワークは大いに光っており、今季大宮の躍進にもつながっている。彼自身のゴールはまだ2点にとどまっているが、「自分の得点は別にいいんで。チームが上がればいいし、チームの目標達成ができればいんで、俺のことは放っておいてください」とエゴを封印。どこまでも「フォア・ザ・チーム精神」を前面に押し出していく構えだ。
今の杉本は「どういう形でもいいから、何としても再びJ1に上がりたい」という思いが強いのだろう。東京ヴェルディ、セレッソ大阪、ジュビロ磐田時代にJ2で戦ったことはあるが、J3にカテゴリーに身を投じたのは大宮が初めて。「自分の力で這い上がってやる」という強い決意の胸にここまで一歩一歩前進してきたに違いない。困難な境遇を1年で乗り越えてJ2に上がった今、見据えるのは最高峰リーグしかない。それを自らの力で引き寄せることができれば、「杉本健勇、ここにあり」を改めて多くの人々に示すことができる。それを果たすことが、ベテランFWに託される命題なのだ。
「今季のJ2は(上と下の)勝ち点があんまり変わらない。本当に1試合1試合という感じで自分らもやってるんで。ここから連戦なので全員の力が必要になる。みんなでいい準備して乗り越えたいと思います」。こう語り、目を輝かせた杉本。彼には新生・大宮のシンボルとして異彩を放ち続けてほしいものである。
取材・文=元川悦子
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By 元川悦子