[写真]=兼子愼一郎、金田慎平
■名古屋グランパス 得意のホームで連敗ストップへ。回復状況がカギを握る
【プラス材料】
今季リーグ戦で初の連敗を喫したチームだが、逆に吹っ切って臨む試合にすることもできるだろう。川崎フロンターレ相手の敗戦は内容的に好試合であり、逆に横浜F・マリノス戦は内容の悪さが最後まで尾を引いた。
自分たちの良い時と悪い時をわずか4日間で明確に体験したことで、油断も隙も名古屋グランパスの選手たちからは排除されているはず。奮闘を続けるMF米本拓司とMF稲垣祥の攻守における貢献度を無駄にせず、チームが一体となった本来の組織的なまとまりを取り戻し、チャンスとピンチに執念を出す。
得意とするホームでの戦いは、サポーターの後押しも大きな追い風。これ以上の連敗を止めるべく、高まりを見せる選手たちの貪欲なプレーに期待だ。
【マイナス材料】
疲労回復の状況が最大の焦点だ。川崎F相手に素晴らしい試合を見せたチームだったが、アウェイでの中2日での連戦のダメージが横浜FM戦の敗因のひとつであったことは火を見るよりも明らかだ。ACLの日程変更により7日間で3試合という過酷なスケジュールを強いられる中、コンディション面での劣勢は今回も予想されてしかるべき。
負傷者続出で大幅な選手の入れ替えもしにくいチーム状況は、それほど多くの変化を伴わずにベガルタ仙台を迎え撃たねばならないことを示唆しており、「気力の勝負」と単純な言葉では表現できない負担と負荷を背負って選手たちは戦う。
文字どおり身を削るような90分間をどのようにマネジメントするかは、指揮官・選手ともに問われるところではある。
文:今井雄一朗
■ベガルタ仙台 ピッチ内外で問題が噴出。負傷者の帰還が唯一の救いか
【プラス材料】
プラス材料に乏しい状況にある。それでも何かを見つけるとすれば、まずは負傷で離れていた選手の復帰が続いていること。前半戦を欠場していたMFイサック・クエンカは次第に出場時間を増やし、前節の浦和レッズ戦では先発出場。MF松下佳貴もさらに長時間プレーできるようになればボール保持の面で大きなプラスだ。また、前節は途中出場でDF蜂須賀孝治が戦線復帰。彼らの帰還を追い風にしたい。
あとは最近の相性か。昨季リーグ戦の名古屋グランパス戦は2戦2勝。『パロマ瑞穂スタジアム』でも勝利した。今季も開幕戦で対戦して引き分けており、悪くはない。
そして、日程面での優位性に望みを託したい。名古屋が21日にリーグ戦を戦って今節を中2日で迎える一方、ベガルタ仙台は18日の前節から1週間の準備期間がある。
【マイナス材料】
チーム状況はどん底と言っていい。前節の浦和戦は今季最多6失点で大敗。リーグ戦では8月8日の第9節・ヴィッセル神戸戦(2◯1)以来、13試合連続で勝利から見放されている。2010年に14試合連続勝ちなしという記録があり、それに迫ってきた。
さらに、水曜日の他会場の結果によって、暫定ではあるが18位になった。今季は降格がないとはいえ、心理的なダメージは大きい。最下位からはい上がるために何ができるかが問われている。
また、ピッチ外でもチームに激震が走った。MF道渕諒平が週刊誌の報道を受け、20日付けで契約解除となった。試合に集中するのに難しい状況だが、逆境を乗り越えることはできるか。
文:totoONE編集部