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寄り添い、共に歩む被災地支援…浦和レッズに浸透する社会貢献の理念

2019.01.21

幼稚園児と小学生合わせて127人の子供たちが参加した [写真提供]=浦和レッズ

 1月13日、岡山県倉敷市の真備総合公園にて「真備地区復興支援 三菱自動車&浦和レッズ サッカーフェスティバルin まび」が開催され、浦和の柏木陽介森脇良太宇賀神友弥浦和レッズハートフルクラブの宮沢克行コーチが参加した。

子供たちとピッチを駆ける浦和の選手たち [写真提供]=浦和レッズ

レクリエーション要素の強いメニューで子供たちと交流した [写真提供]=浦和レッズ


 同イベントは「西日本豪雨被災地支援」の一環として、甚大な被害を受けた倉敷市を拠点とする三菱自動車工業株式会社 水島製作所が主催し、浦和、倉敷市、株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブが協力する形で実現。被災した倉敷市の人々に対し、サッカーを通じた激励を行うことを目的として開催された。

 イベントは2部構成で実施され、午前中は幼稚園児を対象にしたレクリエーションに31組62名の親子が参加。午後の小学生を対象としたサッカー教室には96名の子供たちが集まった。午前、午後ともに閉会式では選手たちへの質問コーナーが設けられたほか、サインや写真撮影に応じるなど、選手たちはさまざまな形で参加者と交流した。

写真撮影に応じる柏木 [写真提供]=浦和レッズ

災害発生当時の真備町の様子 [写真提供]=浦和レッズ

イベントを主催した三菱自動車工業株式会社 水島製作所の北尾光教所長 [写真提供]=浦和レッズ

 浦和は2011年に発生した東日本大震災の復興支援活動として、国連関連機関「国連の友アジア-パシフィック」と共同して「東日本大震災等支援プロジェクト」を実施しており、この活動は震災発生から約8年が経過した現在も継続的に実施されている。「長期間被災地に寄り添うことが大切」という考えに基づき、サッカーを通じてこころを育むことをテーマに活動している、浦和OBを中心としたメンバーから成る浦和レッズ ハートフルクラブは「ハートフルサッカー in 東北」という活動を通じて、岩手県、宮城県、福島県の被災地の子供たちを対象に過去8年間で80回のサッカークリニックを行っており、参加者数は延べ3,649人に達しているという。

 そうした着実でたゆまぬ社会貢献活動が高く評価され、昨年11月にはハートフルクラブのキャプテンを務める落合弘氏が、サッカーを通じた子供たちの健全な育成に大きく寄与したとして『さいたま市文化賞』を受賞。また、同年12月にはクラブとして、社会、地域、子供たちの未来のために、競技場の外でもスポーツマンシップを発揮しているアスリートやスポーツ団体を称える『HEROs AWARD 2018』を、かつて浦和でプレーし、ユニセフを通じて世界の子供たちを支援している長谷部誠らと並んで受賞している。

 今回の「西日本豪雨被災地支援」についても、浦和の淵田敬三代表は水島製作所の北尾光教所長に「今後もできることをしていきたいと思います」と伝え、継続的に支援していく姿勢を示している。また、イベントに参加した選手たちも「新たにひとつ仲間の町ができたので、被災地支援というテーマに限らず、また機会があれば子供たちに会いに来たい」(柏木)「これが一回きりになるのではなくて、さらにもっともっと協力できる活動を増やしていきたい」(森脇)、「こういう機会を作ってもらって交流を深めることができたと思うので、何か形としてもしっかりと残していきたい」(宇賀神)とコメント。淵田代表同様、今後の継続的な支援への意思を示しており、クラブが掲げる理念がフロントスタッフから選手に至るまで深く浸透している様子がうかがえた。

『HEROs AWARD 2018』表彰式に出席した淵田代表(左から3人目)と落合キャプテン(左から2人目) [写真提供]=浦和レッズ

イベント参加者と交流する宇賀神と森脇[写真提供]=浦和レッズ

 浦和のトップチームは熱狂的なファン・サポーターを持つことで知られ、昨シーズンまで3シーズン連続でタイトルを獲得するなど、人気・実力ともに国内屈指のものだ。だが、前述の『HEROs AWARD 2018』を受賞などからも分かる通り、ピッチ外においても日本スポーツ界をリードする存在と言える。

 浦和は昨年5月に発表したクラブとしての理念の中で「サッカーを初めとするスポーツの感動や喜びを伝え、スポーツが日常にある文化を育み、次世代に向けて豊かな地域・社会を創っていく」と宣言している。浦和は今後もピッチ内外で、その理念を体現していくだろう。

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