2019.07.16

遠藤渓太が見据える1年後の大舞台…「点は取れない」から脱却し、東京五輪出場へ!

[写真]=Jリーグ
日本代表から海外まで幅広くフォローするフリーライター。

「よく言われるんですよ。『遠藤はいいけど、点は取れないよね』って(苦笑)。やっぱり今まではゴール前で力むことが多かったし、難しい時期を過ごしたことも正直ありました。でも『僕がノーゴールのままじゃ絶対にチームは優勝できない』『自分自信がもっと上のステージに行くためにもこのまま終わってはいけない』って気持ちはすごく強かった。今回点を取れて、やっとみんなの思いに応えられた。本当によかったと思います」



 試合前から両軍サポーターがヒートアップし、物々しい雰囲気の中、行われた13日の横浜F・マリノスvs浦和レッズ戦。前半から圧倒的にボールを支配した横浜FMは38分、左サイドバックのティーラトンが橋岡大樹からボールを奪い前線へ。これを遠藤渓太が受けると、鋭い反転で相手DFを剥がし、左足を一閃。グラウンダーのボールがサイドネットに突き刺さり、今シーズンのリーグ戦初ゴールが生まれた。

「みんなに揉みクチャにされた時は『よく取ったな』って言われました。一番は喜田くんかな。何か特別なアドバイスとかがあったわけじゃないけど、あの人は心の底から自分のことを分かってくれている。本当にありがたいです」(遠藤)

 この言葉を聞いた喜田拓也は「ゴールが決まっていないから渓太がダメだとか、信頼しないとかっていうのは全くなかった。守備も攻撃もやって最終局面に絡んでいたし、自分がボールを受けられずともスペースを空けるランニングもやっていたから。得点を取るためにはそういう影の仕事が大事。今まで貢献してきたご褒美じゃないけど、献身的な姿勢が報われた一発だったのかな」と嬉しそうにコメントした。

[写真]=清原茂樹

 後半には仲川輝人のゴールを巡る9分間の試合中断の末、ゴールは認められ、遠藤はアシストを記録。横浜FMは3-1で勝利を収め、首位・FC東京に肉薄することに成功する。背番号11の果たした仕事は非常に大きかった。

 2016年に横浜F・マリノスユースからトップチームに昇格して以降、遠藤は継続的に試合に絡んできたルーキーイヤーからJ1で23試合に出場し、年代別の代表でも常連として活躍。2017年のU-20ワールドカップや2018年のアジア大会にも名を連ね、2020年東京オリンピックの有力候補と目されていた。

 ところが今年6月、東京五輪世代のU-22で挑んだトゥーロン国際大会、同じく五輪世代を中心に挑んだコパ・アメリカと、いずれも遠藤は招集されなかった。同時期に開催されたU-20ワールドカップに山田康太、コパ・アメリカに三好康児が招集されたため、「それ以上の招集は見送る」という日本サッカー協会側の配慮もあったと見られるが、本人には不安が募った。

「色々な経緯があると思うけど、コパで頑張るみんなを見て悔しかったし、トゥーロンも決勝まで行った。自分はマリノスで頑張るしかないとずっと考えていたけど、うまくいかなかったり、勝てなかったりという厳しい時間もありました。特に強く感じたのは、点を決められないこと。『遠藤が決められないから勝てない』みたいに思われるケースもあったと思う。葛藤はありましたけど、サッカー人生は全部が全部、思い通りに行くわけじゃない。そう言い聞かせてやっていました」

 悲願の今季J1初得点を挙げた彼にとって、大事なのはこれからだ。類稀な推進力を活かしつつ、ゴール前の冷静さを手にすれば、「点が取れない」という周囲の雑音を完全に払拭できる。そして、1年後の大舞台にも手が届くはずだ。

[写真]=Getty Images

「正直、選ぶのは自分じゃないし、選んでもらえるようなプレーを続ければ後悔は残らないと思うんです。そう簡単に手に入れるほど五輪の出場枠というのは甘くない。もっともっと突き抜けないとダメかなと思います。ポジションやフォーメーションによって自分の役割は変わるけど、やっぱりい点を取り続けることがアピールへの一番の近道。マリノスにしてもエジガル(・ジュニオ)がずっと点を取り続けてくれるわけではないし、そこで自分が決められるようになれば、チームとしても一段階、二段階上に行ける。そうなるのが理想的だと思います」

 レアル・マドリードの久保建英、バルセロナの安部裕葵など、同じ東京世代のアタッカーたちは海外挑戦に踏み切った。「それは刺激になります」と遠藤も言うが、世界的ビッグクラブで試合に出られる保証はない。むしろ横浜FMでコンスタントにピッチに立つことができる遠藤の方がアドバンテージがあるという見方もできる。そうした現状をポジティブに捉え、少しずつ進化していくことができれば、大化けする可能性も大いにある。本人は「あんまりハードル上げないでください(笑)」と笑ったが、秘めるポテンシャルの高さは間違いない。本当の勝負はここからだ。

文=元川悦子

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