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【インタビュー】ストライカー顔負けの豪快ボレー弾! 野田裕喜は良質アシストに感謝「シンくんのいいボールが全て」

2022.07.12

[写真]=J.LEAGUE

 6月の『明治安田生命Jリーグ KONAMI月間ベストゴール』が発表され、J2はモンテディオ山形に所属するDF野田裕喜が受賞した。

 受賞したのはJ2第23節・ベガルタ仙台戦の33分に決まったゴール。右サイドからのフリーキックを豪快なジャンピングボレーで合わせてゴールネットを揺らした。「思い切ったプレーを選択したことが結果的に良かった」という一発を振り返ってもらった。


取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)

――まずは6月の『明治安田生命Jリーグ KONAMI月間ベストゴール』受賞おめでとうございます! モンテディオ山形にとっては4月の山田康太選手(第10節vsFC町田ゼルビア 80分のゴール)に続き、今季2度目の受賞となりました。
野田 この賞を受賞できるとは思ってもいなかったので、正直ビックリしています。今季2度目の受賞は嬉しいことですし、もっともっと賞をいただけるようにチームとしてゴールを取り続けていきたいと思います。

――仙台戦で決めたスーパーゴールを改めて振り返っていただけますか?
野田 フリーキックのポイント、相手のディフェンスライン、ゴールまでの距離を計算して、どうフィニッシュに持ち込むかを自分の中でイメージしていました。キッカーのシンくん(國分伸太郎)には「このあたりにボールを入れてくれれば、枠内には飛ばせる」という話をしていて、本当にイメージ通りのボールが来たので、あとはミートすることを心掛けました。

――練習通りの形だったのでしょうか?
野田 試合前日のセットプレー練習の際に、ナベさん(渡邉晋コーチ)から「相手のディフェンスラインは先に下がる」という情報もありました。あとはシンくんのいいボールが全てかなとは思いますね。思い切ったプレーを選択したことが結果的に良かったと思いますし、僕自身チームを助けられるようなゴールは常に狙っているので嬉しかったです。

――例えば槙野智章選手(ヴィッセル神戸)やセルヒオ・ラモス(PSG)など、得点力が持ち味のDFもいます。6月は2得点を決めましたが、得点に対する意欲についてはいかがでしょうか?
野田 得点力のあるDFは相手にすれば嫌ですし、チームにとっては助かる存在になると思います。ただ、スカウティングを担当してくれるスタッフの方、いいキッカーの選手がいてこそゴールは生まれるものだと思いますし、ブロック役や潰れ役でも貢献できることはあるので、どんなプレーでもまずはチームの助けになることを心掛けています。

――野田選手のキャリアについてもうかがいます。いつ頃からセンターバックをやり始めたのでしょうか?
野田 ボランチやセンターバックを主にやっていましたが、センターバックに一本化したのは大津高校に入学してからです。大津高校には歴代素晴らしいセンターバックの先輩方がいますし、監督の平岡(和徳)先生からも「これからはセンターバックで行くぞ!」という声をかけていただき、先輩方に追いつけるようにと決心しました。

――ちなみに憧れの先輩はいらっしゃいますか?
野田 川崎フロンターレの谷口彰悟選手ですね。年齢は少し離れていますが、彰悟さんが大津高校の頃からずっとプレーを見ていたので、今も憧れの存在です。

――その谷口選手を筆頭に空中戦の強さを持った選手を多く輩出していると思うのですが、その秘訣は何でしょうか?
野田 1年生の朝練時は、ぶら下がっているボールを約1時間ヘディングするという練習をしていました。「紐が千切れるまで!」と言われていて、一回本当に紐が千切れたこともあります(笑)。落下地点の予測など、ヘディングに対する感覚が身に付きました。

――ヘディングに加え、攻撃の起点になるキック精度も持ち味だと思います。この武器はどう磨かれていったのでしょうか?
野田 平岡先生から「対角のフィードがつながればチャンスになるから、まずは遠くを見なさい」という指導を受けていたので、ヘディングと並行してずっと練習していました。大津高校時に培われたものは、今にも生きていると思います。

――大津高校を卒業して、ガンバ大阪に加入しました。ガンバでの4シーズンを改めてどう振り返りますか?
野田 同じセンターバックの岩下敬輔さんにはピッチ内外でたくさん可愛がっていただきました。皆さんは少し怖いイメージを持っているかもしれませんが……(笑)。「今、試合に出られなくても腐るなよ」と声をかけ続けてもらい、良き兄貴分としていろいろなことを教わりました。Jリーグを代表する選手たちと毎日トレーニングができたことも含め、ガンバを選んで良かったなと思います。

――2019年5月に育成型期限付き移籍で山形に加わり、翌年には完全移籍へ移行しました。オファーが届いた際の心境はいかがでしたか?
野田 断る選択肢はなかったですね。年齢的にも、ガンバでの立ち位置的にも、一度外に出るべきだと感じていました。肩書きはプロサッカー選手ですが、当時は経験や技術など中身が伴っていない状態だったと思います。本当の意味で山形がプロサッカー選手として育ててくれていると感じているので、オファーをくれた山形には感謝しています。

――早くも前半戦を終えましたが、今季ここまでについてはどう振り返りますか?
野田 ケガ人も多くて苦しい時期が続いていますけど、ここで方向性がブレてしまってはダメだとみんな思っています。結果が出るまで自分たちの攻撃的なサッカーをやり続けることが大事だと思います。

――では、最後にファン・サポーターへメッセージをお願いします。
野田 毎試合、応援ありがとうございます! 今は勝てていなくて苦しい状況が続いていますが、選手一人ひとりは歯を食いしばって戦っていきたいと思います。これからも応援よろしくお願いいたします!

By 三島大輔

サッカーキング編集部

サッカーキング編集部所属。 週刊J2&月刊J3 MC。Jリーグ&ブラジルサッカーウォッチャー。

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