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真の意味でクラブの中心に——バンディエラへの道を歩む湘南・齊藤未月が見据える2020年

今季から副キャプテンに任命された湘南の齊藤未月 [写真]=武藤仁史

 プロデビューから早4年。21歳という若さながら、すでにクラブの顔になりつつある。湘南ベルマーレ齊藤未月は、2020年もジュニア時代から慣れ親しんだライトグリーンのユニフォームを身にまとう。しかし、今年は心なしか顔つきが一味違うように見えた。副キャプテンとなり、自覚と渇望が芽生えた彼は、東京オリンピックとその先を見据えている。

インタビュー・文=生駒 奨
写真=武藤仁史

——今日は2020 Jリーグ キックオフカンファレンスの会場でインタビューを実施しています。会場に来てみて、開幕への実感が湧いてきましたか?

齊藤未月(以下齊藤) オリンピック世代の選手がたくさん来ているので、顔を合わせて改めて刺激を受けましたし、もちろん開幕に意気込む気持ちはあります。それに加えて、こういう大きい場所にたくさんの人が来て、開幕に向けたイベントを大々的な形でやる。Jリーグが日本で最も人気があるスポーツのひとつなんだなと実感できています。

——本当ですね。それでは、今シーズンのチームについて聞かせてください。湘南はスペインでキャンプを行っていました。どのような手応えを感じていますか?

齊藤 僕らは2週間弱をスペインで過ごして、5試合を消化しました。他のクラブより試合数をこなしていると思うので、ゲーム体力をつけたりゲーム勘を鍛えたりといった部分や、戦術のすり合わせはしっかりできていると思います。新しい選手もたくさん入ってきましたが、彼らとの連携の構築も他のチームよりできてるんじゃないかなと思います。

——国内でキャンプを実施した他クラブと違い、湘南は練習試合でスペインのチームと対戦しました。その中でどんなものが得られましたか?

齊藤 ヨーロッパはウィンターブレイクがあって、そこでキャンプをしているチームが多いんです。シンプルに僕らが戦った相手はまだシーズン中。そういったコンディションのいい相手と試合ができたというのは大きかったです。相手は後半戦に向けた最終調整という意味で、本気でぶつかってきてくれました。海外の選手は強度が高いので、彼らと競ることで体に負荷をかけて鍛えることができました。フィジカルはかなり仕上がっています。

——キャンプを通じて、チーム全体の仕上がり具合をどう感じていますか?

齊藤 新しいチームになっているので、初めから全部うまくいくとは思っていません。公式戦が始まってみないと分からない部分も多い。でも、手応えは感じられている。いい感触でプレーできるんじゃないかなと思っています。

——昨シーズンはJ1参入プレーオフをドローで終え、ギリギリでのJ1残留となりました。それを踏まえて、今季の目標や、その目標のために必要となることを教えてください。

齊藤 去年はいろいろなことがあって、降格してしまってもおかしくないと思っていました。それでも最後まで戦って、J1に残ることができた。そこに一番達成感がありましたし、最低限のミッションをクリアできたと感じています。今年はそれを繰り返してはいけません。高い順位を取るためには、得点が大事になってくると思っています。僕らは去年、枠内シュート率がリーグで最下位でした。それは監督からも「必ず改善しなければならない部分」として挙げられています。ゴールを決める、得点から逆算したプレーを増やすということが大事だと思います。

——ご自身は2018年シーズン、2019年シーズンと続けてリーグ戦で1得点。得点意識は上げていきたいですか?

齊藤 間違いないです。僕自身、今シーズンは5得点5アシストを最低限の目標にしています。それはチームのために、というのもそうだし、僕の成長のためにも必ず必要になってくる数字だと思います。意識して取り組んでいきたいです。

——力強いですね。その目標に向けて、現時点で自身のコンディションはどのくらいまで上がってきていますか?

齊藤 僕は1月2日からU-23日本代表としての活動でタイ遠征に行って、暑い中で公式戦を戦ってきました。そのままクラブのキャンプに向かって試合もこなしているので、コンディションは本当にいい状態です。シーズン中でも変わらないようなコンディションを保てると思います。

——昨シーズンは苦しい時期もありながら、後半戦になるにつれてすごみが増していった印象があります。改めて、昨シーズンで最も伸びた能力や、これがあったから最後までやり切れたと感じられた部分について教えてください。

齊藤 やっぱり、ボールを奪い切る力。奪ってから前に出ていく、本来の湘南がやるべきスタイルを僕自身が体現できた。その精度やボールを奪うクオリティが最初より増した、レベルアップしたからこそ、チームにいい影響をもたらせたと自負しています。そこが一番レベルアップできたと感じられる部分です。

齊藤の口調には、昨季までに増して自信と自覚がみなぎっていた [写真]=武藤仁史

——昨シーズンに得た強みがある中で、今シーズンは浮嶋敏監督からどのような役割を期待されていると考えていますか?

齊藤 今年は敏さんから副キャプテンに任命していただきました。チームを引っ張ることはもちろん、チームを勝たせることが大きな役目だと感じています。自分自身の成長も大事ですけど、敏さんはそれよりも結果を重視する監督だと思うので。“勝利”という結果を出すことにこだわってほしいという期待を感じています。

——なるほど。とはいえ、チーム内での競争も激化しています。ボランチには大宮から茨田陽生選手が加入するなど、層が厚くなりました。ライバルたちと比べて、自分のストロングポイントは何だと思いますか?

齊藤 ボールを奪い切る力と、奪ってからの推進力には絶対の自信があります。あとは、ピッチに立っているときは、常に100パーセントの力でプレーできること。これに関しては、ポジションに関係なく、チームの中で誰にも負けていないはずです。敏さんはそれにプラスアルファを求めてくると思いますけど、そこはアピールしていきます。

——では、Jリーグ全体に視野を広げてみると、絶対に負けたくないクラブや、ライバルだと感じている選手といった存在はありますか?

齊藤 そうですね……。やっぱりフロンターレの田中碧選手ですね。同じポジションでオリンピック世代の代表でも一緒ですから。フロンターレは同じ神奈川県勢として意識していますが、去年はリーグ2試合ともに大敗してしまって悔しい思いをしています。そのときに田中選手にも「やられたな」という気持ちになりました。僕らもよりレベルアップをして、ホームでもアウェーでも、どんな内容でもいいので絶対に試合に勝ちたいと思っています。

——ライバルとしては同じボランチの田中碧選手選手の名前が出ました。それでは、齊藤選手が理想とするボランチ像はどんなものですか?

齊藤 海外リーグで言うならチェルシーのエンゴロ・カンテ選手。展開の速い現代サッカーでは、カンテ選手のようなボックストゥーボックスの選手がどのチームにも1人や2人必要になってくると思っています。カンテ選手は本当に気が利くというか、監督コーチ、一緒にやっているプレーヤーが見て「すごい」と感じる選手だと思います。ああいう選手に自分もなりたいですね。

——現在でもカンテ選手に近いスタイルでプレーされていると思いますが、さらに近づければ湘南にとってはこれ以上ない武器になりますね。

齊藤 はい。自分自身でも、もっともっとできると思っています。

——期待しています。さらに、今年は東京オリンピックが控えています。そこに向けた意気込みも聞かせてください。

齊藤 一生に一度あるかないかの大舞台だと思います。もちろん、まず選ばれることが大事ですが、それにはJ1で優勝争いをしているクラブで活躍することが重要。大舞台で自分の力を存分に発揮できるように、まず湘南で試合に出て、勝つことを考えていきたいです。

——オリンピックはもちろん重要な大会ではありますが、齊藤選手はその先にあるA代表でも中心になれる存在だと思います。そのA代表への想いを教えてください。

齊藤 今は森保さんがオリンピック代表と監督を兼任されているので、めちゃくちゃチャンスだと思っています。そのチャンスをつかむかどうかは自分次第。森保さんも言っていますけど、オリンピックに選ばれる前にカタール ワールドカップのアジア予選があるので、そこでA代表に選ばれることをプレーヤーとして目標にしています。たった半年間で世界が変わるのがサッカー選手、アスリートの世界なので、常に上を目指してやっていきたいです。

——齊藤選手は湘南というクラブの生え抜きで、すでにプロとして長いキャリアを築いています。サポーターからもすごく愛されている印象がありますが、ご自身から見てサポーターはどういう存在ですか?

齊藤 昨シーズンは、苦しい時期もあった中で、サポーターが常に身近な存在として、ずっと僕たちを応援してくれた。何度もスタジアムに足を運んでくれました。よく「もし僕が湘南のサポーターだったら、そこまでできるだろうか?」と考えるのですが、とてもできないだろうと思うくらい、どんなときも応援してくれます。そんなサポーターの皆さんは僕にとって宝物ですし、本当に大事にしないといけない存在だと思います。期待に応えるためにも、皆さんが求める以上のことを常に出し続けていきたいと思っていますので、引き続き応援してほしいです!

サポーターの大きな期待に必ず応えることを誓った齊藤 [写真]=武藤仁史

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