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徳島MF渡井理己がFiNANCiEと共に描く「徳島に対する恩返し」とは

2022.05.25

徳島ヴォルティスの10番を背負う渡井理己は、ピッチ外での活動で注目を集める選手の一人。自身のnoteで試合の“解説記事”を執筆・販売をはじめ、大きな反響を呼んだ。更に、その収益をホームタウンである徳島への地域貢献に充てたいと、地元の小学生にボールを寄贈。湘南ベルマーレやアビスパ福岡が導入するブロックチェーンを用いたファンコミュニティ「FiNANCiE」を導入し、トークンの販売収益を徳島への地域貢献活動に充てることを発表した。

今回は株式会社フィナンシェの取締役である田中隆一氏を迎え、Jリーガー、プロアスリートとしての価値を社会に還元しようと、様々なことにチャレンジしている渡井の思いとは? そして、FiNANCiEを通じたコミュニティで何が生まれるのか。株式会社フィナンシェの取締役である田中隆一氏を迎え、その思いを聞いた。


インタビュー・文:竹中玲央奈

徳島に恩返しをしたい、という思い

ーーまず、このFiNANCiEの座組を始めた経緯を教えていただきますか?コメントをと見ていると、徳島に対しての思い入れがすごくあるなと思い。
渡井 プロサッカー選手として活動する中でいろいろなものを還元してもらっていると感じているので、それを自分が返していきたいというのが一番の思いです。今は徳島でプレーをさせていただいていますが、高校時代に自分が有名な選手かと言われるとそうではなくて、拾ってもらったところもある。徳島ヴォルティスに何かを返したい思いもありますし、ファンの人たちの声も力になっているので。実際にnoteでの収益を使って地域の学校にボールを寄贈しました。縁あってFiNANCiEを始めることになりましたが、ここで得られたものを、地域に還元したいという思いもあります。

そういった考えが22歳でできるのもすごいな、と。
渡井 ここ最近ですね。コロナになってから色々とキャリアのことやサッカー選手がやるべきことを考えるようになったのですが、どうしても人生経験が少なく知らないことが多かったので踏み出すことができませんでした。ただ、やはり自分を受け入れてくれた徳島という地には恩返しを何らかの形でしたいという思いはぶれませんでした。そんな中でマネジメント会社を通じて色々と教えてもらったり情報をもらったりする中で今回のことも聞いて、やろうと決心しました。徳島は人同士の距離が近いと思っていて、実際に応援してくれている方が多いと感じます。自分はSNSを多用していますが、その中でも色々な活動に対して温かい声をいただけますし、プレー以外の部分に期待されていることも感じるんです。そこが自分の力になっていますね。

株式会社フィナンシエの取締役 田中隆一氏

応援してくれている人たちに応えたい

田中さんにお話を聞きたいのですが、FiNANCiEのトークンをJリーガーが個人で出すのは初めてになります。
田中 僕らのビジョンとして、”個人をエンパワーメントしていく” というものがあります。その過程でチームやリーグと提携している側面があるのですが、最終的には個人にフォーカスをしたい。そんな中、今回は関係が深い友人の縁もあって渡井選手と繋がり、やってみようと。ただ、これはチームのバックアップなしではできませんでしたね。

渡井 実際、色々とチームには協力してもらっています。初めてnoteの売上を使ってボールを寄付した際に、それを大きく取り上げてくれましたし。チームとしてもいち選手の自分の活動を応援してくれていると思いました。

ただ、それこそSNSの発信もそうですが、競技外のことで目立つと競技面で成績がでないときにバッシングをする人もいます。
渡井 そこは少なからずあったと思いますし、特に昨年から発信活動を始めていたのですが、その中でチームとしても個人としても結果が出なかった部分があります。ここをよく思わない人もいますけど、そこは繋げるべきではないのかなと。それよりも、良く思ってくれる、応援してくれる人を大事にしたいと考えて、こういう活動は続けるべきだと思いました。

選手が情報発信して、そのリターンを地域に還すのは非常に意義がありますし、選手もそういったことが求められる時代になったのかなと。
田中 本当にそう思います。渡井選手もお話してくれましたように、サッカーのことを頑張るというのはプロとしては当たり前にやっていらっしゃると思います。でも、そこに加えて社会性を身につけることか、広く社会と接点を持つことは新しい世代が実践して成功事例を作るべきじゃないかなと思っているんです。渡井選手のようにこれからの選手、チームでも10番を背負って中心となっている選手が競技外でこういった取り組みをするのが当たり前のようになれば、チームに対しての価値貢献がもっとできると思うんですよね。一つのロールモデルとなっていただいて、他の選手に横展開していく、業界全体にこの渡井選手のFiNANCiEを使った取り組み・座組がポピュラーになることを期待しています。

渡井選手はFiNANCiEの話を聞いて、率直にどう思いましたか?
渡井 SNSやnoteで発信をしている中で一方通行になることが多かったとは感じていました。自分のコンテンツを購入してもらった方とのコミュニケーションがとれないという点を課題に感じていましたし、改めてファン・サポーターとの関係性を持てる場所がほしいなと思っていました。FiNANCiEはトークンを買ってくれた人と交流できる場所もあるので、そこは魅力的だと思いましたし、相性が良いなと思ったんです。

渡井選手の取り組みに賛同してくれている人がFiNANCiE上でも多いですが、やはりアスリートの影響力は大きいなと。
田中 アスリートが社会に与える影響はとても大きいと思っています。ただ、与え方がまだ少ないんだと思うんです。FiNANCiEとしてはその影響力を与えられるプラットフォームになりたいなと。渡井選手のトークンを持っているイコール徳島を盛り上げたいと思っている、という前提の上で、徳島の名産品が特定の場所で無料になるということが合っても良い。それを受け取ってトークンホルダーがSNSで感想を投稿して、それを見た人が徳島とその名産品に興味を持つ、というような流れができると良いですよね。互いに貢献し合って、それによってメリットが出てきて、このトークンの価値と欲しい人も増えてくると。

渡井 実際に徳島駅前にある選手もよく行くお店があるのですが、トークンホルダーに対して、終日5%オフのサービスをしてくれることになりました。田中さんがおっしゃったような形での貢献はこういったところになるのかなと。ここで成功事例として他の店舗にも展開していきたいなと。もちろんファンの方1人1人に対してもそうですが、色々と縁がある企業さんと一緒に何かを取り組んで、徳島県全体を盛り上げられるような活動ができれば良いなと考えています。あとは、空き家の活用も考えています。地元の子供たちとトークンホルダーの方々が交流できるような場所作りができれば良いなと。プレイルームのような形でテレビも置いて、ヴォルティスの試合を流すということも考えています。

田中 場を作るというのは良いことですよね。デジタルの時代で重要視されなくなってきたように思えても、やっぱりリアルの場所は重要だと思っています。そこをうまく繋いでいくことをFiNANCiEを通じてやりたいですよね。デジタルだけで完結するのは面白くないと思っているので。先程仰ってようにデジタルで繋がったトークンホルダーにリアルの場所で特典を出すとか、逆にリアルの繋がりを補完するためにデジタルを活用していく、というような形もありですね。

サッカーだけでは埋めない価値を、作ってい

FiNANCiEとしても日本のスポーツチームやスポーツ界に対して、何かインパクトを与えたい、貢献したいという思いもあるかなと思います。
田中 僕はサッカー経験者ですが、スポーツ業界よりもテック業界での歴が長い中、インターネットの価値はまだまだ大きいなと思っています。その一つとして、FiNANCiEも使っているブロックチェーンの技術は、現在だけではなく将来の価値も可視化できる。ファンコミュニティでそれができるのは大きいと思っています。将来、海外へ出ていくような選手を早いうちからトークを購入することで応援することで、将来的にその選手が有名になった際に昔から応援して証明にもなるし、価値も高まります。可能性がある人たちを周りの人達がサポートしていくという、業界全体の発展に繋がるエコシステムを作っていきたいです。

渡井 僕はFiNANCiEを通じてファンや応援してくれる人たち1人1人に寄り添って、ここまで話したような地域への貢献をしたいと思っています。こういった活動をすることは、いち選手としてではなく徳島ヴォルティスとしての価値を上げたり、いろんな方に影響を与えたりできる可能性があるのものだと思っています。プレーをするだけでは生み出せない価値を、これからも作っていきたいです。

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