FOLLOW US

【J1展望】待ちに待った、J1リーグ開幕! サッカーライターの北條聡氏が選ぶJ1注目選手5選

2021.02.25

今季のJ1では、彼らから目を離すことができない [写真]=J.LEAGUE

 2月26日、いよいよ2021シーズンのJ1リーグが開幕する。

 ワールドサッカーマガジン編集長、週刊サッカーマガジン編集長を歴任し、現在はフリーランスとして活動している北條聡氏が、今シーズンのJ1で注目すべき5選手をピックアップした。


三笘薫

[写真]=J.LEAGUE

生年月日:1997年5月20日(23歳)
身長・体重:178cm/71kg
出身地:神奈川県
所属クラブ:川崎フロンターレ
背番号:18
経歴:川崎フロンターレ

 この人を抜きにして、今シーズンのJ1は語れない。若き千両役者。常勝・川崎フロンターレの誇る一等星だ。左オープンからの優美華麗な仕掛けはもはや無双レベル。アシストばかりか、易々と得点まで奪う。まさしく一騎当千のツワモノだ。

 昨シーズンは新人最多タイの13得点に加え、12のアシストを積み上げた。途中出場が多かったにも関わらず、である。先発に定着したら、どこまで数字が伸びるのか想像もつかない。2年目のジンクスも、強まる包囲網もどこ吹く風といった趣。いったい、いつまでその勇姿をJリーグで拝めることやら。本場ヨーロッパへ旅立ってしまう前に、とくとご覧あれ。

上田綺世

[写真]=J.LEAGUE

生年月日:1998年8月28日(22歳)
身長・体重:182cm/76kg
出身地:茨城県
所属クラブ:鹿島アントラーズ
背番号:18
経歴:鹿島アントラーズ

 日本屈指の点取り屋に仕上がる寸前――と言えば、この男。鹿島アントラーズの命運を握る生粋のストライカーだ。決める。とにかく決める。空陸両用。ボックス内はもとより、外からでも豪快にネットを射抜く。

 しかも、この人が決めれば、鹿島は負けない。プロ入り以来続く不敗神話。昨シーズンは全勝だから恐れ入る。勝たせてナンボが信条。まさしく筋金入りの鹿島っ子だ。点取り屋としての優れた器量に勝者の精神まで宿っている。指揮官のザーゴが迷わず今シーズンのキーパーソンに挙げるのも納得だろう。開幕から怒濤のゴールラッシュも――あるでしょ。

明本考浩

[写真]=J.LEAGUE

生年月日:1998年1月31日(23歳)
身長・体重:170cm/65kg
出身地:栃木県
所属クラブ:浦和レッズ
背番号:15
経歴:栃木SC→浦和レッズ

 J2からやって来た新参者のブレイクは、近年の一大トレンド。今シーズンの有力候補の一角がこの人だろう。疲れ知らずの機動戦士。ハードワークの申し子だ。ボールを持ったら縦にぐいぐい仕掛け、相手ボールになれば、たちまちプレスマシンと化す。しかも小柄だが、球際に強い。敵の守備者にとっては厄介この上ない存在だ。

 役回りも多様。前線からトップ下、両翼に至るまで難なくこなしてみせる。いかにも当世風と言っていい。野心を隠さず、勝負度胸も十分。あとは実際にピッチの上で大暴れするだけだ。笑う、いや走る角には福来る――となるか。

鈴木義宜

[写真]=J.LEAGUE

生年月日:1992年9月11日(28歳)
身長・体重:184cm/72kg
出身地:宮崎県
所属クラブ:清水エスパルス
背番号:50
経歴:大分トリニータ→清水エスパルス

 数いる移籍組の中で要注目の一人に挙げたいのが、清水エスパルス入りした“鉄人”だ。2017年から3シーズン連続のフル出場。常に警告のリスクを伴うセンターバックでありながら――である。クリーンファイトに徹し、猛者たちと渡り合うのだから、その技量は並ではない。

 古巣の大分トリニータでは3バックの中央に陣取り、広角にパスを散らしてビルドアップの基点としても見事に立ち回ってきた。2年連続でJ1最多失点を記録した守備の再建に加え、攻撃面でもプラスをもたらす存在だ。キャリアの最盛期を迎えた28歳から目が離せない。

岩尾憲

[写真]=J.LEAGUE

生年月日:1988年4月18日(32歳)
身長・体重:175cm/65kg
出身地:群馬県
所属クラブ:徳島ヴォルティス
背番号:8
経歴:湘南ベルマーレ→水戸ホーリーホック→湘南ベルマーレ→徳島ヴォルティス

 注目すべきは若者ばかりじゃない。J1に昇格した徳島ヴォルティスのアイコンは一見の価値あり――だ。近年のJ2でボランチの第一人者と言えば、この人だった。捌いてよし、奪ってよし。思わずヒザを打ちたくなるような場面は数知れず。先を読む力、位置取りの妙、味方を動かす手際はまさに練達の士の成せる業だ。

 その上、チームを束ねる統率力も群を抜く。J1の舞台はプロ3年目(湘南ベルマーレ在籍)の2013年以来、実に8年ぶりとなる。あれから研鑽を積み、器を広げ、不動の地位を確立した実力を満天下に示すシーズン。その姿を見れば、円熟の極みの何たるかが分かるはずだ。

文=北條聡

SHARE

LATEST ARTICLE最新記事

SOCCERKING VIDEO