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【J1展望】最前線のクオリティーアップ! 昨季からの目標『TOP10』達成なるか|横浜FC

今季は、三浦(右)を除いたFW陣を総入れ替えした [写真]=Getty Images

 とにかく、昨シーズンはゴールを奪えなかった。下平隆宏監督の下でJ2時代から積み上げてきたボールを握るスタイルはJ1でも通用することを証明したが、リーグワースト5位の38得点と、ポゼッション率に得点数が比例せず得点力不足を露呈。最終ラインから敵陣まではスムーズにボールを運ぶシーンを多く作り出した一方で、クロスやラストパス、シュートと最も大事な局面であるフィニッシュの精度が伴わず、ゴールを奪えなかったことで多くの勝ち点を落とした。

 その課題を克服するために、今シーズンはレジェンドの三浦知良を除いたFW陣を総入れ替え。クレーベ、伊藤翔、渡邉千真といったストライカーに加え、小川慶治郎、ジャーメイン良といったサイドでもプレー可能な選手たちを獲得し、最前線のクオリティーを上げることに成功した。その効果は早速キャンプ中から出ているようで、聞こえてくるのはポジティブな声の数々。「ボールの収まりが全然違う」「確実にシュートまで持ち込める回数が増えた」「ゴールを取れる雰囲気が出ている」。下平監督をはじめ、スタッフたちはかなりの手応えを感じている。

 前線に豊富な人材を手に入れたことで様々な組み合わせや形を試すことが可能となったが、ゴール前に厚みをもたらすことを主眼に置き、今シーズンはオーソドックスな4-4-2がベースになることが濃厚だ。昨シーズンに多く見られた現象である、サイドやゴール前までボールを運ぶもペナルティーエリア内の人数が少なくシュートまで持ち込めないというシーンが減ることが期待される。なかでも、昨シーズンまで2年間プレーしたJ2のジェフユナイテッド千葉で24ゴールを奪った実績を持つクレーベが強い存在感を示しており、現時点ではFWの軸となりそう。正確なポストワーク、豊富なシュートパターン、強靭なフィジカルはJ1の舞台でも通用しており、指揮官が求める前線からのプレッシャーにも意欲的に取り組んでいる。アバウトなボールや苦し紛れのクリアボールをも収める力を持つブラジル人FWの存在は、ビルドアップが手詰まりになってしまった時に心強い。

 昨シーズンから継続してきた目標である『TOP10』に向けて得点数を増やすことと失点数を減らすことの両方が求められるが、下平監督のチーム作りやサッカー哲学、指揮官としてのポリシーを考えれば、守備的な戦いに針を振ることは到底考えにくい。そうなれば、目標達成のために得点力アップは必要不可欠だ。今シーズンはパスを繋ぎ、ボールを前進させることだけでなく、最後の局面にエネルギーを注いで戦いたい。

【KEY PLAYER】30 手塚康平

加入2年目の手塚は、才能を爆発させることができるか [写真]=YOKOHAMA FC

 いくら今シーズンの課題が得点力アップと言っても、“下平サッカー”の根幹を支えるものは自陣から丁寧にボールを繋いでいくビルドアップ。ロングボールを多用しシンプルに前線に放り込む形ではなく、ピッチ上にフリーマンを作り出し、空いているスペースを突きながらボールを前進させていくことが大前提にあることは揺るがない。そのスタイルの中心にいるのが、今シーズンで加入2年目となる手塚康平だ。下平監督とは柏レイソルアカデミー時代からの付き合いで、誰よりも指揮官の掲げるスタイルを理解している。

 期限付き移籍でチームに加わっていた昨シーズンはチームに馴染むのに多少の時間を要し、なかなかパフォーマンスが上がらなかった。それでも後半戦に入るとフィット感が高まり、アンカーやボランチなどチームの心臓部を担った。柏時代に披露していたスルーパスやミドルシュートはいまだ影を潜めているが、ゲームメイク力は相変わらず高く、チーム内の信頼は厚い。

 今シーズンからは完全移籍に移行し、頭からつま先まで身も心もすっかり横浜FCの人間となった。プロデビュー当時から持っている能力は申し分なく、あとはそれをコンスタントにピッチ上で発揮するだけ。毎年のようにそう言われてきたが、いよいよ2021シーズンがその才能を爆発させる1年になるかもしれない。

文=須賀大輔

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