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清水FWディサロが「気持ちで押し込んだ」移籍後初ゴール…指揮官も「ベストな試合」と評価

2021.05.06

[写真]=J.LEAGUE

「クロスが上がってくるとしたら、ニアかなと思った」。ストライカーとしての“嗅覚”が、待望の移籍後初ゴールを引き寄せた。

 5日に行われたYBCルヴァンカップ・グループステージ第5節のベガルタ仙台戦、清水エスパルスのFWディサロ 燦シルヴァーノは、後半開始早々の48分にチーム3点目のゴールを挙げた。GK永井堅梧が前線へロングボールを送ると、後藤優介が収めて左サイドでキープし、相手DFを引きつけながらグラウンダーのクロス。これにいち早く反応したディサロは、ニアサイドでダイレクトで合わせ、ゴールに流し込んだ。


「コースを狙ったと言うよりはミート重視で、気持ちで押し込んだ。ルヴァン杯ですけど、J1のカテゴリーで初ゴールを決められてホッとしているし、『やっと取れた』という喜びも大きい」

 ディサロはギラヴァンツ北九州に所属していた昨シーズン、J2で日本人トップの18得点を記録。得点源として大きな期待を受けながら今シーズン、清水へ完全移籍で加入した。しかし、リーグ開幕戦での先発出場に始まり、リーグ戦、カップ戦でコンスタントに出場機会を得ながらも、1点が遠かった。

「自分自身では良いシュートだと思っても、GKのスーパーセーブに防がれたりしたこともあった。サポーターの皆さんに期待してもらいながら、なかなか点が取れず、悔しかった。ただ、それでも上手くいかない期間を下向いて過ごすのではなく、常にポジティブに過ごそうと心掛けてきた。シュート練習をやったりとか、自分なりに取り組んできた結果」

 歯がゆい気持ちを胸に封じ込め、持ち前の明るさを維持して日々の練習に取り組んできたことが実を結んだ。先週に体調を崩した影響から、今試合ではメンバー外になる可能性もあったが、先発で起用したミゲル・アンヘル・ロティーナ監督に対し、「起用に応えたいという思いもあった」という。

 ロティーナ監督は、自身の選手時代の経験を踏まえながら、今試合で1得点1アシストと結果を残したディサロのプレーを評価した。

「自分もFWだったので、ストライカーにとってゴールを決めることの重要性はよく分かっている。彼のことを考えるととてもうれしいし、今日はゴールだけでなくアシストもして、ディフェンス面でもハードワークしていた。彼にとって今シーズン、ベストな試合になったと思う」(ロティーナ監督)

 公式戦9試合ぶりにつかみ取った白星は、今シーズン最多の4得点をマークしての4-1の快勝。「前半に先制される苦しい立ち上がりだったけど、みんな落ちることなくゴールを目指し、逆転してからも3点目、4点目と攻めていけたのが本当に良かった」(ディサロ)と、課題だった得点力不足の改善に向け、明るい兆しが見えてきた。

 また、今シーズンのホームゲーム初勝利は、サポーターやチーム関係者など、皆が待ち望んでいた結果だ。「大会は違うが、すべてはつながっている。ホームで勝てていないプレッシャーからも解き放たれ、ポジティブにこれからの戦いに向かっていける」とロティーナ監督。中3日で行われる横浜FCとのリーグ戦に向け、勢いをつなげていく。

文=平柳麻衣

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