2019.03.29

【サッカーに生きる人たち】岐阜の子どもたちがサッカーを好きになるきっかけになりたい|益山司(FC岐阜スクールコーチ)

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インタビュー・文=山口怜斗(スポーツデジタルメディア編集講座1期生)
写真=山田智子

 かつて岐阜のピッチで奮闘した”美濃加茂のスター”は今、岐阜の子どもたちと向き合うことに奮闘している。

 益山司(ますやま・つかさ)さんは1990年1月25日に岐阜県美濃加茂市に生まれた。岐阜工業高校在学時にU-17日本代表に選出され、柿谷曜一朗らとともにFIFA U-17ワールドカップのメンバーに選出された。そして2008年、豊富な運動量を武器にジェフユナイテッド千葉に入団する。”ポスト阿部勇樹”としての活躍を期待され、背番号は「29」に決まった。かつて阿部勇樹が背負った番号だ。

 だが、プロになった益山さんには壁が待ち構えていた。初出場となった試合でケガを負った益山さんは出場機会を失い、2010年8月に大分トリニータへ期限付き移籍。その後、2011年の千葉復帰を経て、2012年には再び松本山雅FCへ期限付き移籍を果たした。

 他クラブでの武者修行を終えた益山さんに、千葉での居場所はなかった。松本山雅を離れた益山さんは、契約満了により千葉からも退団。5年間で出場した試合は、わずかに20試合だった。そんな益山さんに救いの手を差し伸べたクラブがあった。

 2013年、地元のクラブであるFC岐阜に完全移籍を果たすと、クレバーなプレーでチームを支え、4年間で114試合に出場した。だが、2016シーズンを終えた時、益山さんはある決断を下す。26歳という若さにして現役を退き、FC岐阜のスクールコーチになることを決めたのだ。

今こうしてサッカーの仕事ができているのは、本当に運です(笑)

 益山さんがサッカー選手としての転機を迎えたのは、高校2年生の頃だという。各都道府県の代表メンバーを選出して行う国体(国民体育大会)に出場することになったのだ。

 当時の国体には「16歳以下のみのメンバーで構成する」というルールがあったため、多くの都道府県のメンバーは高校1年生で構成されていたが、早生まれの益山さんは高校2年生の時に岐阜県代表として選出された。

 1回戦の相手は神奈川県代表だった。横浜F・マリノスのユース選手やアンダー世代の代表の選手を抱える優勝候補だったが、益山さんの活躍もあり勝利を収めた。その試合を見守っていたスカウトの目にとまり、アンダー世代の代表に選出。そのことでプロチームの練習に参加する機会を得た益山さんは、当時J1に所属していたジェフ千葉への入団を決めた。

「今振り返れば、プロになれたのは本当に運ですよね。早生まれで国体に選ばれたのも運だし、1回戦の相手が優勝候補の神奈川県代表で、その神奈川県代表を見るためにスカウトが来ていたっていうのも運だし(笑)」。益山さんはそう語るが、チャンスをものにできたのは実力が備わっていたからこそだろう。

チャンスをくれたFC岐阜には感謝しかない

 2016年シーズンを最後にFC岐阜で引退を決めた益山さんは、引退当時の心境をこう振り返る。

「当時は試合に出る機会も減って、上のカテゴリーにい続けるのが難しいと感じたんです。カテゴリーを下げるんだったらやめよう、という気持ちがあったので、26歳で引退を決めました。正直、引退後のことは何も考えていなかったんですが、そんな時にFC岐阜からスクールコーチの話をいただいて。スクール会場の見学などをしながらしっかり考えて、指導者の道に進もうと決めました。現役時代の千葉を退団した時に手を差し伸べてくれたのもFC岐阜でしたし、昔も今もチャンスをもらっている。感謝の気持ちしかありませんね」

 現在、益山さんはスクールコーチとして岐阜県内を転々としている。指導の対象は幼稚園や保育園の年中から小学校6年生の子どもたちだ。

「難しいのは言葉ですね。単純な練習であっても、言葉ではなかなか伝わらなくて。サッカーがうまい子もいれば、そうでない子もいますが、みんなが楽しくやれるっていうことを常に意識しています。スクールをきっかけにサッカーを始めてくれると、僕が教えたかいがあります。そうやって岐阜でサッカーをやる子が増えていくのが喜びですね」

目の前の目標は指導者のライセンスを取ること

「今の目標は指導者のライセンスを取ることです。C級ライセンスを持っているので、次のステップのB級を取りたいと思っています。B級を持っていれば、ゆくゆくFC岐阜のユースを指導できたりと、仕事の幅が広がりますからね。最大の課題は……勉強が苦手なことです(笑)」

 B級ライセンスのさらに先、A級、S級ライセンスを取ることも考えているのだろうか。FC岐阜のトップチームを率いて、J1に導く……なんてことが起きれば、最高の恩返しになるはずだ。

「今はまだFC岐阜をJ1に連れていくとか、そんな大それたことは言えないです。でも、J1にいってほしいですよね。すぐにっていうのは難しいかもしれないですけど、1年1年を積み重ねて成長していけばいつかは……と思います」

 FC岐阜にとって、J1昇格は悲願だ。そのためには、サポーターの支えはもちろん、FC岐阜に携わる関係者の尽力も不可欠になる。その”最高の瞬間”を夢見ながら、益山さんは今日も子どもたちの指導にあたる。

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