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「誰かがやるではなく、自分たちが…」相模原の未来のため、藤本淳吾は戦い続ける《8月 J2月間MVP》

[写真]=J.LEAGUE

 8月の『明治安田生命Jリーグ KONAMI月間MVP』が発表され、J2はSC相模原に所属するMF藤本淳吾が受賞した。8月は全4試合に先発出場し、2010年以来となる3試合連続ゴールをマーク。「年齢は関係ない」「まだまだやれることを証明したい」と意気込む背番号4は、目標のJ2残留に向けて力強い言葉を残してくれた。

取材・文=三島大輔

――まずは8月の『明治安田生命Jリーグ KONAMI月間MVP』受賞おめでとうございます!
藤本 今季は2・3月の月間ベストゴールを受賞して「次は月間MVP!」と思っていたので、受賞できて良かったです。

――8月は1勝2分け1敗という成績でした。もちろんもっと勝ち点を積み重ねたかったという気持ちもあると思いますが、内容的な手応えを掴むこともできたのではないでしょうか?
藤本 内容は試合を重ねるごとに良くなっていますし、得点も徐々に取れるようになってきました。ただ、後半に守る時間がどうしても長い。その時間帯にボールを持って追加点を奪うことができたり、主導権を握りながら守備の時間を減らすことができるともっと楽になると思います。

――東京五輪開催に伴う約3週間のブレイクがありました。この期間をどう活用しましたか?
藤本 約1週間のキャンプを行いました。チーム全体で頻繁にミーティングも行って、今季ここからどう巻き返していくのかを共有しました。守備の堅さや切り替えは良かったのですが、前半戦はどうしても得点が取れなかった。チームとしてどうボールを運んで崩すのか。攻撃のアイデアやイメージの共有が乏しかったので、そこは高木監督とともに取り組みました。高木監督の戦術や考えを落とし込むことができた1週間でしたね。

――練習はハードでしたか?
藤本 だいぶ(笑)。緊急事態宣言の影響もあり、あまり長い期間ではなかったですけど、やれる条件の中で精一杯のことはやれたかなと思います。

――巻き返しに向けて、今夏8名の選手が新たに加わりました。
藤本 新加入の選手たちはほとんど試合に出ていると思います。若いですけど、育成年代で実績を積んだ選手たちが多く加入しました。プロになってなかなか試合に絡めていない状況の中、相模原のために来てくれたので、彼らのキャリアにとってすごくいい経験になると思います。ですが、いい経験で終わるのではなく、自分が将来どんな選手になっていきたいのかが大事です。相模原を残留に導く活躍ができたら、自分の価値はもっと上がっていくと思います。技術的にしっかりしている選手たちばかりなので、これからも楽しみにしています。

――藤本選手の活躍に目を向けますと、8月は全4試合に先発出場し、3試合連続ゴールを記録しました。
藤本 清水エスパルスに在籍していた2010年に3試合連続ゴールは記録していて、11年ぶりに達成できたことは良かったです。3試合にとどまらず、コンスタントに結果が出せるようにもっと努力してもっと上手くなりたいという気持ちが強くなりましたね。

――第27節のジュビロ磐田戦では見事な直接フリーキックを決めました。あのゴールシーンを振り返っていただけますか?
藤本 同じくらいの距離から蹴った1本目の感触も良かったです。2本目はより近かったですし、GKが動くという情報もあったのでどのコースに蹴るかは迷いましたが、GKの三浦龍輝選手から『壁を越えたら止めてやる!』というギラギラ感が伝わってきて、あえてGKがいる方に蹴りました。心理的な駆け引きもありましたね。先に蹴るコースを決めてしまうと相手に読まれてしまうので、あのゴールシーンでは助走の時にコースを決めました。

――近年では壁の下にも選手を配置したりとフリーキック対策も進んでいます。キッカーとして感じる部分はありますか?
藤本 以前までは壁の下を狙うのも選択肢でした。それこそロシアワールドカップのコロンビア戦で日本代表もやられましたよね。サッカーの戦術と同じだと思っていて、新たな要素が出てくるとその対策が出てきて、それをどう打ち破っていくのかを考えて適応しなければなりません。メッシがFKを蹴る際にはGKの横にもフィールドプレーヤーがカバーに入って、ペナルティエリア内に相手が全員いるみたいな状況は勘弁してほしいですけど(笑)。

――フリーキックの名手でもある藤本選手が「すごい!」と思うキッカーはいますか?
藤本 高校の先輩でもある(中村)俊輔さんですね。左利きという共通点もありますし、マリノスでは生で練習を見て「なるほど」と思うことが多く、参考にしている部分もあります。今でも俊輔さんの映像は見ますね。

――フリーキックにしてもPKにしても、藤本選手が得点を取ると着実に勝ち点に結びついていると思います。
藤本 チームが勝つのであれば誰が得点を取っても良いと思います。第28節のジェフユナイテッド千葉戦では、最後に(木村)誠二が決めて勝ちましたけど、あれでいいんです。もちろん得点が取れていることは嬉しいですよ。昨年の夏に加入して、今年で37歳。年齢について言われることも多いですが、「まだまだやれるんだぞ!」というところをもっと見せたいですし、それがモチベーションにもなっています。「やれる!」ということを証明するためにはまだまだ足りないと感じていますし、もっともっと結果を出さないといけないと思っています。

――なかなか所属クラブが決まらない期間もありました。「まだまだやれるんだぞ!」という姿を見せたい気持ちが藤本選手を奮い立たせた理由なのでしょうか?
藤本 それはモチベーションになっている部分です。各チームの経営や編成の事情もあると思いますが、ピッチに立てば「年齢は関係ない」と思っています。

――そういった意味でも獲得してくれた相模原で「結果を出して残留させる」という思いは人一倍強いのではないでしょうか?
藤本 活躍して残留させることができれば恩返しになると思っています。だからこそ今季は頑張りたいと思います。

――長いシーズンも残り約3カ月となりました。残留争いも熾烈になってきています。
藤本 ライバルの結果うんぬんではなく、自分たちが練習したことをどれだけ試合に出せるかが大事です。もう自分たちが勝ってポイントを重ねるだけだと思っています。他のチームの結果も自然と耳には入ってきますけど、心境的には「ああ、勝ったんだ」くらいですし、暫定順位もそこまで気にしていません。自分たちは何をやれるのか。何をしないといけないのかにフォーカスしていきたいと思います。

――残留を勝ち取るため、これからさらに突き詰めていきたい部分はありますか?
藤本 やはり追加点を取ること。そのためにシュートを増やすことです。今はどうしても後半に攻め込まれる時間が長いので、もっとボールを握ることができれば必然的に守備の時間は減りますし、リードしていれば時間も進んでいきますから。そうした時間を増やしながら、追加点を取ることができるようになれば自分たちの成長を感じられると思っています。

――では、最後に意気込みも合わせて相模原のファン・サポーターへメッセージをお願いします。
藤本 個人的には結果、存在感をもっともっと出していきたいですし、まだまだやれることを証明したいと思います。チームとしては残留を目標に掲げています。今はクラブハウスや練習場がない厳しい環境ですけど、その状況を変えるにはJ2に残留して分配金を多く得ることも必要だと思っています。誰かがやるではなく、自分たちがその環境を作っていけるようにしたいです。

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