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Jリーグ、3クラブの「百年構想クラブ」脱退を承認…入会要件の改定も発表、入場者数の基準などを見直し

2023.01.31

Jリーグが百年構想を脱退したクラブと入会要件の規定を発表 [写真]=J.LEAGUE

 Jリーグは31日に開催された理事会で、ラインメール青森、コバルトーレ女川、高知ユナイテッドSCの3クラブについて、Jリーグ百年構想クラブからの脱退を承認した。また、同理事会においてJリーグ入会要件の改定が行われたことも発表されている。

 Jリーグは3クラブの脱退理由について「2022年12月の制度改定により、Jリーグ入会要件からJリーグ百年構想クラブであることが要件から外れたことにより、これまで必須であった百年構想クラブでなくともJ3ライセンスの取得に支障がない状況となったため」と説明。加えて「いずれのクラブもこれまでと変わらずJリーグ入会を目指し、ホームタウンの自治体やスポンサーからの支援、ファン・サポーターの声援を受け活動していきます」と発表している。


 各クラブの概要と脱退理由は以下の通り。

■ラインメール青森(JFL)
・法人名:株式会社ラインメール青森フットボールクラブ(代表:榊美樹/所在地:青森県青森市/設立1995年)
・百年構想クラブ認定:2019年2月
・脱退理由:Jリーグの理念に沿った活動を行いプロクラブとして順調に推移しており、J3ライセンスの取得にも支障がない状況となったため。

■コバルトーレ女川(東北社会人サッカーリーグ)
・法人名:株式会社コバルトーレ(代表:近江 弘一/所在地:宮城県牡鹿郡女川町/設立2006年)
・百年構想クラブ認定:2022年2月
・脱退理由:Jリーグの理念に沿った活動を行いプロクラブとして順調に推移しており、J3ライセンスの取得にも支障がない状況となったため。

■高知ユナイテッドSC(JFL)
・法人:株式会社 高知ユナイテッドスポーツクラブ(代表:武政 重和/所在地:高知県高知市/設立2016年)
・百年構想クラブ認定:2022年2月
・脱退理由:Jリーグの理念に沿った活動を行いプロクラブとして順調に推移しており、J3ライセンスの取得にも支障がない状況となったため。

 また、Jリーグは入会要件の改定についても発表。改定の背景について次のように説明している。

・2023シーズンよりJ3とJFLの入れ替えが始まることに伴い、入会要件のうち競技成績については、リーグ全体の昇降格の考え方と整合させる形で変更することが既に決定しました。今回の改定は、競技成績以外の要件についても、リーグ全体の考え方との整合性という観点から見直しを行ったものです

・Jリーグの新たな成長戦略の2つのテーマである「(1)60クラブがそれぞれの地域で輝く」、「(2)トップ層がナショナル(グローバル)コンテンツとして輝く」を掲げるなか、各クラブの集客施策にも注力する方針であること、ならびにJ3クラブライセンス審査との重複を解消するという観点も踏まえて改定を行いました

 この度明らかになったJリーグ入会要件の改定事項は以下の通り。

■Jリーグ入会要件の主な改定事項
①入会直前年度のホームゲーム平均入場者数2000人を目標数値とする
②財務要件は収入規模(入会直前年度の年間事業収入5億円以上)ではなく、短期的に資金難に陥る可能性が低いかどうかという安定性を要件とする
③J3クラブライセンス財務基準を充足することで包含されるため、入会前年度期末決算時の債務超過に関する要件を削除
※2023年1月1日付J3クラブライセンス交付規則改定で、J3クラブライセンス申請において百年構想クラブであることの条件を削除

■Jリーグ規約第17条(入会)変更点
▼現行
第17条(入会)
(3)Jリーグへの入会を希望するクラブは、以下に掲げる要件をひとつでも充足していない場合には、入会することができない。
①~③ 略
④入会直前年度までに、ファンクラブや後援会などの安定的な支援組織を整備すること
⑤入会直前年度のJFLのリーグ戦におけるホームゲームの1試合平均入場者数が2,000人を超えており、かつ、3,000人に到達することを目指して努力していると認められること。なお、入場者数の算定は「2023明治安田生命J1・J2・J3リーグ戦試合実施要項」(以下「リーグ戦実施要項」という)第39条第3項および第4項に基づいて行う
⑥入会直前年度における年間事業収入が5億円以上になると、合理的に見込まれること
⑦入会直前年度の期末決算において、債務超過ではないことが合理的に見込まれること
以下⑧~⑩略

(4)Jリーグは、11月に開催される理事会において、第2項に定める審査および調査ならびに前項に定める要件のうち第5号、第8号および第10号を除く各号に関する調査等の結果を踏まえて入会の可否を審議のうえ、その結果を原則として11月30日までに、当該クラブに書面または電磁的方法により通知する。なお、当該審議により入会を承認された場合であっても、前項第5号、第8号および第10号の要件を満たさないことが明らかになったときは、Jリーグへの入会は認められない。

▼改定後 ※は変更理由
第17条(入会)
(3)Jリーグへの入会を希望するクラブは、以下に掲げる要件をひとつでも充足していない場合には、入会することができない。
①~③略
④入会直前年度までに、安定的な支援組織の整備に向けた取り組みを行っていること
※ファンクラブや後援会以外にも支援組織の形態は様々あるため
⑤入会直前年度のJFLのリーグ戦におけるホームゲームにおいて、1試合平均入場者数が2000人に到達することを目指して努力していると認められること。なお、入場者数の算定は「2023明治安田生命J1・J2・J3リーグ戦試合実施要項」(以下「リーグ戦実施要項」という)第39条第3項および第4項に基づいて行う
※無料招待等の無理な集客施策を誘引する側面もあるため
⑥短期的に資金難に陥る可能性が極めて低いとJリーグが評価できる状態にあること
※事業収入よりも、安定的なクラブ経営が行われていることが重要な指標のため
⑦削除
※J3ライセンスで確認するため削除
以下⑦~⑨へ番号修正

(4)Jリーグは、理事会において、第2項に定める審査および調査ならびに前項に定める要件のうち第5号、第7号および第9号を除く各号に関する調査等の結果を踏まえて入会の可否を審議のうえ、その結果を当該クラブに書面または電磁的方法により通知する。なお、当該審議により入会を承認された場合であっても、前項第5号、第7号および第9号の要件を満たさないことが明らかになったときは、Jリーグへの入会は認められない。
※クラブにとって、競技成績(順位要件)が決まる前の決議が有益であるため、時期を削除

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