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【J1展望】今季は3バック採用で新境地開拓か…進化したアタッキングフットボールでリーグの頂へ|横浜FM

ポステコグルー監督は、チームの戦い方に若干の変化を加えてきそうだ [写真]=Getty Images

 横浜F・マリノスは『アタッキングフットボール』を貫く。

 アンジェ・ポステコグルー監督が就任した2018年から3年連続で総得点数を増やし続け、今シーズンはさらなる上積みを目指してエウベルとレオ・セアラというブラジル国内での実績を持つ助っ人選手が加わった。新たな攻撃の両輪としてかかる期待は大きい。

 ただし、チームとしての具体的な戦い方には若干の変化がありそうだ。1月下旬からスタートした石垣島キャンプ中、指揮官は身振り手振りを交えながら選手たちに細かな指導を行った。その多くが守備時の思考やポジショニングについてで、彼は意図についてこう語る。

「守備を強化するわけではない。まずはゲームをコントロールすることに重点を置きたい」

 昨シーズンはボール奪取後に縦へ攻め急ぎ、ミスが頻発して再び相手ボールにしてしまうシーンが多かった。その反省を生かし、安定したポゼッションの意識を選手たちに植えつけていった。

 その延長線上にあるのが、守備時の戦い方の変化だ。昨シーズンまでは、最前線からとにかくプレッシャーをかけ続け、それに呼応するように最終ラインもハイラインをキープした。

 ところが、今シーズンは様相が異なる。最終ラインを統率する役割を担う實藤友紀が「(前線の選手を)戻すところはしっかり戻して、中を締めて正しい立ち位置からスタートさせています」と明かしたように、ボールロスト後のプレスで奪えない場合は一度帰陣してから守備をスタートさせる戦術に取り組んでいる。

 だからこその3バック採用でもある。昨シーズンまでもポジションレスのスタイルではあったが、最終ラインは4バックをメインにしていた。2019年の優勝メンバーが多く残っており、4バックを習得できているからこそのオプション作りかもしれないが、3バックに固定してキャンプを過ごしてきたのは事実だ。

 主に畠中槙之輔やチアゴ・マルチンス、さらには新加入の岩田智輝らが3バックを形成する。前線からのプレスの強度が多少落ちたとしても、ディフェンスラインの人数は担保されている。仮にボールを持たれても、慌てず騒がず跳ね返して主導権を奪い返せばいい。

 練度という点での不安が残るものの、開幕戦で王者・川崎フロンターレと対戦できるのは立ち位置を知る絶好の機会だ。ここで手ごたえとなる内容と結果を得られれば新たな戦術理解が急スピードで進んでいくはず。ただの1試合ではなく、今後に向けた試金石となる90分だ。

 思考のベースは変えず、細かい動作に磨きをかけていく。進化したアタッキングフットボールで目指すのは、もちろんリーグの頂だ。

【KEY PLAYER】24 岩田智輝

岩田のスピードとフィジカルは、攻守両面で効力を発揮することだろう [写真]=藤井雅彦

 東京五輪世代の主力DFが2年越しのラブコールに応え、完全移籍で加入した。

 持ち前のスピードとフィジカルは、攻守両面で効力を発揮する。鋭い出足と圧力で相手からボールを奪い、味方にボールを預けてからは臆することなく最前線へ駆け上がっていく。プレシーズンキャンプでは「攻撃参加や得点力でプラスαをもたらしたい」という言葉をさっそく体現していた。

 強靭なフィジカルは、チームメイトからも高い評価を得ている。横浜FMの“マッスルキング”といえば高野遼を置いてほかにいない。その高野も「ガンちゃん(岩田の愛称)の筋肉はホンモノ。相当鍛えていないとああはならないです。骨格からして太い」と舌を巻くフィジカルは大きな武器だ。

 開幕前は3バックの右センターバックにほぼ固定されていたが、4バック採用時はセンターバックと右サイドバックの両方をこなせる。さらにボランチでの起用も検討されるなど、戦術に幅をもたらす存在としても加入した価値は大きい。

「日本有数のビッグクラブである横浜F・マリノスでプレーして、自分をもっと成長させて世界へ飛び出したいです」と、岩田はおおいなる野望を隠さない。今夏の東京五輪出場、そしてその先にある世界へ――。

 トリコロールデビューをきっかけに、岩田がさらに飛躍していく。

文=藤井雅彦

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