2020シーズンの横浜F・マリノスへの加入が内定した東京五輪候補のオビ パウエル オビンナ[写真]=Getty Images
23日、横浜市内で2020シーズンの横浜F・マリノスへの加入内定記者会見を行ったオビ パウエル オビンナは、緊張した面持ちで会見場に現れた。
「今回、横浜FMに加入が内定したことをうれしく思います」。第一声でそう口にしたオビは、5歳からサッカーを始めた。もともとはフィールドプレーヤーだったが、小学4年生の時に「もともとGKが好きだったのもあるけど、ゴールを決められた時に『僕なら止められそう』と思って」と、GKへ転向したという。
「小学生の時は実際GKがうまければ点が取られない。その時は本当に自分が止めれば負けることはなくて。今以上に試合の結果に直結するプレーが多かったので。自分が活躍できればチームが負けることはないと思っていた。もちろん今でも決定機を止めたり、攻め込まれた時にGKは活躍すると思うけど、そこで耐える時に(GKに)やりがいを感じたりします」
193センチの恵まれた体格と高い身体能力、そして、この体格から想像できない俊敏性の持ち主。そのポテンシャルに惚れ込み、将来性を期待して4年間先発で起用し続けてきた中野雄二 流通経済大学サッカー部監督も「ポテンシャルは物凄い能力を持っている。陸上選手をやらせようかと思ったぐらい」と舌を巻く。「それらをすべてサッカーに結び付けることができたら、日本代表にもなれると思っています」と力強く語った。
「預かった選手の中では性格的にやさしさもあり、まじめです」とオビの性格面を明かしたが、同時に「やさしすぎるがために一つ尾を引いてしまうというか……ゴール前のハイボールに関しては積極的に制空権を取りに行ってほしいし、自信を持ってやるようになってほしい。迷った時に出て行かない判断もあるので、精神面を含めてまだ確固たる自信がないのかもしれない」と弱さも指摘する。
「日本サッカー界ではJリーグが一番レベルが高いので、そこで当たり前にやれるようになった時に、確固たる自信が生まれると思う。指導者から言われたことをきちんとやるほどまじめで、非常に謙虚なんです。だからこそ成功してほしい気持ちが強い」。巣立っていく愛弟子に対する、恩師からの愛情たっぷりな思いだった。
各年代の日本代表として早い段階から世界と戦ってきたオビ。6月に参加したトゥーロン国際大会の決勝戦でブラジルを相手にPK戦の末に敗れたことが記憶に新しいが、来年に控える東京五輪のメンバー入りを懸けて、いよいよプロとしての戦いが始まる。
「初めてスタジアムでサッカーを見た時に、間近で選手たちの熱いプレーを見て、いつかこうやって見ている人を興奮させるような熱いプレーをしたいと思ったことが、プロになりたいと思ったきっかけだった」
次はオビ自身に、Jリーグで、東京五輪で、子どもの頃に見た“熱いプレー”を見せてほしいと期待せずにはいられない。
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By サッカーキング編集部
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