2019.11.28

【インタビュー】J1昇格を果たした横浜FC・松井大輔が語る今の自分とJ2

横浜FC在籍2年目でJ1昇格を決めて喜びを語る松井大輔[写真]=藤井雅彦
横浜F・マリノスを徹底分析するWEBマガジン『ザ・ヨコハマ・エクスプレス』主筆

 京都パープルサンガ(当時)でプロ生活をスタートさせて20年目の今年、松井大輔はJ2の舞台にいた。2004年にフランスのル・マンを皮切りに、プロ生活の約半分を海外で過ごし、日本代表でも活躍した。ボールを持つと見るものを惹きつけ、ワクワクさせた。まさに、松井が“ファンタジスタ”と呼ばれるゆえんだ。

 そんな松井も今年38歳になった。横浜FCでは「やりたい」と思っていたボランチに挑戦し、頭を使ってボールを奪いに行く姿は新鮮に映った。最終戦でJ1昇格を果たした松井に、今シーズンについて話を聞いた。

取材・文=藤井雅彦

――J1昇格おめでとうございます。2019シーズンが終わっての率直な感想を聞かせてください。

松井 ホッとしています。僕個人としては、1月にカズさん(三浦知良)と一緒にグアムで自主トレを行ったおかげで、良いコンディションをキープしてシーズンを戦うことができました。昨シーズンよりもたくさんの試合に出場することができて、充実したシーズンを過ごせたと思います。

――松井選手がボランチとしてプレーする姿は新鮮でした。

松井 30歳を過ぎてからは、チャンスがあればボランチをやりたいと思っていたんです。でも所属チームの事情もあってなかなか叶わなかったんですよね。シーズン途中から監督に就任したシモさん(下平隆宏監督)がボランチに据えてくれたのは自分にとって大きな出来事でした。

――ボランチの居心地はいかがでしたか?

松井 自分が思い描いていたボランチ像は、どちらかというと泥臭く守備で汗を流す昔ながらのプレーヤーでした。でも横浜FCはしっかりとボールを保持しながら前へ進んでいくチームで、相手よりもポゼッションできるケースの多いチーム。だからテンポ良くボールを動かし、シンプルに前線の選手へボールを供給するのが自分の役割になりました。今までと違うポジションで新しいサッカー観を養いながらプレーするのは楽しかったです。

――守備の負担は気になりませんでしたか?

松井 ボールを奪う守備は好きなんです。インターセプトも、対人で奪うことも好き。でも年齢が年齢なので走るのはあまり好きじゃない(苦笑)。ただし、走らないとボールは奪えないので、効率良くボールを奪うために頭をフル回転させました。味方と相手の位置関係やボールの位置を考えて、今まで体を使って奪いに行っていたものが頭を使うようになった感じです。

――夏には中村俊輔選手が加入し、ボランチでポジションを争う構図になりました。想像していない展開だったのでは?

松井 そうですね(苦笑)。僕としてもシュンさん(中村俊輔)はトップ下をやるんじゃないかというイメージでしたから。でも、日本代表で一緒にプレーしていたシュンさんと、お互いにポジションを変えて同じチームで戦えるのはすごく幸せです。

――中村選手はポジションを争うライバルですか?

松井 その表現はおこがましいと思っていますね。チームメイトなのは間違いないですが、サッカーの実績や経験値という意味では大先輩ですから。でもシュンさんとはざっくばらんにいろいろな話をします。シュンさんはサッカーを見る目が肥えているので、話を聞いていて納得することがとても多い。他の選手とは視点がちょっと違うのですごく勉強になるし、同じボランチでもそれぞれカラーが異なるので吸収すべき点は多いと感じました。

――では、来季以降のポジションのこだわりは?

松井 自分としてはボランチをやりたいと思っています。ボランチとして成長したい、伸びたいという思いがあります。

――創造性あふれるプレーを得意とする松井大輔を、J1の舞台で見たいファンもいると思います。

松井 今の年齢になって派手なプレーをしていたら『何をやっているんだ?』と思われないかな(笑)。でも自分の中にファンタジスタの血は流れているので、時と場合によってプレーを選択していくことが大切です。だからチームが勝っていて少し余裕のある状況なら、そういう自分を解放したいですね。冷静に頭を使いながらも、観客が楽しめるプレーを忘れないようにやっていきたいですね。

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